教えすぎない勇気が、学びを支える

前編では、
メタ認知能力とは
「自分が今、どこまで理解できているのかを客観的に把握する力」であり、
この力が不足すると、
「分かったつもり」や「勉強しているのに伸びない」といった状態に陥りやすい、
というお話をしました。

また、SNSや動画、AIなどによって、
すぐに答えが手に入る時代だからこそ、
自分の理解を振り返る時間が減ってきている
という点にも触れました。

では、その力を育てるために、
塾や大人はどのように関わることが大切なのでしょうか。

塾の役割として、「分かりやすく教える」ことはとても大切です。
つまずいている生徒がいれば、すぐにでも説明してあげたくなるのは、自然なことだと思います。

ただ一方で、
教えすぎることが、学びの質を下げてしまうこともある
という点は、あまり意識されていないかもしれません。

答えや考え方をすぐに示してしまうと、
生徒は
「どこで迷ったのか」
「なぜそう考えたのか」
を、自分で振り返る前に学習を終えてしまいます。

その結果、
「分かった」という感覚だけが残り、
自分の理解を点検する機会が失われてしまうことがあります。

これは、教えること自体が悪いという話ではありません。
大切なのは、
丁寧に教えることと、考える時間を残すことのバランスです。

すぐに答えを与えるのではなく、
問いかけを通して考えを整理する。
その「教えすぎない勇気」が、
生徒のメタ認知能力を育てる土台になっていくのだと思います。

  自分で気づく経験が、学びを深くする

メタ認知能力は、
「考える → 迷う → 振り返る」
という過程の中で、少しずつ育っていきます。

間違えること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ大切なのは、
その間違いをどう扱うかです。

「なぜこの答えになったのか」
「どこまでは分かっていて、どこからがあいまいだったのか」
こうしたことを、自分の言葉で整理できたとき、
学びは一段深いものになります。

この経験を重ねていくと、
勉強は
「言われたことをこなすもの」から、
「自分で調整していくもの」へと変わっていきます。

何ができていて、
何がまだ足りていないのか。
それを自分で把握できるようになることが、
メタ認知能力が育ち始めている一つのサインだと感じています。

  一人では気づけないからこそ、他者の視点が必要になる

ただ、自分の理解を客観的に見つめることは、簡単なことではありません。
「分かったつもり」「できた気がする」という感覚は、
自分一人ではなかなか修正しづらいものです。

