― 塾対象説明会にて見えた、新たな可能性 ―

6月4日、春日部市ふれあいキューブにて開催された「西武台千葉高校 塾対象学校説明会」に参加してきました。須田秀伸校長先生のご挨拶からはじまり、学校の進学実績や教育方針、そして多様なプロジェクト活動について詳しいご説明をいただきました。

部活・進路・教育の三本柱

西武台千葉高校は今年度277名が入学。部活動の充実も志望理由の一つになっており、バドミントン・陸上競技・ソフトテニス・ボクシングなどが関東・全国大会に出場する実績を誇ります。学習面でも特別選抜コースの併願先は東葛飾、小金、春日部、越谷北など、県内上位校との併願が増えているとのこと。東京科学大や東京理科大(薬学)など難関大学への合格実績もあります。

会のはじめにお話をされた校長先生の言葉が印象的でした。

「生徒も教員もあきらめなくなった。」

私立高校と公立高校の間にあった経済的な壁が小さくなりつつある今、西武台千葉高校では「選ばれる学校」になるべく、生徒・保護者の多様なニーズに応える教育が展開されているようです。

教育の核となる3つのプロジェクト

西武台千葉高校では、普段の学びのほかに、将来の自分の進路に合わせた3つのプロジェクトがあります。

教員養成プロジェクト

将来の教員志望者を対象にしたこのプロジェクトでは、野田市の小学校での学習支援や保育園での読み聞かせ実習など、実践的な体験を重視。日大・文教大の教授による講義や教員採用試験対策講座など、未来の先生を育てる手厚いサポートがあります。

メディカルプロジェクト

医療系を志望する生徒に向けた内容で、現在70名が参加。地元の病院や医師会との連携で、インターンや講演会を実施。看護系志望者には、大学の先生による講義や実技体験も充実しています。

ICT未来創造プロジェクト

高大連携や企業訪問などを通じて、Society 5.0を生きる子どもたちに必要な力を育成。6G時代を見据えたIT教育を行っており、日本科学未来館などへのツアーも行われています。

 

特進・進学の2コースと進路実績

西武台千葉高校には、【特別選抜コース】と【進学コース】の2つがあります。

  • 特別選抜コースは、一般入試対策に重きを置いた授業構成で、文系・理系それぞれに専門的な選択講座を設置。ICTを活用しながら思考力や総合力を育てる取り組みをしています。

  • 進学コースは、総合型・推薦型入試に対応した指導を行い、プレゼン力や表現力を伸ばす内容が特徴です。

どちらのコースも、校内予備校や語彙力強化を図る「ボキャブラ祭り」などのユニークな取り組みで、最後まで生徒の努力を支え続けています。

進路実績としては、4年制大学へは一般入試で233名、指定校推薦103名、総合型・公募推薦計100名超。国公立大学9名、早慶上理・GMARCH27名、日東駒専72名と幅広い進学先があるのも特長です。

 

 

「部活も勉強もあきらめない」そんな生徒の姿勢を、学校全体で後押ししているのが西武台千葉高校の大きな魅力。地域の高校として、そしてこれからの社会で活躍する人材を育てる教育機関として、ますます注目していきたい一校です。

ご興味のある方は、ぜひ説明会や学校見学にも足を運んでみてください。

先日読んだ本の中に、こんな一節がありました。

「好奇心とは、疑問を持ち、新たな可能性を探り、周りのものに心を開き、物事のしくみを尋ねることだ」

これを読んだとき、私は思いました。「これはまさに、学習で成果を出す生徒の姿そのものだ」と。そして同時に、「当塾が育てていきたい生徒像もまさにここにある」と強く感じました。

答えがあふれる時代に必要な“考える力”

今は、スマホを開けばすぐに答えが手に入る時代です。AIの発達によって、検索ひとつで情報にたどりつける便利な社会になりました。私自身、AIの使用に否定的ではありません。上手に活用すれば、可能性を広げる力にもなります。

ただその一方で、最初からAIに頼ってしまうことで、「考えなくても答えは得られる」という感覚が当たり前になってしまうのではないかと危惧しています。学習において大切なのは、答えそのものよりも「その答えに至るまでの思考のプロセス」だと思うからです。

