桜の季節に思い出すこと


桜の花が咲くこの季節になると、毎年思い出すことがあります。🌸

それは、卒業していった中学3年生たちの「1年前の姿」です。


受験直前の彼らは、自習に足を運び、

自分から課題に向き合い、真剣に勉強していました。

ですが、1年前の今ごろはどうだったかというと、

決してそうではありませんでした。


勉強の仕方が分からない。

何から手をつけていいのかも曖昧。

そんな状態から、少しずつ変わっていったのです。

その変化を思い出すたびに、

「成長には時間がかかる」ということを、改めて感じます。


 今の姿に、焦る必要はありません


今、教室で新3年生たちの様子を見ていると、

学習の仕方という点では、まだまだ幼さを感じる場面もあります。

計画の立て方が曖昧だったり、

問題への向き合い方が浅かったり。

つい、卒業していった生徒たちの姿と比べて、

「大丈夫かな」と感じてしまうこともあるかもしれません。


ですが、よく考えてみれば、これは当たり前のことです。

あの卒業生たちも、1年前の今ごろは、

同じような状態からスタートしていました。

だからこそ、今の姿だけを見て、焦る必要はありません。

大切なのは、ここからどう変わっていくか。

その「過程」に目を向けていくことだと思っています。





 受験生は、つくるものではなく育つもの


受験生というのは、ある日突然できあがるものではありません。

「よし、今日から受験生だ」と気持ちを切り替えたからといって、

すぐに行動や学習の質が変わるわけでもありません。

日々の積み重ねの中で、少しずつ意識が変わり、

行動が変わり、結果として“受験生になっていく”。

そういうものだと思います。


だからこそ、今の段階で

「受験生らしくない」と感じることがあったとしても、それ自体は何も問題ではありません。

むしろ大切なのは、

ここからどう育っていくか。

1年間という時間をかけて、

一人ひとりが自分なりのペースで、

受験生へと成長していく。

その過程こそが、一番大切なのだと思っています。


 まず教えているのは「勉強のやり方」です


この塾で今、大切にしているのは、

いきなり結果を求めることではありません。

まずは、受験生としての土台となる部分を、

一つひとつ丁寧に伝えていくことを大切にしています。


たとえば、

問題とどう向き合うのか。

間違えたときに、どう考えるのか。

次にどうつなげていくのか。

そうした「学び方」そのものを、

少しずつ身につけてもらっています。


最初からうまくできるわけではありません。

ですが、繰り返していく中で、

だんだんと自分で考えられるようになっていきます。


勉強は、ただ量をこなせばいいものではなく、

どう取り組むかによって、大きく変わっていきます。

だからこそ、この段階では、

結果よりも「取り組み方」を大切にしています。





 一人ひとりに合わせた進め方をしています


同じ学年であっても、

理解の深さや学習の進み方は、一人ひとり違います。

だからこそ、この塾では、

全員に同じペースややり方を求めることはしていません。


今どの段階にいるのか。

何につまずいているのか。

どこから整えていく必要があるのか。

そうしたことを見ながら、

その子に合った進め方で学習を進めています。


いわゆる「個別指導」という言葉がありますが、

形だけの個別ではなく、

成長に合わせて中身を変えていくこと。

それが本当の意味での個別だと思っています。

少しずつでも、自分の力で進めるようになること。

その変化を大切にしながら、指導をしています。


 急がせず、でも止めない指導


こうして一人ひとりに合わせて進めていくと、

「ゆっくりで大丈夫なのかな」と感じる方もいるかもしれません。

ですが、私たちは決して甘やかしているわけではありません。

無理に引き上げることはしませんが、

だからといって、そのままにすることもありません。


今できることを一つずつ積み重ねながら、

確実に前に進んでいくこと。

その積み重ねが、やがて大きな差になっていきます。


焦らせることはしない。

けれど、止まらせることもしない。

