「合格できそう。でも、本当にこの学校でいい?」


10月も半ばを過ぎ、中学3年生の皆さんは、そろそろ志望校を具体的に絞り込んでいく時期になってきました。

北辰テストの結果も何度か返ってきて、学校の成績もある程度見えてきた。高校の個別相談へ行けば、「今の成績ならこのくらい」という合格の目安を聞くこともできます。

夏休み前にはまだ漠然としていた高校受験も、少しずつ現実のものになってきたのではないでしょうか。

「このくらいの偏差値なら、この学校かな」
「今の成績なら、ここなら合格できそう」
そんなふうに、数字を見ながら志望校を考える場面も増えてくると思います。

もちろん、偏差値や内申、模試の結果は、高校を選ぶうえで大切な材料です。受験である以上、「合格できる可能性」を考えることも必要です。

でも、この時期だからこそ、もう一つ考えてみてほしいことがあります。

「合格できそうな学校」と「自分が本当に行きたい学校」は、同じでしょうか。

高校は、合格することだけを目的に選ぶ場所ではありません。

合格したその先には、3年間の高校生活があります。

毎日その学校へ通い、授業を受け、友達と過ごし、部活動や学校行事に参加する。その中で新しいことを知り、自分の進路について考えていくことになります。

だからこそ、「入れるかどうか」だけではなく、「そこでどんな3年間を過ごしたいのか」まで考えて学校を選んでほしい。

そんなことを改めて感じたのが、先日行われた「入試ファースト春日部」でした。

入試ファースト春日部
今年も多くの方が来場してくださいました

入試ファーストで、もう一つ見てほしかったもの


今回の入試ファースト春日部には、当塾からも多くの中学3年生が参加しました。

この時期の合同相談会ですから、やはり一番気になるのは「今の成績で、どのくらい合格の可能性があるのか」ということだと思います。

実際に各高校のブースを回り、北辰テストの結果や通知表などを見てもらいながら個別相談をした生徒も多かったのではないでしょうか。

志望校がある程度決まっている人にとっては、現在の自分の位置を確認する大切な機会です。

「もう少し頑張れば届きそう」
「今のところ順調に来ている」
そんなことが分かれば、これからの受験勉強にも具体的な目標ができます。

でも、今回みなさんに入試ファーストへ参加してもらった理由は、それだけではありません。

私がもう一つ大切にしてほしかったのは、「自分がまだ知らない学校に出会うこと」でした。

この時期になると、志望校もある程度固まってきます。すると、どうしても第一志望や第二志望など、もともと考えていた学校だけを回って終わりになりがちです。

もちろん、それも大切です。
ただ、せっかくたくさんの高校が一つの会場に集まっています。

だから私は、
「予定していた学校を回り終わったら、もう一校だけ、今まで考えていなかった学校の話も聞いてみたら?」
と声をかけることがあります。

名前は知っているけれど、どんな学校なのかはよく知らない。
少し遠いから、最初から候補に入れていなかった。
なんとなく自分には関係のない学校だと思っていた。

そんな学校の中に、実は自分に合う学校があるかもしれません。

話を聞いたからといって、その学校を受験する必要はありません。

でも、「知らないから選ばない」のと、「知ったうえで選ばない」のとでは、高校選びはずいぶん違うと思います。