だからこそ、学びの中には
他者の視点が必要になると感じています。

たとえば、
・その考え方で本当に合っているのか
・別の見方はできないか
・どこを見直すと、よりよくなるのか

こうした問いかけを受けることで、
初めて自分の思考を客観的に見直すことができます。



塾は、
答えを教える場所であると同時に、
考え方を映し出してもらう場所
でもあると考えています。

自分一人では気づけなかったことに気づく。
その積み重ねが、
メタ認知能力を育てる大切なプロセスになっていくのだと思います。

  当塾が、あえて個別指導にこだわる理由

当塾が個別指導にこだわっているのは、
単に学力差に対応するためだけではありません。

メタ認知能力を育てるためには、
一人ひとりの
・考え方
・迷い方
・理解の仕方
丁寧に見ていく必要があると考えているからです。

同じ問題でつまずいていても、
その理由は生徒によってまったく異なります。
計算の理解なのか、読み取りなのか、
あるいは「分かったつもり」になっているのか。

そうした違いを見極めながら、
「なぜそう考えたのか」を一緒に整理していくことが、
メタ認知能力を育てるうえで欠かせない関わりだと思っています。

個別指導は、
一人ひとりの思考の過程に目を向け、
その子に合った問いかけを重ねていける学びの形です。
だからこそ、当塾ではこの形を大切にしています。

  学びの本質は、場所ではなく「向き合い方」

こうした関わりは、
必ずしも同じ空間にいることだけで成り立つものではありません。

大切なのは、
一人ひとりの理解の状態を丁寧に捉え、
その子に合った問いかけやフィードバックを重ねていくことです。

対面であっても、オンラインであっても、
この「向き合い方」そのものが保たれていれば、
メタ認知能力を育てる学びは実現できると考えています。

学びの形が少しずつ多様化していくこれからの時代、
重要なのは手段そのものではなく、
「どのように関わるか」なのではないでしょうか。

当塾としても、
この考え方を大切にしながら、
生徒一人ひとりの学びを支えていきたいと考えています。

  AI時代だからこそ、塾が果たす役割

これからの時代、
分からないことがあれば、AIがすぐに答えを示してくれるようになります。
調べること自体は、以前よりもずっと簡単になりました。

だからこそ、
・その答えをどう使うのか
・自分はどこまで理解しているのか
・次に何をすべきなのか
こうした判断ができる力が、より一層求められます。

答えを知ること自体はゴールではありません。
その答えを踏まえて、
自分がどう考え、どう行動するのか。
そこに、学びの本質があるように思います。

塾の役割も、
知識を教えることだけではなく、
学び方そのものを支えることへと、
少しずつ変わってきているのではないでしょうか。

  成績の先につながる学びとして

メタ認知能力は、
すぐに点数として表れる力ではありません。

けれど、
自分の理解を見つめ直し、
次に何をすべきかを考えながら学べるようになった生徒は、学年が上がっても、環境が変わっても、自分の力で学び続けることができます。

受験勉強は、
合格という結果を目指す大切な時間であると同時に、
学び方そのものを身につける貴重な機会でもあります。

当塾では、
成績だけを見るのではなく、
その過程で生徒が何に気づき、
どのように学びを調整しているのかを大切にしながら、これからも一人ひとりと向き合っていきたいと考えています。

お断り

本来であれば、前回の続きとして「メタ認知能力」について書く予定でした。

学びの質や、これからの時代に必要な力という意味でも、ぜひ続けてお伝えしたいテーマです。

ただ、この時期になって、

「これは今、先に書いておいた方がいいな」

と感じることがあり、今回はその間に少しだけ割り込む形で、別の話題を書くことにしました。


それが、中学1年生・2年生向けの学校説明会についてです。

今この時期だからこそお伝えしておきたいこととして、今回は高校説明会の話にお付き合いいただければと思います。

メタ認知の話は、また次回に。




今の時期の説明会は、「何かを決める場」ではありません


3学期に入り、実際に「1・2年生向け」と書かれた学校説明会が増えてきました。

すでに、杉戸高校などをはじめとして、1・2年生向けの説明会が行われた学校もあります。


そんな中で、保護者の方からは、

「もう行った方がいいのでしょうか?」

「まだ早い気もしていて…」

といった声を、ここ最近よくいただくようになりました。

そこで今回は、

「行かなければならない」という話ではなく、

「行けたらラッキー」くらいの感覚で捉えてほしい、今の時期の学校説明会について、少し書いてみようと思います。


行けたらラッキー位の感覚で気軽に参加してみよう


「高校説明会って、まだ先の話ですよね?」

中学1・2年生のこの時期、

多くのご家庭がそう感じているのではないでしょうか。

実際、今すぐ受験を意識する必要はありませんし、

無理に予定を空けてまで行くものでもないと思います。


ただ最近は、

中学1・2年生向けの学校説明会が、3学期を中心に少しずつ増えてきているのも事実です。

これは「早く決めさせるため」ではなく、

高校という場所を、気軽に知ってもらうための機会として捉えるとよいのではないかなと思います。


この時期の説明会は、

志望校を決めるための場ではありません。

  • 高校ってどんな雰囲気なんだろう
  • 中学校と何が違うんだろう
  • 思っていたより楽しそうかも

そんなふうに、

少し先の世界をのぞいてみる。

それだけで十分です。


行けたらラッキー。

それくらいの感覚で参加してみる。

今の時期の説明会は、それでいいと思います。


▲当塾からの進学実績のある高校を中心に作成。このほかにも各地の高校で実施されます。詳細は各高校のホームページなどでご確認ください。


でも、行くとこんなものが持ち帰れます


もし説明会に行くことができたら、
結果として、こんな「収穫」があります。

① 「高校を見る目」が少し育つ

実際に話を聞いたり、校舎を見たりすると、
「学校って、こんなに違うんだ」
ということが実感できます。
これがあるだけで、
将来、説明会に行ったときの理解度がまったく変わってきます。

② 勉強への向き合い方が少し変わる

「この高校に行くために」ではなくても、
「高校に行くと、こういう勉強になるんだ」
と分かると、
今の勉強の意味が少しだけ見えてきます。
これは、1・2年生の今だからこそ得られる感覚です。

③ 親子で話す“材料”が増える

説明会のあとは、
「どうだった?」
「どんな学校だった?」
と自然に会話が生まれます。
進路の話を無理にしなくても、
同じものを見た経験があるだけで、
これからの話がしやすくなります。