そのバランスを大切にしながら、

日々の指導に向き合っています。


 1年後の姿を楽しみに


今はまだ、受験生としての形が整っていなくても大丈夫です。

あの卒業生たちも、同じようなところからスタートし、1年間をかけて大きく成長していきました。

だからこそ、これからの1年がとても大切です。

焦る必要はありません。


ですが、この時間をどう過ごすかで、

1年後の姿は大きく変わっていきます。

一人ひとりのペースに寄り添いながら、

受験生としての土台をつくり、

少しずつ前に進んでいく。

その成長の過程を、これからも大切に見守っていきたいと思います。🌱



※写真の撮影地は久喜市南栗橋

※過去に撮影したものを含みます






順調ではなかった合格の話


先日、卒業生の保護者の方から、
一通のメールをいただきました。

そこに書かれていたのは、
「合格しました」という喜びの言葉とともに、
こんな一文でした。

    

「なかなか結果が出ず、悩み苦しみ、

挫折しかけたこともありました」

この一文を読んだとき、
私は思わず手を止めてしまいました。

きっとこの言葉の裏には、
言葉にしきれないほどの時間があったのだと思います。

うまくいかない日。
結果が出ない焦り。
それでも続けなければいけない苦しさ。

受験というと、
「努力して、伸びて、合格する」
そんなまっすぐな道を思い描きがちですが、
実際には、
そんなにきれいなものではありません。
むしろ、
立ち止まる時間や、迷う時間のほうが、
ずっと長いものです。

それでも、
その時間をくぐり抜けてきたからこそ、
最後の「合格」という言葉には、
重みが生まれるのだと思います。



結果が出ない時間に起きていること

結果が出ない時間は、
本人にとっても、そして保護者の方にとっても、
とても苦しいものです。

「これだけやっているのに、なぜ伸びないのだろう」
「このままで大丈夫なのだろうか」

そんな不安が、
少しずつ心の中に積み重なっていきます。

周りの結果が気になったり、
自分だけ取り残されているように感じたり。
本当は前に進みたいのに、
足が止まってしまう。
そんな瞬間も、きっとあったのではないかと思います。

ですが、
私はこの「結果が出ない時間」にこそ、
大きな意味があると感じています。

うまくいかないからこそ、考える。
思うようにいかないからこそ、自分と向き合う。
どうすればいいのか。
何を変えればいいのか。
その問いを繰り返す中で、
少しずつ「自分で考える力」が育っていきます。

すぐに答えが出ることよりも、
迷いながらでも考え続けた時間のほうが、
あとになって大きな力になります。

結果が出ていないときは、
どうしても「意味のない時間」に思えてしまうかもしれません。
ですが実際には、
見えないところで、確実に積み重なっているものがあります。
その積み重ねが、
ある日ふと、結果として表に現れる。

受験とは、
そういうものなのだと思います。



「頑張れ」と言う前にできること

そんな時間の中で、
つい口にしてしまいそうになる言葉があります。

「頑張って」

保護者の方も、私たちも、
決して悪気があって言うわけではありません。

むしろ、
「なんとか乗り越えてほしい」
「力を出し切ってほしい」
そんな思いがあるからこそ、
自然と出てくる言葉だと思います。
ですが、
苦しんでいるときの子どもにとって、
この「頑張って」という一言が、
重くのしかかってしまうことがあります。

なぜなら、本人はすでに、
精一杯頑張っているからです。

これ以上どう頑張ればいいのか、
わからない。
それでも「頑張って」と言われると、
「まだ足りないのか」と感じてしまう。
そんなふうに、
自分を追い込んでしまうこともあります。

だからこそ、
私たちは簡単に「頑張れ」とは言いません。

大切なのは、
さらに頑張らせることではなく、
「今、何に困っているのか」
「どこでつまずいているのか」
そこに目を向けることだと思っています。

言葉をかける前に、
まず理解しようとすること。
励ます前に、
まず受け止めること。
その積み重ねが、
子どもたちにとっての「安心」になり、
もう一度前を向くための
力になっていくのだと思います。