入試ファーストのように多くの高校が集まる機会だからこそ、合格の目安を確認するだけでなく、自分の知らなかった学校にも少し目を向けてみる。

そんな「新しい学校との出会い」も、大切にしてほしいと思っています。

「こんな学校もあるよ」と伝えられるように


今回の入試ファーストでも、そんな場面がありました。

いくつかの学校を回ってきた生徒と話をしている中で、その生徒がまだ見ていなかった学校について、「せっかくだから、この学校の話も聞いてみたら?」と声をかけました。

その学校は、本人がそれまで積極的に考えていた学校ではありませんでした。

でも、普段のその生徒の様子や、これまで話してきた進路についての希望などを考えると、「もしかしたら、この学校にも興味を持つかもしれない」と思ったのです。

そこで実際にブースへ行って話を聞いてもらいました。

すると、戻ってきた生徒から、
「今度、学校説明会にも行ってみます」
という言葉が出てきました。

もちろん、話を聞いたからといって、その学校を志望校にする必要はありません。実際に学校説明会へ行ってみたら、「やっぱり自分には違うかな」と感じるかもしれません。

それでもいいと思っています。

大切なのは、知らなかった学校が一つ、自分の選択肢として見えるようになったことです。

高校選びでは、最初から「この学校」と決めて一直線に進むこともあります。
一方で、いくつかの学校を実際に見て、話を聞いて、比べていく中で、

「自分はこういう雰囲気の学校が好きなんだ」
「高校ではこんなことをやってみたいんだ」

と、自分自身の希望に気づいていくこともあります。

だからこそ、私たち塾側も、ただ「この偏差値ならこの高校」と学校を当てはめるのではなく、その生徒を見ながら、「こんな学校もあるよ」と選択肢を示せる存在でありたいと思っています。

そして、そうした一言を生徒に伝えるためには、私自身もいろいろな学校のことを知っておかなければなりません。


だから、私自身も学校へ足を運びます


「こんな学校もあるよ」と生徒に伝えるためには、まず私自身がその学校を知らなくてはなりません。
そのため、できる限り高校の学校説明会へ足を運ぶようにしています。

パンフレットやホームページを見れば、コースやカリキュラム、進学実績、部活動など、基本的な情報は知ることができます。

でも、実際に学校へ行ってみると、それだけでは分からなかったことが見えてくることがあります。

校内の雰囲気や生徒たちの様子、先生方がどんな言葉で自分たちの学校を説明しているのか。学校が今どんなことに力を入れ、これからどんな学校を目指そうとしているのか。
そうしたことは、実際に足を運び、先生方のお話を聞くことで初めて分かることも少なくありません。

そして、一度説明会へ行ったら終わり、というわけでもありません。

学校も少しずつ変わっていきます。

新しい取り組みが始まったり、コースや教育内容が変わったり、進路指導の方向性が変わったりすることもあります。

だから今回の入試ファーストでも、これまで学校説明会などでお世話になった先生方にご挨拶をしながら、最近の学校の様子や最新の動向についてお話を伺ってきました。

入試ファーストは、生徒の皆さんが高校について知る場であると同時に、私にとっても、学校の先生方と情報交換をし、自分が持っている学校情報を更新する大切な機会になっています。