説明会では、気になったところだけ聞いてみてください


まだ全部聞こうとしなくて大丈夫です。
もし聞けそうであれば、こんな点を意識してみてください。
  • この学校は、どんなことを大切にしているのか
  • 授業はどんな雰囲気なのか
  • 困ったとき、相談しやすそうか
  • 高校生活の1日の流れ
  • どんな生徒が多い学校なのか
「合いそう」「ちょっと違うかも」
どちらの感覚も、大事な気づきです。



行けなかったとしても、心配はいりません


予定が合わなかったり、
気持ちが乗らなかったりすることもあると思います。
それでも大丈夫です。
説明会は、これから先、何度もチャンスがあります。

ただ、もしいまから行けたなら、
それはちょっとした先取り体験になります。
でも、この先取りの体験が皆さんにとって大きな経験になるかもしれないことも確かです。

最後に


中学1・2年生の今は、
まだ学校探しに本腰を入れる時期ではないかもしれません。
でも、そんな今だからこそ、
プレッシャーなく、いろんな学校を見て回ることができるのも確かです。
「行けたらラッキー」
くらいの気持ちで、学校説明会をのぞいてみてください。
その小さな経験が、
3年生になったときの進路選択を、
少し楽に、少し前向きにしてくれると思いますよ。

 メタ認知能力とは何か?


受験勉強で見落とされがちな「学びの土台」

「メタ認知能力」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。
最近、この「メタ認知能力」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
少し難しく聞こえる言葉ですが、勉強に当てはめて考えてみると、実はとても身近な力です。

メタ認知能力とは、簡単に言えば、
「自分が今、どこまで理解できているのかを客観的に把握する力」のことです。
勉強の場面で言えば、

  • 本当に理解できているのか
  • 分かった“つもり”になっていないか
  • どこがあいまいなのか
  • 次に何をすればよいのか

こうしたことを、自分自身で判断できる力だと言えるでしょう。
成績が伸び悩むとき、実はこの力が大きく関わっていることも少なくありません。

メタ認知能力を磨く機会が、実は減ってきている

この力が十分に育っていないと、学習の中で次のようなことが起こりがちです。
  • 解説を読んで「分かった気」になってしまう
  • 間違いを「ケアレスミス」で終わらせてしまう
  • 何を復習すればいいのか分からず、勉強が空回りする
結果として、
「勉強しているのに、なかなか成績が伸びない」
という状態に陥ってしまうことも少なくありません。

これは、努力が足りないという話ではありません。
こうした状況を打開するために必要なのは、
「自分を振り返る」という機会を持つことです。
ただ、その「自分の理解の状態を振り返る時間」が、以前より少なくなってきているように感じます。

今の子どもたちは、SNSや動画、AIなどを通して、次々と情報に触れることができます。
分からないことがあれば、すぐに答えや解説にたどり着ける、とても便利な時代です。
その一方で、
「自分はどこでつまずいたのか」
「なぜそう考えたのか」
といったことを、立ち止まって考える時間が、
知らず知らずのうちに減っているのではないでしょうか。
分からないことを解決するスピードが上がった分、
自分自身を見つめ直す時間が削られやすくなっている。
その結果、メタ認知能力を磨く機会が少なくなっているのかもしれません。

実は受験勉強は、実はメタ認知を育てやすい

メタ認知能力は、生まれつきの才能ではありません。
日々の学びの中で、少しずつ育っていく力です。
その点で見ると、受験勉強は実はとても良い環境だと言えます。
  • テストや模試で結果が数値として表れる
  • 間違いを振り返る機会が多い
  • 改善して、再挑戦するサイクルが早い
こうした特徴があるからです。

つまり、受験勉強は
「自分の学び方を振り返る材料」が常にそろっている学習でもあります。
受験勉強は、学び方次第で、メタ認知能力は十分に育てていくことができます。

これからの学びで、より大切になる力

これからの時代、
「何をどれだけ知っているか」だけではなく、
「自分の理解をどう扱えるか」が、ますます重要になっていきます。
知識そのものは、AIや検索を使えば、すぐに手に入る時代です。
しかし、知識を得ただけで、
「自分はどう理解しているのか」
「次に何をすればよいのか」
が分からなければ、実際の行動や変化にはつながりません。
受験勉強を通して、必要な知識を身につけることはもちろん大切です。
ただ、その過程で身についていくメタ認知能力こそが、
AI時代だからこそ、以前にも増して求められている力なのではないでしょうか。