寄り添うという指導

私たちが大切にしているのは、
「寄り添う」ということです。
でもそれは、ただ隣にいる、ということではありません。

うまくいかないときに、
その苦しさを一緒に受け止めること。
そして、すぐに答えを出すのではなく、
その子が自分で考え、動き出せるように関わること。

焦っているときほど、
大人は「こうすればいい」と
正しい答えを伝えたくなります。
ですが、
それでは一時的にうまくいったとしても、
本当の意味での力にはつながりません。

大切なのは、
自分で気づき、
自分で一歩を踏み出すことです。

そのために、私たちは
問いかけを大切にしています。
「どこで止まっていると思う?」
「どうしたら次に進めそうかな?」
そんなやり取りを重ねながら、
少しずつ、自分の中で答えを見つけていく。

すぐに変わるわけではありません。
同じところでつまずくこともあれば、
また立ち止まってしまうこともあります。
それでも、
その時間に意味があると信じて、
関わり続ける。

そしてあるとき、
ふっと表情が変わる瞬間があります。
「もう一回やってみようかな」
その一言が出たとき、
前に進む準備が整った証だと思っています。

寄り添うというのは、
答えを与えることではなく、
「もう一度、自分で歩き出せる状態をつくること」
なのだと、私たちは考えています。


合格が教えてくれる本当の価値

今回ご連絡をいただいた生徒さんも、
決して順調な道のりではありませんでした。
うまくいかない時間があり、
立ち止まりそうになったこともあったと思います。
それでも最後までやりきることができた。
その事実そのものに、
大きな価値があるのだと感じています。

合格という結果は、
もちろん嬉しいものです。
本人にとっても、保護者の方にとっても、
その瞬間は何にも代えがたい喜びだと思います。

ですが、
本当に大切なのは、
その「結果」だけではありません。

思うようにいかない中で、
それでもやり続けたこと。
逃げずに向き合い続けたこと。
その過程で得た経験こそが、
これから先の人生を支える力になります。

うまくいかないときに、どうするか。
苦しいときに、どう向き合うか。

受験を通して身についたその力は、
高校生活はもちろん、
その先の人生の中でも、必ず生きてきます。

合格はゴールではなく、
一つの通過点です。
ここで得たものを、
これからどう活かしていくのか。
そのほうが、
ずっと大切なのではないかと思います。



進路選びとは「人生の選び方」

進路選びとは、
単なる学校選びではないと、私は思っています。

どの学校に行くか。
どこに合格するか。
もちろんそれも大切なことです。
ですが本当に大切なのは、
その先にあるものではないでしょうか。

これからどんなふうに学んでいくのか。
どんなふうに壁を乗り越えていくのか。
そして、どんなふうに生きていくのか。

受験という経験は、
その「生き方」の土台をつくる時間だと思っています。

だからこそ、
目の前の結果だけで終わらせてしまうのではなく、
その過程の中で何を感じ、
何を学び、
どんな力を身につけたのか。
そこに目を向けることが大切です。

うまくいかなかった時間も、
苦しかった時間も、
すべてが意味のある経験として、
これからにつながっていく。
そう考えると、
受験の見え方も、少し変わってくるのではないでしょうか。



保護者の方へ伝えたいこと

もし今、
思うようにいかずに悩んでいるお子様がいたら、
どうか「頑張れ」と言う前に、
少しだけ立ち止まってみてください。

きっとその子なりに、
すでに精一杯頑張っているはずです。
うまくいかない理由がわからず、
どうしたらいいのか見えずに、
それでも前に進もうとしている。
そんな状態の中で、
必要なのは「さらに頑張ること」ではなく、
「わかってもらえること」なのかもしれません。

何に悩んでいるのか。
どこでつまずいているのか。
その声に耳を傾け、
その気持ちを受け止めてあげること。
それだけでも、
子どもは少しずつ前を向くことができます。

すぐに変わらなくても大丈夫です。
立ち止まる時間も、
迷う時間も、
すべてが成長の一部です。
だからこそ、
その時間を否定せず、
信じて見守ってあげてほしいと思います。