ただ、学校をたくさん訪問することや、学校について詳しくなること自体が目的ではありません。

そこで見たこと、聞いたことを持ち帰り、普段接している生徒一人ひとりの姿と重ねて考える。

「この学校のこんなところは、あの生徒に合うかもしれない」
「この取り組みは、あの子が興味を持ちそうだな」

そんなふうに、生徒の顔を思い浮かべながら学校を見るようにしています。

学校説明会へ行くことも、入試ファーストで先生方と情報交換をすることも、その先にある目的は一つです。

生徒一人ひとりに、「こんな学校もあるよ」と伝えられる選択肢を、できるだけ多く持っておくこと。

そのために、これからも自分自身の学校情報を更新し続けていきたいと思っています。


同じくらいの偏差値でも、学校は同じではありません


高校を選ぶとき、どうしても一つの目安になりやすいのが偏差値です。

「今の偏差値なら、どの高校が狙えるだろう」
「このくらいの成績なら、どの学校が安全だろう」

受験ですから、こうした視点はもちろん必要です。私自身も進路指導をするときには、北辰テストの結果や学校の成績などを見ながら、合格の可能性を考えます。

ただ、いろいろな高校へ実際に足を運んでいると、改めて感じることがあります。

それは、同じくらいの偏差値の学校であっても、中に入ってみると本当にそれぞれ違うということです。

大学進学に向けた学習指導に力を入れている学校もあれば、部活動や学校行事が盛んな学校もあります。

探究活動に特色のある学校、資格取得に力を入れている学校、専門的な分野を高校生のうちから学べる学校もあります。

先生と生徒の距離感や、学校全体の雰囲気にも違いがあります。

どれが良くて、どれが悪いという話ではありません。

大切なのは、その違いの中から、自分に合う学校を探していくことだと思います。

例えば、同じくらいの偏差値の二つの高校で迷っていたとしても、

「高校でも部活動を思い切りやりたい」

という生徒と、

「大学進学に向けて、勉強をしっかり頑張りたい」

という生徒では、学校を見るときに大切にしたいポイントも違ってくるでしょう。

「資格を取りたい」
「高校では新しいことに挑戦したい」
「落ち着いた雰囲気の中で勉強したい」

そんな一人ひとりの希望によっても、学校の見え方は変わってきます。

偏差値は、「その学校に合格できる可能性」を考えるための大切な数字です。

でも、その数字だけでは、
「その学校で、自分がどんな3年間を過ごせそうか」
までは分かりません。

だからこそ、数字で候補を絞ることと同じくらい、実際に学校を見たり、先生の話を聞いたりして、「自分はここでどんな高校生活を送りたいのだろう」と考えることも大切にしてほしいと思います。


「知らなかったから選ばなかった」を、できるだけ減らしたい


中学生の皆さんが知っている高校は、実はそれほど多くないのかもしれません。

家から近い学校。先輩が通っている学校。友達との会話によく出てくる学校。部活動で名前を聞いたことがある学校。そして、偏差値などで高校を検索したときに出てきた学校。

そういったところから高校選びが始まるのは、ごく自然なことだと思います。

ただ、その範囲の外にも、たくさんの高校があります。

少し通学範囲を広げれば、今まで名前しか知らなかった学校があるかもしれません。

普通科だけでなく、専門的なことを学べる学科に目を向けたら、自分が興味を持てる学びが見つかるかもしれません。

「自分には関係ない」と思っていた学校でも、実際に説明を聞いてみると、意外と自分の希望に合っていることもあります。

だから、高校選びでは、最初から選択肢を狭くしすぎなくてもいいと思っています。

もちろん、たくさんの学校を見れば見るほど良い、ということでもありません。

大切なのは、自分なりに納得して選ぶことです。

いくつかの学校を知ったうえで、
「やっぱり最初に考えていた学校が一番いい」
となるなら、それも立派な学校選びです。

逆に、
「こんな学校があるとは知らなかった。こっちの方が自分には合っているかもしれない」
という発見があれば、それも大切にしてほしいと思います。

私ができるのは、最終的に「この学校にしなさい」と決めることではありません。

生徒の皆さんが自分で考え、自分で選んでいくために、
「こんな学校もあるよ」
「一度、話を聞いてみたら?」
と、少しだけ視野を広げるきっかけをつくることだと思っています。

高校選びで後から、
「あんな学校があるなんて知らなかった」
となるのではなく、

いくつかの選択肢を知り、比べ、実際に見たうえで、
「私はここに行きたい」
と決めてほしい。

そのためにも、「知らなかったから選ばなかった」という学校を、できるだけ減らしていけたらと思っています。

高校選びは、「合格」で終わりではありません


これから受験が近づいてくると、どうしても「合格できるかどうか」が気になるようになります。

偏差値も、内申も、北辰テストの結果も大切です。
「あとどのくらい頑張れば届くのか」
「今の自分なら、どの学校を目指せるのか」
そうしたことを考えながら志望校を決めていくのも、高校受験では必要なことだと思います。

でも、高校入試の合格発表の日がゴールではありません。
むしろ、そこから新しい3年間が始まります。

来年の春、その学校へ通っている自分を少し想像してみてください。

毎朝その学校へ向かい、教室で授業を受ける。
新しい友達ができる。
部活動に打ち込んだり、学校行事を楽しんだりする。
そして3年間の中で、少しずつ自分の将来について考えていく。

そんな自分の姿を想像したときに、
「ここで高校生活を送ってみたい」
と思えるでしょうか。

高校選びで大切なのは、偏差値を見ないことではありません。
数字も大切な判断材料の一つとして使いながら、それだけでは見えてこない学校の雰囲気や学び、そこで過ごす自分の姿まで考えてみることだと思います。

