「あれ、遠山さんですよね、取材ですか。」

 「あっ日笠さん、どうしたの仕事?」

 「はは、オーディションだったんですけど、だめかな? いいですかここ?」

 日笠は遠山の前に座ると、

 「来月号の表紙って何になるんですか?」

 「ハヤテのごとくだね。でも、けいおん見たよ、いいんじゃない、うちも特集組もうかって話もあるし、表紙かざるかもよ。」

 「そうですか、そうなったら嬉しいですね。」

 「うちも、取材申し込んでるから、取材のときはよろしくね。」

 「遠山さん数少ない私の顔見知りの記者さんですから、沢山しゃべりますから、良く書いてくださいね。」

 「わかった。で、日笠さんはオーディションだったんだ、木村監督のやつ?」

 「ええ、でも私なんかへたくそで、また自信なくしました。」

 「まあ、だめな時もあるかもしれないけど、日笠さんの魅力を分かってくれる人って、これから増えていくんじゃないかな。」

 「そうだといいんですけど。」

 「なんか今日はネガティブなのね。」

 「オーディション受けるまでは気合入れてたんですけどね、その気合が空回りして、今は落込んでいるんです。」

 「正直な子、で今日はもう仕事終わり、バンド練習とかないの。」

 「今日は、あっきょは一日仕事だし、ミナちゃんは明日から学校なんで練習は休みです。今しゅががオーディション受けてるから、終わったら食事でもしながら残念会しようかなと思って、あっ、しゅがは残念になるか分からないけど。」

 「しゅがって青二の佐藤聡美さんだよね。仲いいのね?」

 「へへ、なんかけいおんの仲間って特別なんですよね。」

 「みんな同じくらいの年だけど、ライバルって感じじゃないの?」

 「いえ、確かにライバルなんですけど、ライバル同士なんだけどお互いに信頼があるというか、姉妹でライバルみたいな感じですかね。」

 「そうなんだ。」

 「あっ、しゅが! シュガ美。」

 陽子が立ち上がり、手を振ると、聡美はそれに気付いて陽子の方にかけてくると、聡美は陽子の頭をなでながら、

 「私もだめかな。」

 「そうか、次がんばろう。あっ、そう、こちらアニメールの遠山さん。」

 「はじめまして、佐藤聡美です。」

 陽子が遠山を紹介し、聡美が挨拶をすると、遠山は名刺を出して、

 「始めまして、今度けいおんで取材させてもらいますからよろしく。」

 陽子の隣に聡美が座ると、

 「遠山さん、アニメ記者の目でみて、けいおんどうでしたか?」

 「そうね、素直に面白かったけど、これは個人的な感想ね。記者の目からみれば、情報が少ないというか、今になってみれば相当情報統制されたアニメだったね、あの時間帯にあの内容を持ってきて、しかも、出来のいいOP/EDが準備されている、内容だって4人のキャラが際立ってるし、あなたたちキャストも頑張ったと思うよ、多分アニメ雑誌の関係者の多くが慌ててると思うよ。」

 「そうですか、失望させなくてよかった。」

 「聡美ちゃん謙虚すぎ、失望どころか、私はワクワクし始めてる。」

 「ワクワク!」

 「陽子ちゃんはのんきすぎ、あなたの曲、オリコンの上位に入るかもよ。」

 「えっ、そんなこと。」

 「わかってないな、今はJ-POP低迷しているし、へたなタレントや俳優よりも声優の方がセールスいいんだから。私は陽子ちゃんを紹介してくれた中村さんに感謝してるし、佐藤さんともコンタクト取れて嬉しいぐらいよ。」

 

 

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