子どもたちは、
自分の力で立ち上がる力を持っています。
そのきっかけをつくることが、
大人にできる一番大切な関わりなのではないでしょうか。

最後に

改めて、合格おめでとうございます。
そして、3年間という大切な時間を、
私たちに預けていただき、本当にありがとうございました。

うまくいかない時間も含めて、
すべての経験が、これからの力になっていくはずです。

これから始まる高校生活が、
実り多きものになることを、心より願っています。

▲この写真はイメージです


新年度のスタートに大切にしていること

3月。新しい学年に向けて動き出すこの時期は、多くの生徒・保護者の方にとって、期待と同時に不安も大きくなるタイミングではないでしょうか。
「このままで大丈夫だろうか」「そろそろ本格的に受験を意識しなければ」――そんな思いを抱きながら、新しい一歩を踏み出そうとしている方も多いと思います。

こうした時期、多くの塾では先取り学習や成績アップを前面に打ち出します。もちろん、それ自体はとても大切なことです。
しかし、私たちの塾では新年度のスタートにあたって、もう一つ大切にしていることがあります。
それは、「まず体験してもらうこと」です。

勉強は、やみくもに始めれば伸びるというものではありません。
今の自分がどの位置にいて、何ができて、何ができていないのか。
そして、この先どんな力が必要になるのか。
それを“実感”として持てているかどうかで、その後の学習の質は大きく変わってきます。

だからこそ私たちは、新年度の最初に「知ること」ではなく、「感じること」を大切にしています。


写真は以前に撮影したものです。以下、同様です。


まずは“やってみる”という体験から

今回、生徒さんたちに最初に取り組んでもらったのは、北辰テストの過去問でした。
初めて受ける生徒さんも多く、「難しい内容もあるのでは」と不安に感じる様子も見られました。
それでもあえて、細かい説明はせずに、そのまま問題に向き合ってもらいました。

理由はシンプルで、「実際にやってみないと分からないこと」がたくさんあるからです。
定期テストとは違い、範囲のないテストはどのようなものなのか。
入試レベルの問題とは、どれくらいの難しさなのか。
時間配分はどう感じるのか。
そういったことは、いくら説明を聞いても、本当の意味ではなかなか実感できません。

だからこそ、まずは体験する。
できるかどうかよりも、「感じること」を大切にして取り組んでもらいました。

この塾では、あれこれ大人が説明するよりも、子どもたち自身が自分の感性で感じたことを大切にしたいと考えています。
もちろん、大人が説明することも大切です。ですが、その前に、あえて何もない“素の状態”で感じたことこそが、その子にとっての本当の気づきになるの考えているからです。
私たちは、その時に感じたその子どもたちの感性を大切にしたいと思っています。

点数よりも大切にしていること

テストを行うと、多くの場合まず注目されるのは点数です。
「何点取れたのか」「できたのか、できなかったのか」――これはとても分かりやすい指標ですし、もちろん大切なものでもあります。

塾であればふつう、その結果をもとに「ここができていないから頑張ろう」「次はもっと点数を上げよう」といった指導が中心になることも多いと思います。
私たちの塾でも、そうした視点を大切にしていないわけではありません。
ただ、それ以上に大切にしていることがあります。
それは、「この経験から何を感じたか」です。

思ったよりも難しかった。
時間が足りなかった。
学校のテストとはまったく違った。

そうした一つひとつの感覚は、その子自身が実際に体験したからこそ生まれてくるものです。
私たちは、その“違和感”や“気づき”こそが、これからの学びの出発点になると考えています。





気づきを言葉にするということ

テストを体験したあと、私たちが大切にしているのは、そのまま終わらせないことです。
ただ「難しかった」「できなかった」で終わってしまうと、その経験は一時的なものになってしまいます。
そこで行っているのが、「感じたことを言葉にする」という取り組みです。

どこが難しかったのか。
なぜできなかったのか。
どの問題で手が止まったのか。
そうしたことを、自分の言葉で整理していくことで、初めて「自分の課題」が見えてきます。