そのために、学校説明会へ行ってみる。
合同相談会で、今まで知らなかった学校の話を聞いてみる。
少し気になった学校があれば、実際に足を運んでみる。

そうやって一つひとつ確かめながら、自分なりの答えを見つけていってほしいと思います。

私自身も、これからもできるだけ多くの学校へ足を運び、先生方のお話を聞き、学校の今を知り続けていきたいと思っています。

それは、「この成績ならこの高校」と学校を決めるためではありません。

生徒一人ひとりと話をしたときに、
「こんな学校もあるよ」
と、その生徒に合うかもしれない選択肢を一つでも多く示せるようにするためです。

「合格できる学校」を探すだけではなく、
「この学校にしてよかった」と思える学校を探す。
その学校に出会い、自分自身で納得して選んでいけるように。

これからも、生徒の皆さんと一緒に高校選びを考えていきたいと思います。

著者紹介


根岸孝之|幸彩学習塾 塾長

埼玉県久喜市周辺で、小中学生の学習・進路指導に携わっています。学校説明会や学校訪問にも積極的に足を運び、「数字だけでは見えない学校の魅力」を生徒・保護者に伝えながら、一人ひとりに合った学校選びをサポートしています。

 最近、こんな言葉を授業報告書に書きました


    

「難しい問題も、自分なりに試行錯誤し、諦めることなく粘り強く取り組んでいました。」


    

「分からないところも妥協せず、自分で辞書を使って調べてくれました。」


    

「間違っていた問題でも、式の立て方や考え方は合っているものが多くありました。」


これは最近、私が授業報告書に書いた言葉です。

こうして並べてみると、ここには「偏差値が上がった」とか、「○点取れた」といった言葉は一つもありません。
でも、毎日の授業で生徒たちを見ている私には、どれも大切な「成長」に見えます。

以前なら難しい問題を前にすると手が止まっていた子が、もう少し考えてみようとする。

分からないことがあるとすぐに答えを聞いていた子が、まず自分で調べてみる。

答えはまだ合っていなくても、正解まであと一歩のところまで自分の力で進めるようになる。

もしかすると、ご家庭でもそんな変化を感じることはないでしょうか。

以前より少し机に向かうようになった。
「分からない」と言いながらも、すぐには諦めなくなった。

ほんの小さな変化なので、毎日一緒にいると気づきにくいかもしれません。

でも、こういうところから、生徒たちは少しずつ変わり始めているのだと思います。

 「あんなに頑張ったのに……」


夏休み。
暑い中、塾まで来て、長い時間問題に向き合った生徒たちがいました。
もちろん、毎日やる気いっぱいだったわけではないと思います。

友達と遊びたい日もあったでしょう。
今日は勉強したくないな、と思った日もあったでしょう。
それでも塾に来て、机に向かって、問題を解いた。

そんな姿を、この夏もたくさん見てきました。
だからこそ、夏休み明けの北辰テストなどの結果には期待します。
「これだけやったんだから、きっと上がっているはず」
そう思うのは、生徒自身も同じでしょう。

ところが、返ってきた結果を見ると、思っていたほど偏差値が上がっていない。

「あんなにやったのに……」
「もっと上がると思っていたのに……」
「自分は、やっても変わらないのかな……」

そんな気持ちになってしまうことがあります。
そして、これは保護者の方もきっと同じだと思います。

夏休みに頑張っていた姿を近くで見ていたからこそ、期待する。
だから結果が思うような数字でなければ、
「夏休みの勉強は、成果につながらなかったのかな」
「もう少し頑張れたのかな」
と心配になることもあると思います。

期待していたからこそ、がっかりする。
それは、とても自然なことだと思います。

でも、そこで、
「偏差値が上がらなかった=成長しなかった」
と決めてしまうのは、少し早いのかもしれません。




 偏差値が変わらなくても、増えているものがある


例えば、前回50点だった教科が、今回60点になったとします。
10点上がったのだから、偏差値もきっと上がっている。
そう期待すると思います。

でも実際には、点数が上がっていても、偏差値がほとんど変わらないことがあります。
テストが前回より易しかったり、周りの受験生も点数を伸ばしていたりすれば、そういうことも起こります。