受験勉強は、その力を身につける大きなチャンスでもあります。
ただし、そのためには、
「ただ教えてもらう」「ただ解くだけ」の学習では、不十分です。

では、その力をどう育てていくのか

では、
その力を育てるために、
塾や大人はどのように関わることが大切なのでしょうか。
受験勉強は、やり方次第で、メタ認知能力を大きく伸ばすことができる学びの場になります。
しかし同時に、関わり方を間違えると、
その芽を摘んでしまうこともあります。

次回の後編では、
  • 教えすぎることが生む、意外な落とし穴
  • 一人では気づけない学びを、どう支えていくのか
  • 当塾が、あえて個別指導にこだわっている理由
といった視点から、
「学び方を育てる塾の役割」について、もう少し踏み込んで考えていきたいと思います。

成績の話だけでは見えてこない、
これからの時代に必要な学びについて、
ぜひ後編もお読みいただけたら嬉しいです。

私立高校入試を終えた今、保護者の皆さまへ


1月22日、埼玉県・東京都の私立高校入試が行われました。当塾からも、多くの塾生がこの私立高校入試に挑みました。

まずは、生徒の皆さん、本当にお疲れさまでした。
そしてここまで見守ってこられた保護者の皆さまも、ひとまずはほっとされているのではないでしょうか。
初めての入試ということで、当日まで緊張されていたご家庭も多かったと思います。

一方で、入試を終えた今、
「まずは一つ、入試が終わったという安心」と
「この先、公立高校入試に向けて本当にこのままで大丈夫なのだろうか」
そんな二つの気持ちが入り混じっている方も少なくないのではないかと感じています。
今回の私立高校入試は、結果が出ること自体も大切ですが、それ以上に、この入試をどう受け止め、次にどうつなげていくかが非常に重要だと考えています。

本日は、私立高校入試を終えた今だからこそ、ぜひ保護者の皆さまと共有しておきたいことについて書いていきたいと思います。

意外と落ち着いていた子どもたち、その理由

今回の私立高校入試に向かう生徒たちの様子を見ていて、少し意外に感じたことがありました。
それは、「初めての入試」という言葉から想像するほど、緊張感が強くなかったという点です。
もちろん、まったく緊張していなかったわけではありません。
ただ、不安で押しつぶされそうという雰囲気ではなく、比較的落ち着いた表情で試験に向かう生徒が多かったように感じます。

その背景の一つとして考えられるのが、私立高校入試の特徴です。
私立高校入試は、事前の相談やこれまでの学習状況から、ある程度合否の見通しが立つケースが多くあります。
そのため、生徒自身も、そして保護者の皆さまも、
「何が起きるかわからない」という不安は、少し小さくなっていたのではないでしょうか。

実際、保護者の方からも
「まずは一つ、合格が見えて少し安心しました」
という声を耳にすることがあります。
こうした安心感の中で、最初の入試を終えられたこと自体は、決して悪いことではないと私は思っています。

「安心できる入試」だからこそ見落としやすいこと

ただ、ここで一つ、保護者の皆さまにぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは、私立高校入試が「比較的安心して受けられる入試」であるからこそ、見えにくくなってしまう部分がある、という点です。

私立高校入試は、事前にある程度の結果が想定できる入試です。
そのため、生徒の側にも
「大きく失敗することはないだろう」
「何とかなるはずだ」
という気持ちが生まれやすくなります。
これは決して悪いことではありませんが、同時に、入試への向き合い方が少し緩んでしまう可能性も含んでいます。

塾として私立高校入試で重視しているのは、合否の結果そのものよりも、その入試にどれだけ本気で向き合えたか、という点です。
結果が見えている入試だからこそ、
「ここは本番ではない」
「次が本当の勝負だ」
と、どこかで気持ちを切り替えてしまう生徒も少なくありません。
しかし、その小さな意識の差が、次の公立高校入試に向けた準備の質を、大きく左右することになると思います。

「全力で取り組めたかどうか」が先を分ける

では、私立高校入試で本当に大切なことは何なのでしょうか。
それは、結果がある程度分かっていたとしても、本番として全力で取り組めたかどうか、という点だと考えています。

時間配分を意識し、一問一問を丁寧に解く。
分からない問題が出てきても投げ出さず、最後まで考え抜く。
そうした姿勢で入試に向き合えたかどうかは、合否以上に大きな意味を持ちます。