これは、いわゆるメタ認知――自分の状態を客観的に捉える力につながっていきます。
点数だけを見ていると、「できた・できなかった」で終わってしまいますが、言語化をすることで、「なぜそうなったのか」まで考えられるようになります。

もちろん、最初からうまく言語化できるわけではありません。
ただ、こちらがヒントを出したり、少し誘導したりしながらでも、自分の言葉で話してもらうことを大切にしています。
そうしたやり取りを繰り返していく中で、少しずつ、自分の考えを自分の言葉で表現できるようになっていきます。
私たちは、その変化の積み重ねこそが、大きな成長につながり、次にどう行動するかを自分で考える力へとつながっていきます。

内側から生まれる「やる理由」

勉強に向かうきっかけとして、点数や順位、あるいは叱られることや褒められることといった外からの刺激は、確かに大切です。
それによって一歩踏み出せることもあります。
しかし、それだけに頼ってしまうと、どうしても長く続けることが難しくなってしまいます。

私たちが大切にしているのは、「自分の中から生まれてくる気持ち」です。
今回のように体験を通して、
「思ったよりできなかった」
「このままではまずいかもしれない」
「もっとできるようになりたい」
そう感じたとき、その気持ちは誰かに言われたものではなく、自分自身の中から生まれたものです。
そして、その“内側から出てきた気づき”こそが、本当の意味での行動の原動力になります。
何をやらされるかではなく、自分はこれからどうするのか。

その問いを、自分自身で持てるようになること。
私たちは、そのきっかけをつくることを何よりも大切にしています。





できないことから始まる成長

新年度のスタートにあたって、私たちが大切にしているのは、「最初からできること」ではありません。
むしろ、できないことに気づくこと。
思うようにいかなかった経験を通して、「自分には何が足りないのか」を感じること。
その気づきこそが、これからの成長の出発点になると考えています。

最初のテストで思うような点数が取れなかったとしても、それは決して悪いことではありません。
大切なのは、その結果をどう受け止め、そこから何を感じ取るかです。
私たちの塾は、「できる・できない」を評価する場ではなく、「気づき」を生み出す場でありたいと考えています。
そして、その気づきが、やがて自分自身の行動を変え、成長へとつながっていく。
この春が、ただ勉強を始めるだけのスタートではなく、自分自身と向き合うきっかけとなる――そんな時間になれば嬉しく思います。






卒業の日に思い出す歌詞

昨日は、地元の中学校の卒業式。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます🌸
そしてここまでお子さんを支えてこられた保護者の皆さま、本当にお疲れさまでした。

卒業式というのは、不思議なもので、毎年この日になると、子どもたちの成長についていろいろと考えさせられます。
そんな卒業の時期になると、私にはいつも思い出す歌詞があります。

欅坂46の
制服と太陽という曲の中の一節です。


    

傷つき挫(くじ)けながら

歩き方を覚えるもの

転ぶ前にそう初めから手を差し伸べられたら

いつまでも強くなれない


この歌詞を聞くたびに、
子どもたちの成長とは何だろうと考えさせられます。

子どもが転ばないように、先回りして手を差し伸べる。
それはきっと、愛情から来るものなのだと思います。
困らせたくない。
傷ついてほしくない。
できるだけ遠回りをさせたくない。
子どものことを大切に思うからこそ、大人はつい、先に道を整えてあげたくなるものです。

でも、この歌詞は、そんな私たちに、
静かに問いかけているようにも感じます。
「それだけで、人は本当に強くなれるのだろうか」と。


大人が先回りする時代

今の時代、子どもたちはとても大切にされています。
少子化が進み、一人ひとりの子どもに、多くの大人が関わり、支える時代になりました。
それは本当に素晴らしいことだと思います。

ただ、その一方で、こんなことも感じることがあります。
子どもが失敗しないように。
転ばないように。
困らないように。
大人が先回りをして、道を整えてしまうことが、少し増えてきているのではないか、ということです。