そんな結果を見ると、
「結局、変わらなかったな」
と思ってしまうかもしれません。

でも、本当に何も変わっていないのでしょうか。
50点だったものが60点になった。
だって、10点分、できることは増えているのですから。

そして私たちが普段の授業で見ているのは、点数だけではありません。

以前なら難しい問題を見るとすぐに「分かりません」と言っていた子が、まず自分で考えてみるようになった。

一度間違えただけで諦めていた子が、消しゴムで消して、もう一度やり直すようになった。

分からない英単語が出てくるたびに先生に聞いていた子が、自分から辞書を開くようになった。

答えは間違っていても、式の立て方までは合うようになった。

問題文のどこを使えばいいのか分からなかった子が、大切なところに線を引きながら読めるようになった。

「なんとなくこれだと思う」だった答えに、「ここにこう書いてあるから」と理由をつけられるようになった。

以前なら空欄だった問題に、自分なりの答えを書くようになった。

そして、分からないことをそのままにせず、「ここまでは分かったけれど、ここからが分からない」と質問できるようになった。

こういう変化を、私たちは日々の授業の中で見ています。

テストでは、最後の答えが違えば「×」になってしまうこともあります。
でも、私たちから見ると、それは以前と同じ「できなかった」ではありません。

「できなかった」が、「あと一歩」に変わっている。
その「あと一歩」は、まだ点数にも偏差値にも表れないかもしれません。
でも、一つ、また一つと増えている。

それも、これまで勉強を続けてきたからこそ生まれた、大切な成果なのだと思います。

 「まだ足りない」と「意味がなかった」は違う


もちろん、だからといって「偏差値なんて気にしなくていい」という話ではありません。

受験では、偏差値も大切な数字です。
志望校にまだ届いていなければ、もう少し勉強時間を増やす必要があるかもしれません。苦手な単元をもう一度やり直した方がいいかもしれません。今までと同じやり方ではなく、勉強の仕方そのものを見直す必要があることもあります。
私たちも、そこはきちんと生徒たちに伝えていきます。

ただ、一つだけ大切にしたいことがあります。

「まだ足りない」と、「今までやってきたことに意味がなかった」は、同じではないということです。

結果が返ってきたとき、保護者の方も、どうしても最初に偏差値を見てしまうと思います。
それだけお子さんの受験を心配し、応援しているからこそだと思います。

でも、そんなときに、もう一つだけ見てもらえたら嬉しいものがあります。

点数は前回からどう変わったでしょうか。

答案を見ると、以前は空欄だった問題に何か書けるようになっていないでしょうか。

以前ならすぐに諦めていた問題に、途中まででも取り組めるようになっていないでしょうか。

そして何より、勉強に向かう姿そのものは、少し前と比べてどうでしょうか。

できなかったところを見つけて、次の課題にすることはもちろん大切です。
でも、それと同時に、できるようになったことを認めることもできます。

「ここはまだ足りない。でも、ここまではできるようになったね。」
そんな見方が、次の一歩につながっていくのではないかと思います。



 まだ途中。だから、ここで諦めなくていい


最後に、今回思っていたような結果が出なかった人へ。

「あんなに勉強したのに……」
「やっても変わらないのかな」
「自分には無理なのかな」

もし今、そんなことを思っているとしたら、それだけで勉強をやめてしまわないでほしいと思います。

毎日の授業を見ていると、私たちには数字とは違うところで、皆さんが変わってきたことが見えています。

前よりも、難しい問題に粘れるようになった。

分からないことを、自分で調べられるようになった。

すぐに答えを求めず、自分で考え続けられるようになった。

以前なら手も足も出なかった問題が、「あと一歩」というところまで来るようになった。

そういう変化は、次のテストですぐに数字になるとは限りません。
でも、変わっていないわけではありません。
数字が変わる前に、人は変わり始めています。

今回、思うような結果が出なかったとしても、これまでできるようになったことまで消えてしまうわけではありません。
まずは、できるようになったことを一つ見つけてみてください。