「問いを持つ力」が人を育てる

当塾では、テスト後の授業や面談などで、生徒と一緒に学びをふり返る時間を設けています。その際、私が心がけているのは「答えを先に教えないこと」です。

もちろん、プロの指導者であれば、結果を見て「こうしたほうがいい」ということはすぐにわかります。しかし、それを一方的に伝えるのではなく、生徒が自分自身で考え、気づくまで“待つ”ようにしています。

なぜなら、自分の結果を見て「なぜこうなったのか」と疑問を持ち、次に向けて「何ができるか」を自分で探し出すこと。それこそが、学びにおいて最も大切な成長だからです。

このような力は、短期間で身につくものではありません。だからこそ、私たちは「時間をかけて育てる」ことを大切にしています。

 

未来を変える“学びの時間”のつくり方

当塾の卒業生の中には、高校進学後や社会に出てから大きく飛躍していった生徒がいます。もちろんその成果は、高校の先生方や職場環境など、周囲の支援によるものが大きいと思います。ただ一方で、「考える習慣」や「学びの土台」が、中学時代の学習の積み重ねの中で育まれた結果でもある、というふうにも思っています。

最初から成績が優秀だったわけではなくても、3年間という時間の中で、「学び方そのもの」を身につけた生徒たち。彼らが自立した学習者として育っていったのは、長期的な視点で学び続けたからこそ得られた成果だと考えています。

教育は、即効性のあるものではありません。じっくり時間をかけて育てていくものです。だからこそ、早めに学びの土台を築いていくことが大切です。中1・中2から通塾を始め、日々の学習の積み重ねを習慣にすることで、中3になってからの成長が大きく変わってくるのです。

AI時代だからこそ求められる「問い」の力

今は「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視される時代です。できるだけ早く、無駄なく、効率的に。そんな価値観が広がっています。

でも一方で、「じっくり考える時間」「自分の中に問いを持つ時間」は、失われつつあるようにも感じます。

AIが活用される今だからこそ、必要なのはAIを活かす力――つまり「良い問いを立てる力」です。そして、その力は泥臭い試行錯誤の学びの中でこそ育つものです。

当塾は、そんな“本質的な学び”を通して、将来どんな時代でも自ら学び、考え、道を切り開いていける生徒を育てたいと考えています。

 

もちろん、思うようにいかないこともあります。
でも、だからこそ焦らずに、今できることに一つひとつ丁寧に取り組んでいきたい――そう思っています。
子どもたちと共に、学びの時間を大切にしながら、これからも歩んでいきたいと思います。

地域をフィールドに学ぶ「おがわ学」

埼玉県立小川高等学校は、令和10年度に創立100周年を迎える伝統ある学校です。今回の塾関係者対象説明会では、黒澤拓也校長先生から、今の時代に求められる教育のあり方として「地域から未来へ」「地域から世界へ」という2本の柱を掲げた取り組みが紹介されました。その中心にあるのが、地域を教材とした探究学習「おがわ学」です。

おがわ学は、中山間地域に位置する小川町の特性や課題を、実際に地域の人と出会いながら学ぶ実践的なカリキュラムです。少子高齢化や地域資源の活用といった現実的なテーマを、自らの視点で掘り下げ、答えのない問いに向き合いながら思考を深めていきます。おがわ学を通じて得られた知見や経験は、3年次に実施される「アントレプレナーシップ」の学びへとつながります。ここでは、仮想の会社を立ち上げて商品を企画・開発し、道の駅などで実際に販売、地元の銀行担当者にプレゼンを行い、地域住民を招いた「株主総会」で成果を発表するという、非常にリアルな実践活動が行われています。

こうした学びは、調べて終わるのではなく、考え、行動し、振り返るという学習サイクルが組み込まれており、思考力・表現力・協働力など、これからの社会を生き抜く力を育てるものです。総合型選抜をはじめとする大学入試でも高く評価される内容で、探究的な学びの1つの形とも言えそうです。

 

地域とのつながりが、生徒と町の未来をつくる

小川高校の学びは、学校の中だけで完結するものではありません。おがわ学を軸にした教育活動は、地域全体へと波及し、さまざまな形で地域貢献型の学びへと広がっています。たとえば、小学生に英語や音楽を教える「出前授業」、地域の高齢者に向けた健康増進支援活動など、生徒たちは自らが社会の一員として、地域の課題解決に主体的に関わる機会を多く持っています。