もちろん、それは子どものことを思ってのことです。
つらい思いをさせたくない。
できるだけ遠回りをさせたくない。
できれば、スムーズに前に進んでほしい。
そんな気持ちは、保護者として、とても自然なものだと思います。

しかも今は、共働きの家庭も増えています。
忙しい毎日の中で、子どもに十分な時間をかけられないと感じることもあるかもしれません。
だからこそ、時間があるときには、できるだけ手をかけてあげたい。
困らないように、できるだけ先に準備をしてあげたい。
そうした思いから、気がつくと、子どもが転ぶ前に、大人が先に手を差し伸べてしまう。
そんな場面が、以前よりも増えているようにも感じます。





人が一番伸びるのは「うまくいかなかった時」

塾で生徒たちを見ていて、いつも感じることがあります。
それは、
人が一番成長する瞬間は、うまくいかなかった時
だということです。

テストで思うような点数が取れなかったとき。
問題が解けなかったとき。
思っていた結果にならず、悔しい思いをしたとき。
そういう経験をした直後こそが、実は一番の伸びどきです。
なぜなら、そのときに初めて、
「どうしてできなかったんだろう」
「次はどうすればいいんだろう」
と、自分で考え始めるからです。

うまくいかなかった経験は、決して無駄ではありません。
むしろ、その経験こそが、人を大きく成長させてくれることがあります。
塾でも、テストの結果が思うようにいかなかった直後に、ぐっと伸びる生徒を何人も見てきました。
悔しい思いをしたからこそ、
次は頑張ろうと思える。
失敗したからこそ、
自分の弱いところに気づくことができる。
人は、そうした経験を通して、少しずつ強くなっていくのだと思います。





塾は、「あえて」経験させる場所でもある

塾というと、
「分からないことを助けてくれる場所」
というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それは間違っていません。
困っているときには、私たちは全力で支えます。
でも、塾の役割はそれだけではないと思っています。
時には、あえてすぐに答えを教えないこともあります。

少し難しい問題に、もう少しだけ考えてもらうこともあります。
「もう少し考えてみよう」
「どこまで自分でできるかな」
そんなふうに声をかけながら、生徒たちが自分の力で考える時間をつくることがあります。

それは決して意地悪をしているわけではありません。
自分で考え、悩み、時にはうまくいかない経験をすることが、子どもたちを強くするからです。
すぐに助けることは簡単です。
答えを教えることも簡単です。
でも、それだけでは、本当の力はなかなか育ちません。
だからこそ塾は、ただ先回りして助ける場所ではなく、
子どもたちが様々な経験を通して成長していく場所でもあるのだと思っています。





見守るという、もう一つの愛情

保護者の皆さまにとって、子どもが困っている姿を見るのは、とてもつらいことだと思います。

うまくいかなくて落ち込んでいるとき。
悔しそうな顔をしているとき。
思うようにできなくて苦しんでいるとき。
「どうにかしてあげたい」
「助けてあげたい」
そう思うのは、親としてとても自然なことだと思います。

ただ、そんなときに、少しだけ立ち止まって考えてみてもいいのかもしれません。
すぐに手を差し伸べることだけが、子どものためとは限らないのではないか、と。

転びそうになったとき、すぐに抱き上げるのではなく、
「自分で立ち上がれるかな」と信じて見守ること。
その時間が、子どもたちにとっては、とても大きな意味を持つことがあります。

もちろん、本当に困ったときには、大人が手を差し伸べることも大切です。
でも、その前に、子どもたちが自分で考え、自分で立ち上がる経験をすること。
それもまた、子どもたちの成長にとって、とても大切な時間なのだと思います。




卒業する皆さんへ

卒業生の皆さん。
卒業という日を迎え、中学校生活は一つの区切りを迎えました。
これから皆さんは、それぞれ新しい場所へ進んでいきます。

高校生活は、中学校とはまた違う世界です。
新しい友達、新しい環境、新しい挑戦が待っています。
きっとその中で、うまくいくこともあれば、思うようにいかないこともあると思います。
時には悔しい思いをしたり、立ち止まってしまうこともあるかもしれません。