そして、そこからまた次へ進んでいけばいい。

まだ途中です。だから、ここで諦めなくていい。
先日、中学3年生の通い合宿「サマスペ」を行いました。

朝から夜まで、2日間。
勉強時間だけを見れば、かなり長い時間になります。

始まる前には当然のように、
「長いなあ……」
「本当に最後までできるかな」
そんな声も聞こえてきました。

まあ、そうですよね(笑)
朝から夜まで勉強すると聞けば、そう思うのが普通だと思います。

でも、終わってみると今年もやっぱり思いました。
意外と、できるんです。

この記事のイラストは、実際の写真をもとにAIで加工したものです


 「最初はあまり話してなかったよね」


今年の3年生を見ていて、今回のサマスペで特に印象に残ったことがあります。

それは、生徒同士の距離の変化です。

今年の3年生は、いろいろな中学校から生徒が集まっています。
だから最初の頃は、
「同じ塾にはいるけれど、あまり話したことがない」
そんな関係の生徒も結構いました。

学校が違えば、最初はなかなか話すきっかけもありません。
それが夏休み頃から少しずつ変わってきました。

話をする子が増えて、休み時間の雰囲気も少しずつ変わってきたように思います。
今回のサマスペでは、そんなふうに馴染んできた生徒たちが自然と中心になってくれました。

授業中はしっかり集中する。
休み時間になれば、
「疲れたー!」
なんて言いながら、みんなで話して笑っている。
長い一日だからこそ、こういう切り替えも大切です。

さらに今回は「学び合い」の時間も取り入れました。
「これ、どうやった?」
「ここって、こういうこと?」
そんなやり取りから、それまであまり話したことのなかった生徒同士にも、新しい交流が生まれていました。

勉強が、新しい人と話すきっかけにもなった。
これは今回、やってみてよかったことの一つでした。



 「えっ、そんなにできるの?」


誰かと一緒に勉強すると、いろいろなことが見えてきます。
「この人、解くの速いな」
「そんな考え方があるんだ」
「ここは自分のほうができているかも」
一人で勉強しているだけでは、なかなか分からないことです。

今回のサマスペでは、少し難しい問題や入試問題にも挑戦しました。

当然、
「分からない!」
「これ難しい!」
という声も出ます。

でも、それでいいんです。
むしろこの時期だからこそ、
「自分はここがまだできていない」
と気づくことに意味があります。

今ならまだ間に合います。
できないところが分かったら、
「じゃあ、ここから何をやればいい?」
と考えることができます。

だから私は、この時期には「できた」という経験だけでなく、「まだできないことに気づく経験」も大切だと思っています。


誰かと一緒に学ぶことで、自分の現在地を知る。
それも今回のサマスペで経験してほしかったことの一つです。



 「長いと思ってたけど、できたでしょ?」


そして毎年、サマスペが終わると思うことがあります。

始まる前には、
「長い……」
「無理かも……」
と言っていた生徒たち。
でも実際に始まってみると、問題に向かい、休憩を挟んで、また机に戻る。
そして気がつけば最後までやり切っています。

今年もやっぱりそうでした。
だから最後には、
「長いと思ってたけど、できたでしょ?」
と言いたくなります。

人はたぶん、毎日本気を出し切って生活しているわけではありません。
もちろん、それでいいと思います。
毎日ずっと全力だったら疲れてしまいますからね(笑)

でも、いざというときには本気を出せる。
そして本気を出してみると、
「自分って、意外とできるんだ」
と気づくことがあります。

私はサマスペという行事には、勉強そのものだけではなく、そんなことを知ってもらう意味もあると思っています。

たくさんの差し入れをいただきました。ありがとうございます!

 今を変える力は、自分の中にある


「朝から夜までなんて無理」
「こんな難しい問題、自分にはできない」
そう思っていても、サマスペでやってみたらできたこともたくさんあったと思います。

だからこそ、今回のサマスペを通して、生徒たちに一つ覚えておいてほしいことがあります。

今の自分を変えていく力は、実は自分の中にあるんだということ。

先生が全部変えてくれるわけでも、塾が変えてくれるわけでもありません。
私たちにできるのは、そのきっかけを作ったり、必要なところで支えたりすることです。

最後に自分を動かすのは、やっぱり自分です。

違う学校の仲間と一緒に学んだこと。
難しい問題に挑戦したこと。
自分のできないところに気づいたこと。

そして、
「長くて無理」
と思っていた時間を最後までやり切ったこと。

2日間で急に学力が大きく変わるわけではありません。
でも、こういう経験が、これから受験に向かっていく中で、どこかで力になってくれたらと思います。

サマスペが終わり、夏期講習もすべて終了しました。
ここからは、それぞれが自分の課題に向き合っていく時間です。
今回気づいたことを、気づいただけで終わらせない。
次の一歩を、自分で踏み出してみてください。