こうした地域連携の取り組みは、学力の向上や学習支援といった面だけでなく、地域の活性化といった町づくりにもつながる重要な役割を果たしています。小川高校の教育が、町の未来を考える力を育み、それを実行に移す力へと変換していく。その過程で生徒たちは、「誰かのために働く喜び」や「社会に貢献する誇り」を実感してけるのではないかなと思います。。

さらに、学習支援ツール「Classi(クラッシー)」を活用した個別最適化学習にも力を入れており、入学時の分析から各学期ごとの成績推移までをもとに、きめ細かな進路指導が行われています。得意分野をさらに伸ばし、苦手分野は確実に克服していく。目標をG-MARCHクラスの大学に設定するなど、生徒一人ひとりの可能性を引き出す丁寧なサポートが印象的でした。

 

↑図書室の隣には、「おがわ学」に関する展示コーナーがありました

世界とつながる日常──DXハイスクールとしての挑戦

もうひとつの柱、「地域から世界へ」という視点でも、小川高校は着実に歩みを進めています。同校は、全国で11校しか指定されていない「DXハイスクール・重点類型グローバル型」の一つであり、埼玉県では伊奈学園総合高校と並ぶ指定校です。この制度のもと、海外の姉妹校との交流が積極的に行われており、国際感覚や多様な価値観を育てるグローバル教育が日常に溶け込んでいます。

2024年度には、インドの姉妹校から生徒を受け入れ、本校生徒の家庭でホームステイを行いました。茶道や華道、うどん作りなど、文化を共有する機会を通して、お互いの国の理解を深める貴重な時間となりました。そして7月には、小川高校から13人の生徒がインドへ訪問予定。ドバイとの交流も予定されているとのことで、まさに「日常にある国際交流」が進行しています。

こうした国際的な学びと、地域を深く知るおがわ学が結びついている点こそが、小川高校の教育の大きな魅力です。「地域に根を張りながら、世界に目を向ける」――この両立こそが、小川高校が目指す教育のかたちであり、これからの時代にこそ必要な力を育む土台になっていると強く感じました。

 

↑東部地区に住む私には、校庭から見える風景に山並みが見えるのは、とても新鮮でした。

 

2025年6月8日(日)、久喜市総合文化会館にて開催される「学びを広げる会」に、当塾も参加いたします。

このイベントは、久喜市内の有志の塾が手を取り合い、「みんなで作る地域の学び」をテーマに開催されるものです。
対象は、小中高校生とその保護者の皆さま。
それぞれの塾が、それぞれの得意分野を活かして、勉強や進路に関する悩みや不安にお応えします。


「なんだか不安…」その気持ちを、地域の力で支えたい

「うちの子、ちゃんと勉強できてるのかな?」
「高校入試のこと、まだ何も分からないけど大丈夫かな?」
そんな、ふとした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回のイベントでは、そうした小さな不安に、地域の塾がチームで寄り添います。
一方的に話をするのではなく、皆さんと“対話”しながら、これからの学びについて一緒に考えていけたらと思っています。


当塾は「中学生の勉強法」と「高校入試相談」を担当します

当塾では、これまで多くの中学生の学びと受験に寄り添ってきた経験をもとに、「どう勉強すればいいのか」「入試に向けて何をしていけばいいのか」といった相談をお受けします。

今年、私たちの塾は開塾25年を迎えます。
地域に根ざしてここまで続けてこられたのは、保護者の方や卒業生、そして何より「変わりたい」「頑張りたい」と願う生徒たちの存在があったからこそ。

だからこそ、今目の前で悩んでいる人たちにも、そっと手を差し伸べられるような相談ブースにしたいと思っています。


予約不要・相談無料。どうぞ、気軽に足を運んでください

開催日:2025年6月8日(日)
時間:午前の部 10:00~12:00/午後の部 13:00~16:00
場所:久喜市総合文化会館 文化展示室
対象:小中高校生と保護者の方
参加・相談費用:無料(予約不要・出入り自由)