でも、そんな経験を恐れないでほしいと思います。
人は、順調なときだけで強くなるわけではありません。
むしろ、思うようにいかなかったときこそ、自分と向き合い、成長するきっかけになることがあります。
今日この日に私が思い出した、あの歌詞のように、

傷つき挫けながら

歩き方を覚えるもの

人は、そうやって少しずつ自分の足で歩く力を身につけていくのだと思います。

これから先、転ぶこともあるかもしれません。
でも、そのたびに立ち上がりながら、自分の道を歩いていってください。
皆さんのこれからの歩みを、心から応援しています。

そして改めて、
ご卒業おめでとうございます。 🌸


※この記事の画像は、すべてイメージまたはAIによる生成画像です。


一本のメール


先日、以前塾に通ってくれていた生徒の保護者の方から、一通のメールをいただきました。

内容は、

「高校を無事に卒業しました」というご報告でした。


塾をやっていると、毎年たくさんの生徒と出会い、そして送り出していきます。

中学の3年間はとても濃い時間ですが、その後の高校生活の3年間の方が、実は長い時間になります。

ですから、卒業して何年も経ったあとに、こうして近況を知らせていただけるのは、とても嬉しいことです。


メールには、高校生活のこと、進路のこと、そしてこの3年間の歩みが丁寧に書かれていました。

読みながら、

「もうそんなに時間が経ったのか」と懐かしく感じると同時に、

「あのとき中学生だった生徒が、もう大学生になるのか」と、少し不思議な気持ちにもなりました。


そして、そのメールの中に、ある一文がありました。

それを読んだとき、

改めて「塾という場所の役割」について考えさせられました。

今回は、そのことについて少し書いてみたいと思います。

高校生活には、新しい選択が待っている

高校に入ると、生活は中学の頃とは大きく変わります。
部活動に打ち込む日々。
新しい友人関係。
そして、少しずつ現実味を帯びてくる「進路」というテーマ。
今回メールをくださった生徒さんも、高校生活の中でさまざまな経験をされたようでした。

その生徒さんは、部活動に全力で取り組んだ時期もあり、その中で忙しい毎日を過ごしていたそうです。
ですが高校生活というのは、ただ流れに任せて過ごすだけではなく、途中で自分の進む方向について考え直す場面も出てきます。
その生徒さんも、高校生活の中でいろいろなことを考え、自分のこれからを見据えながら、いくつかの決断をしていったようでした。

中学生の頃は、まだ想像しにくいかもしれませんが、
高校に入ると「自分で選び、自分で決める」という場面がぐっと増えていきます。
そして、その一つひとつの選択が、
少しずつ自分の進む道を形づくっていくのだと思います。

自分の進路を見据えて過ごした高校3年間

メールを読み進めていくと、
高校生活の中で、その生徒さんが進路について真剣に考えながら過ごしてきたことが伝わってきました。

高校生活というのは、
気がつくと毎日の出来事に追われて、あっという間に時間が過ぎていきます。
授業、部活動、学校行事、友人との時間。
どれも高校生活を彩る大切なものです。
その一方で、少しずつ現実味を帯びてくるのが「その先の進路」です。

今回の生徒さんも、高校生活の中で自分の進みたい方向を考えながら、どのような高校生活を送るのがよいのかを見つめ直す場面があったそうです。
そして、自分の将来を考えたうえで、高校生活の過ごし方についていくつかの決断をしていったとのことでした。

メールの中にあった、嬉しい一言

メールの最後の方に、
とても印象に残る言葉が書かれていました。
「中学のときに塾で聞いていた話が、高校生活の中で役に立っていました。」と。

推薦入試のこと。
欠席日数のこと。
評定のこと。
次に来る大学受験に向けてどんなことを意識しておくとよいのかということ。
中学生の頃には、まだ少し先の話のように感じていたと思います。けれど、
私の話したことが高校生活の中でふとした場面で思い出され、進路を考えるときの参考になっていたそうです。