この経験は、家庭学習や普段のテスト勉強だけでは、なかなか身につきません。
実際の入試という場で、緊張感のある中で問題に向き合い、
「これが本番だ」という意識で取り組んだ経験があるかどうかが、その後の伸びを大きく左右します。

私立高校入試を通して、
過去問の使い方、試験中の考え方、集中力の保ち方などを一度経験しておくことは、
この先に控える公立高校入試に必ず生きてきます。
だからこそ私は、私立高校入試を「通過点」としてではなく、
公立高校入試につながる大切な一歩として位置づけています。



私立入試後に、必ず生徒に聞く質問

私立高校入試が終わったあと、私は生徒たちに必ず投げかける質問があります。
それは、
「もし事前の相談がなくても、合格できたと思う?」
というものです。

この問いに対して、すぐに
「できたと思います」
と答えられる生徒もいます。
そうした生徒は、自分の力で合格ラインに届いているという実感を持っており、
公立高校入試に向けても、比較的安心して見ていくことができます。

一方で、
「うーん、どうだろう……」
「相談があったから大丈夫だった気がします」
と、言葉に迷う生徒もいます。
それ自体が悪いわけではありませんが、
そこにはまだ、力を伸ばす余地が残っているサインが隠れています。

私立高校入試は、合否を確認するための入試であると同時に、
「今の自分は、どこまで通用しているのか」を確かめる場でもあります。
この問いにどう答えられるかは、その後の公立高校入試への向き合い方を考えるうえで、
とても大切なヒントになるのです。

保護者の皆様に一番気にしてほしいポイント

ここで、保護者の皆さまに一つだけ、意識していただきたいポイントがあります。
それは、「私立高校入試で感じた安心感が、そのまま公立高校入試でも通用するとは限らない」という点です。

もし今回の私立高校入試を振り返ったときに、
「事前の相談があったから大丈夫だった」
「何となく合格できそうだと思っていた」
という気持ちが大きかったとしたら、そのままの状態で公立高校入試を迎えるのは、少し注意が必要かもしれません。

公立高校入試は、事前に結果が見える入試ではありません。
当日まで積み上げてきた力を、限られた時間の中で、すべて自分の判断で出し切る必要があります。
その意味で、私立高校入試以上に「本当の実力」が問われる入試だと言えます。
だからこそ、私立高校入試を終えた今の時点で、
「本当に自分の力で戦える状態にあるのか」
を一度立ち止まって考えておくことが、とても大切なのです。

私立入試は「安心材料」ではなく「現在地確認」

公立高校を目指す場合、私立高校入試は決してゴールではありません。
むしろ、「今の実力がどこまで通用しているのか」を確認するための、大切な通過点だと考えています。

今回の入試を通して、
・思ったより落ち着いて受けられた
・時間配分がうまくいった
・逆に、思うように解けなかった問題があった
など、それぞれに感じたことがあったはずです。
それら一つひとつが、これからの公立高校入試に向けた大切な材料になります。

入試が終わった直後は、どうしても「結果」に目が向きがちです。
しかし、本当に大切なのは、
「なぜその結果になったのか」
「同じ状況になったとき、次はどうするのか」
を整理することです。
私立高校入試を「終わった出来事」にしてしまうのか、
それとも「次につながる経験」にできるのか。
その分かれ道は、まさに今、このタイミングにあります。

ここからの関わり方が結果を変える

入試は一度きりですが、ここからの準備の仕方には、まだ大きな差が生まれます。
私立高校入試を終えた今だからこそ、
「このままで本当に大丈夫なのか」
「公立高校入試に向けて、どこを整えるべきなのか」
を、落ち着いて見直すことができます。

幸彩学習塾では、入試を「受けて終わり」にするのではなく、その経験を次にどう生かすかを、生徒一人ひとりと一緒に考えていきます。
今の学力や取り組み方を整理し、
公立高校入試に向けて、今やるべきことを明確にすることを大切にしています。
私立高校入試を終えて、
少しでも不安を感じている方、
「何をすればいいのか分からない」と感じている方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

今の位置を正しく知ることが、何よりの安心につながります。
そのお手伝いができれば幸いです。

■「人は使うためにある」?

