esportsという言葉が広まって、スポーツというものが持つイメージが広がってきた所で、
「eスポーツはスポーツか」
そんな疑問がささやかれるようになってきた。
これに対して色々な立場の人が色々な意見を掲げているのだけど、あまりゲーマー目線で語られることがなく、
既存のスポーツとの比較で語っている人が多いように見受けられたので、そうではないんじゃないかなという所を話してみたいと思います。
結論から言うと、一部はスポーツでもあるという所ですが、
もう少し詳細に見ていきましょう。
☆スポーツかスポーツではないかの限界
まず、これがどこにあるのかを考えてみたいと。
たとえば
「”ダンス”はスポーツか?」
これに関して、チアリーディングのように
”運動強度が高く、競技的な要素が強いもの”はスポーツ
とする考えがある。
逆に盆踊りのように
”気軽に参加できる程度に運動強度が低く、芸術的な表現であったり娯楽的要素が強いもの”はスポーツではない
そう考えると割と妥当な結論を出せる気がする。
例)
・ピアノ
コンクールなどは運動強度が高く技術を競う
→スポーツ
好きな曲を弾いて楽しむ場合、気軽に始められ、芸術的な表現や娯楽的な要素が強い
→スポーツではない
・将棋
段位戦などは脳を高度に使い技術を競う
→スポーツ
兄弟や友達と遊ぶ場合は娯楽としての要素が強い
→スポーツではない
このあたりがスポーツと認められるか、認められないかの限界であるように思います。
そこでは
1つの種目でもスポーツである場合とそうでない場合が混在していることがある。
だとすると、
eスポーツはスポーツか
そういった議論が大きいこと自体、そのように
"eスポーツがスポーツとして認められる場合とそうでない場合がある"
ことを示しているのだと思う。
ではどういった所でそれらが分けられるのかというと、まず大きく関係してくるのは
"娯楽性"
これだと思う。
要するに
"ランダム性"が大きいかどうか
による。
たとえば牛さんの見解で言えば
☆ランダム性が高いデジタルカードゲームはesportsであってもスポーツではない。
デッキ構築にメタゲームを盛り込んだりカードプールを念頭に置いたプレイング技術、メンタルコントロールなど高度に知的に行われるのでこれはスポーツといって差し障りなさそうである。
問題はランダム性。
スポーツの競技として、ランダム性をプレイングでコントロール可能かどうか。
たとえばシャドウバースはesportsではあるけど、将棋のように相手と同じ条件ではない。
そこに座った時点でメタゲームを行っているのか支配的なデッキを改良したりしながら使用しているのか、あるいは・・・という所での有利不利が生じてしまう。
これはプレイヤー側で確率として支配的なデッキにあたる確率に対抗することはできるけれども、それを避けるためのプレイングでの”コントロール”はできない。
そうなるとesportsではあるけど、いわゆるスポーツとして競技性が強いと認められるような”公平性”・・・対面型で卓についたり手札が配られた時点ではおよそ平等である、といったことは難しい。
☆バトルロイヤルはスポーツか。
降下時点で完全に公平で、降下後に取得する武器についてはランダム性があるものの、降下を遅らせたりすることで他のプレイヤーを避けて収集できる・・・つまり”ランダム性をプレイングでコントロール可能”であるということ。
ただし、娯楽的な遊び方をしている場合、スポーツではなく表現活動という要素が強くなるため、そのゲーム自体がスポーツというわけではなく、スポーツとしてプレイすることもできるということ。
ということで、コンテンツクリエイター牛さんの見解としては、
・スポーツであり、esportsでもある
・スポーツではないけどesportsである
・esportsではないけどスポーツである
・esportsではなく、スポーツでもない
すべてありうるし、なんならダンスのようにスポーツに含まれて競技化されているけどスポーツとして行われているわけではない場合もある。
スポーツとの比較でesportsを理解しようというスタートはとてもいいものだと思うのだけど、明確な定義が欲しい所でもある。
もし仮に自分がesportsの定義を行うなら下記のようになる。
1、競技として行われ、
2、競技開始時点でランダム性を多分に含んだとしてもその準備段階が公平であるかランダム性がプレイングによってコントロール可能であり、
3、その目的が表現活動や娯楽ではなく専ら客観的な基準によって優劣を計測可能な目的であり、
4、競技者として期待される高度な倫理感を求められるもの。