この日は、地域全体がひとつの「学びの場」になります。
塾という枠をこえて、子どもたちの未来を一緒に考える1日。

ちょっと立ち寄って話してみるだけでも、大きな一歩になるかもしれません。
私たちは、皆さんの来場を心よりお待ちしています。

 

先日、春日部高校で行われた塾対象の説明会に参加してきました。
今回の説明会を通じて強く感じたのは、春日部高校が目指しているのは「ただ勉強ができる生徒」ではなく、「社会に出てから活躍できる、自立した個を育てること」だという点です。
学校全体に流れている“本気の教育”の空気を、現地で肌で感じてきました。

一人ひとりが成長できる環境と満足度の高さ

冒頭では、角坂清博校長先生より学校の概要についてお話がありました。
その中で紹介されたのが、入学後の満足度に関するデータ。生徒の95.8%、保護者の95.1%が「満足」と回答しており、多くの生徒がこの環境にやりがいと居場所を感じていることが伝わってきました。

この満足度の高さは、単なる数字ではありません。春日部高校には、生徒一人ひとりが自分らしく挑戦し、成長できる土台がしっかり整っているという証でもあると感じました。

 

変化の時代に求められる「学び続ける力」

説明の中で印象的だったのは、「これからの社会に必要な力」についてのお話でした。
AIやICTの進化が著しい今、人間にしかできない力――問題を見抜き、解決に導く力や、常識にとらわれない発想力、深く考える力、そしてグローバルな視点――がますます重要になるとのこと。
そうした力は、受け身の学びでは育ちません。だからこそ春日部高校では、卒業後も学び続け、変化に適応していける「個の力」の育成に力を入れているのです。

自主性を伸ばす「学校行事」と「日常の挑戦」

「質実剛健・文武両道」を掲げる春日部高校では、自ら考え、自ら動ける人間を育てることを大切にしています。
学校行事や日々の取り組みを通して、自分の可能性を試す機会が多く用意されており、生徒はその中で“まだ見ぬ自分”に出会っていくのだと感じました。

男子校という環境もプラスに働いています。気負わず自然体で過ごせるからこそ、仲間と本音でぶつかり合い、本当の意味での「団結力」や「協働性」が育まれていくのだと思います。

探究・ICT・SSH――深める学びが未来をつくる

春日部高校では、令和2年からiPadを導入し、ICTを活用した学びが進められています。月2回の土曜授業や50分授業など、生徒の集中力やリズムを考えた柔軟な教育体制も印象的でした。
また、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校だった経験を活かして、大学教授による専門講座やフィールドワークなど、深く考える力を伸ばす探究活動も充実しています。

カリキュラムは1・2年生で幅広く学び、3年次に文理選択を行うスタイル。リベラルアーツ的な視点で、自分の将来を見据えながら判断できる力も育てていると感じました。

 

↑校内にあるホール。音響がとても良く、劇場のようです。

進学実績だけじゃない、学びの本質がここにある

進学実績も申し分ありません。難関国公立大学には計45名(現役27名)が合格しており、国公立大学全体では141名(現役100名)が合格しています。また国公立大学の医学部医学科にも合格しています。

補習では国公立の二次試験対策まで行われています。
でも、それ以上に印象に残ったのは、“どんな進路でも、自分らしく学び切れる環境がある”ということです。偏差値や結果だけにとらわれず、「この子の未来に何が必要か」を軸に指導している姿勢が伝わってきました。

部活動も活発で、加入率はなんと98%。応援指導部を中心に、学校全体で盛り上げる文化が根づいています。国際交流では、メルボルン高校との兄弟校交流が行われ、学びの幅を世界へと広げることもできます。

最後に

春日部高校は、進学実績や設備だけで語れる学校ではありません。
一人ひとりの「個」にしっかり向き合い、その可能性を引き出そうとする本気の教育がありました。
学びの深さ、仲間とのつながり、そして社会に出たあとを見据えた力。
春日部高校は、自分の力で未来を切り拓こうとする中学生にとって、まさに“挑戦する価値のある場所”だと感じます。

 

↑円形の部分は図書館。どこかの美術館のような佇まい。

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春日部高校といえば、駅近で有名ですね。皆さんにもその近さを体感してもらえたらと思います。