「人は、使うためにある。」
この言葉を聞いたら、皆さんはどう思いますか?
「え〜、何だかワガママな人みたいで嫌だ」
そんなふうにも思うかもしれませんね。
でもこの視点、実は自分が伸びていくためには必要な視点でもあるんです。

もちろん、ここで言いたいのは、人をだましたり、都合よく利用したりすることではありません。
自分の成長のため。
自分の分からないところを解決するため。
そんな前向きな意味で、人の力を借りること、うまく人を使うことも、大切な視点なのではないかと思います。

■入試が一段落した教室の中で

昨日で、私立高校の入試が一段落しました。
3年生たちは気持ちを切り替え、公立高校入試に向けて過去問に取り組んでいます。
そんな中、私は2年生の授業を担当していました。

その生徒さんは学校の進度より少し早く学習が進んでて、授業進度に余力がいたため、このにある北辰テストや来年のことも見据えて、入試と同じ形式の問題に挑戦してもらいました。
そしてその結果は、本当にとても良いできだったと思います。

■○か×かだけで終わらせてしまうと、何が起きるのか

今回の問題については、全問◯という勢いでの正解率でしたので、普通だったら、一人で学んでいたら、これ以上深く突っ込むこともなく、ここで終わりになると思います。
ただ、ここで私はこう伝えました。
「今日は、よくできた、で終わりにしないでほしい」と。

勉強は、○か×かだけで終わらせてしまうと、どうしても浅くなってしまいます。受験までまだ時間のある2年生ですから、ここで本質をつかむ学び方を教えたい、そう思った私は、こんな学び方をこの生徒さんに提案してみました。

たとえば長文読解であれば、正解していたとしても、文章をすべて丁寧に読み直してみる。
そうすることで、
・わからなかった単語に気づく
・文章の構成が見えてくる
・理解があいまいな文法が見つかる
といった、一見手間のかかる学び方です。
「◯だったんだから、復習はいらないんじゃないの?」
と言われそうですが、実は◯だったからこそ深く学ぶ意味がある、そのように私は思っています。
この学び、つまりは深い学びをすることで、次につながる学びが生まれる、そのように思います。

■一人では、ここまで振り返れなかったかもしれません

もしこの生徒が、「解けているから大丈夫」と、一人で勉強を続けていたら…
ここまで丁寧に振り返ることは、しなかったかもしれません。
でも、「ここからが大事だよ」という声かけができたからこそ、勉強が単なる確認作業ではなく、理解を深める時間に変わっていきました。
人に教わることの価値は、
「答えをもらうこと」ではなく、一人では気づけない学び方の視点をもらえることなのだと思います。

■できた問題の中にこそ、伸びるヒントがある

勉強は、できたら終わり、ではありません。
できている問題の中を、あえてゆっくりと探し回ってみる。
そうすることで、自分では気づかなかった弱点や、
これからの課題が見えてくることがあります。
こうした自分一人では気づきにくい視点や学習への取り組み方を教えてもらえること。
それが人に教わる、あるいは塾に通う、大きなメリットの一つだと感じます。

■勉強は一人でするもの、でも…

勉強は、基本的には一人でするものです。
ただ、その中で、自分の成長のために人の力を借りることができるかどうか。
この違いが、学びの深さや、その後の伸び方に大きく影響していくように思います。
一人でできるは、とてもカッコいいことだと思います。ただときには人の手を借りる、その柔軟さが大切なのかなと思います。

大人になった時もそれは同じで、
仕事も一人でやる、自分でやる、それが大前提であることに変わりはありません。
ただ、もし人と一緒にできる機会があれば、人の知恵を借りることができれば、その仕事の質は何倍にも価値のあるものになる可能性があります。

学ぶという段階から人の手をうまく借りること、
それを覚えていくことは、実は大切なことなのかなとも思います。

■ 見てほしいのは「学びの本質」

保護者の皆さま、お子さんの学びはいかがでしょうか。
お子さんの成績を見て、
「よかった」「安心した」と感じること。
それはとても大切なことだと思います。
ただ、そのときにぜひ、学びの中身にも目を向けていただけたらと思います。

ワークをやって終わりになっていませんか。
問題を解いて、○がついて、それで終わりになっていないでしょうか。
できたからこそ、
「正解の根拠は?」
「他の考え方はないか」
「もっと深く理解できないか」
と、もう一歩先へ進もうとする姿勢。
その姿勢こそが、高校受験でも、その先の人生でも、大切になってくる力なのだと思います。

表面だけを取り繕う学習ではなく、
時間をかけて、じっくりと深く学んでいこうとする姿勢が育っているか。
ぜひ、そこを見守ってあげてください。
そして、ときには私たち塾をうまく使ってもらえたらと思います。