もちろん、実際に努力を重ねてきたのは本人です。
高校生活の中でいろいろな経験をしながら、自分の進む方向を考え、歩んできた結果だと思います。
それでも、中学時代に聞いた話が少しでも頭の片隅に残り、その後の高校生活の中で思い出してもらえたとしたら、塾の先生としてこれほど嬉しいことはありません。

塾で過ごす時間は、長い人生から見ればほんの短い時間です。
それでも、その時間の中で伝えたことが、数年後のどこかの場面で、ふと思い出してもらえる。
そんな瞬間があると、
「塾という場所の意味」を改めて感じることがあります。

塾の役割は、成績を上げることだけではありません

塾というと、
多くの方がまず思い浮かべるのは、やはり「成績」だと思います。
テストの点数を上げること。
志望校に合格すること。
もちろん、それはとても大切なことですし、
私たちもそのために日々授業を行っています。
ただ、塾の役割はそれだけではないと、私は思っています。

中学生という時期は、まだまだ将来のことが遠く感じられる時期です。
高校のことも、大学のことも、社会に出ることも、
どこかまだ先の話のように思えるかもしれません。
ですが実際には、その先の進路につながる選択が、
中学生の頃から少しずつ始まっています。

高校に入ると、
部活動をどうするか。
勉強とどう向き合うか。
進路をどう考えるか。
そうした選択の場面が、思っている以上に早くやってきます。

そのときに、
「こんな進路もあるんだ」
「こういうことを意識しておくといいんだ」
そんなことを少しでも知っているだけで、
高校生活の過ごし方は大きく変わってくることがあります。

中学時代に聞いた話や、少し先の進路について考えた経験が、高校に入って迷ったときの「一つの指針」になる。
今回のメールを読んで、改めてそんなことを感じました。

中学生のうちに伝えておきたいこと

中学生にとって、高校生活というのはまだ少し先の世界です。
まして大学のこととなると、さらに遠い未来の話に感じるかもしれません。
ですが実際には、高校生活の3年間は本当にあっという間に過ぎていきます。

部活動に打ち込む時間。
友人と過ごす時間。
勉強に向き合う時間。
どれも大切な時間ですが、その中で少しずつ、
「自分はこれからどうしていきたいのか」
という問いと向き合う場面が出てきます。

だからこそ中学生のうちに、
ほんの少しだけでも、その先の進路について考える機会を持つことは大切だと思っています。

高校にはどんな選択があるのか。
大学にはどんな進路があるのか。
どんな準備をしておくとよいのか。
それを「まだ早い」と思うかもしれませんが、
少し知っているだけで、将来の見え方は変わってきます。

そして、その知識や経験が、
高校生活の中で迷ったときの一つの支えになることもあります。

今回いただいたメールを読んで、
中学生のときに伝えたことが、その後の人生のどこかで役に立つことがあるのだと、改めて感じました。

その言葉をいただけたことが、何より嬉しい

今回いただいたメールを読みながら、
その生徒も含め、同学年の生徒たちの中学生の頃の姿を思い出していました。

あの頃はまだ、これから始まる高校生活のことも、
その先の進路のことも、きっとはっきりとは見えていなかったと思います。
それでも、中学時代に少し先の話を聞き、
それを思い出して進路について考えるきっかけとしてくれたこと。
そして高校生活の中で、
自分で考え、自分で決断しながら歩んできたこと。
そのようなことが、今回の進路選択につながっているのだとしたら、塾としてこれほど嬉しいことはありません。

塾で過ごす時間は、人生の中ではほんの短い時間です。
ですが、その時間の中で伝えたことが、
数年後のどこかで思い出される。
もしそんな瞬間があるのだとしたら、
それは塾にとって、とても大きな意味のあることだと思います。

このようなご報告をいただき、
改めて塾という場所の役割を考えさせていただきました。
そして何より、
こうして近況を知らせていただけたことに、心から感謝しています。

これから大学生活で、新しい世界がさらに広がっていくことと思います。
これからの歩みを、陰ながら応援していきたいと思います。