2日間、本当にお疲れさまでした。



夏期講習も後半に入り、最近、教室の雰囲気が少し変わってきたなと感じています。

一番それを感じるのが、休み時間です。

今年の中3生は、一つの中学校から大勢が集まっているというより、いろいろな中学校から少しずつ集まってきたメンバーです。

そのため、最初の頃はみんな「人見知り発動中」といった感じ(笑)。

休み時間になっても教室は比較的静かで、それぞれが自分の時間を過ごしていました。

ところが夏休みに入り、一緒に過ごす時間が長くなってくると、少しずつ様子が変わってきました。

メンバーが揃った日の休み時間には、教室のあちらこちらから話し声や笑い声が聞こえてきます。


休み時間にはいろんな話が聞こえてきます(笑)

何を話しているのかなと聞いていると、時には勉強の話。

「あの問題どうやった?」なんて話をしていることもあります。

その一方で、好きなアイドルの話などで盛り上がっていることも。

そんな中学生らしい会話が聞こえてくると、こちらもなんだかほっこりします。

夏期講習では、長い時間を教室で過ごす生徒もいます。

授業を受けて、自習をして、休み時間になればみんなで話す。お昼や夕方には、一緒にご飯を食べる。

そうやって同じ場所で過ごす時間が増える中で、学校の違いを越えて少しずつ距離が縮まってきたのでしょう。


頑張れ、幸彩学習塾の仲間たち!

そして、この変化は休み時間だけではありません。

金曜日の理社国の授業では、生徒同士で入試問題について話し合う時間を設けています。

最初の頃に比べると、最近は「私はこう思う」「ここじゃない?」といった声が自然に出るようになり、話し合いもずいぶん活発になってきました。

休み時間に普通に話せるようになったことも、授業中に自分の考えを言いやすくなった理由の一つなのかもしれません。

もちろん、ずっとにぎやかにしているわけではありません。

休み時間が終われば、また机に向かう。

授業になれば、問題に集中する。

やるときはやる。

そして、笑うときは笑う。

私は、そんな教室の雰囲気がとても好きです。

ただ静かなだけでもなく、ただにぎやかなだけでもない。

いろいろな学校から集まってきた生徒たちが、一緒に勉強して、一緒にご飯を食べ、時にはくだらない話もしながら笑う。

そんな毎日の積み重ねによって、少しずつ「この教室の仲間」になってきているように感じます。


やるときにはしっかりとやっています!


受験は一人で挑むものですが、「受験は団体戦」という言葉もあります。

一緒に頑張る仲間がいることで、「自分も頑張ろう」と思えることもあるでしょう。

これから幸彩学習塾に来てくれる皆さんにも、ただ授業を受けて帰るだけではなく、ぜひこの教室の新しい仲間になってもらえたらと思っています。

新しい人が加われば、また新しい会話が生まれ、教室の雰囲気も少しずつ変わっていくはずです。

次はどんな人が、この輪の中に加わってくれるでしょうか。

そんなことも楽しみにしながら、今日もみんなで夏期講習を頑張っています。



夏休みに入り、幸彩学習塾では三者面談を行っています。


三者面談では、よくこんな質問をいただきます。

「先生、この高校なら受かりますか?」

もちろん、現在の成績や模試の結果をもとに、合格可能性については率直にお伝えします。

でも、私が本当に大切にしているのは、その先の話です。

高校に合格することがゴールではありません。

高校でどのように学び、どのように成長していくのか。

そのために、中学3年生の今、どんな姿勢で勉強に向き合うのか。

実は、その積み重ねが高校生活にも大きくつながっていくと考えています。


三者面談では、志望校を決めるだけではなく、生徒さん一人ひとりの未来について、保護者の方と一緒に考える時間にしたいと思っています。

今回、このテーマについて、私たちが三者面談で大切にしている考え方をnoteにまとめました。

ぜひご覧ください。

▶ 詳しくはnoteへ