コミックゼロサム12月号でおがきちかさんの「Landreaall(ランドリオール)」第150話「眠る蛇」を読みました!

Comic ZERO-SUM (コミック ゼロサム) 2015年12月号[雑誌]
一迅社


ランドリオール、クレッサール編が続いています。大詰めはクエンティンとの対決だろうと思っていましたが、それがはじまってからももう何ヶ月か経っています。これからどうなるのだろう、と思っていたら、今月は超展開でした。今まで、クエンティンの野望はいろいろと語られてきていましたが、どういう手段でそれが行われるのかは明らかにはなっていませんでした。今月はその具体的なところが描かれて行きます。

ぜひ、まずゼロサム本誌をお読みになってから読んでいただければと思います。

149話ラストでクエンティンが唱えたのは、「ディクスン・ルッカフォート。魂に巡れ、私の風よ。奪いされ」という言葉でした。なんかこのあとDXは闇落ちして行くような感じでしたが、実際、ある意味闇落ちした、と言っていいのでしょう。DXは呪いをかけられた、いや正確に言えば、すでにかけられていた呪いが発動したのです。

まず、本名。DXの正式の名前は「ディクスン・ノクト・ルッカフォート」ですが、この名前は基本的に表に出さない名前です。そのあたりは、ルーディーとの騒動のあたりで(手元にないので確認出来ませんが、7、8巻あたりだったでしょうか)述べられていますが、本名は呪いをかけるのに必要なのですね。ルーディーの「罪」を不問にしてもらうためにDXは「竜の加護で呪いは効かない」ことになっていたわけです。しかし実際には効いていたのですね。

ここで、クエンティンが「ディクスン」と呼びかけたことは(ノクトは言ってませんが)、呪いのための条件が揃った。そして、「魂に巡れ、私の風よ」という言葉。これは、新王・ファラオン卿にクエンティンがハグした時(21巻113話)に言った言葉です。そしておそらく手元にないので確認出来ませんが、15巻あたりでクエンティンがDXと初めてあってハグした時に言った言葉もこれなのですね。そして17巻91話でアニューラスとクエンティンがハグしたときも、「あなたの魂に私の風が巡りますように」と言っています。つまり、この言葉、クエンティンは祝福だと言っていますが、実はこの言葉こそが「呪い」だったのですね。

Landreaall: 21 (ZERO-SUMコミックス)
おがきちか
一迅社


呪いが発動したことで、DXの記憶の中から、全てが奪い去られる。クエンティンの天恵(能力)はフースルー、これは生きとし生けるものの「歌」を歌い、「導きの歌」を与えるものなのですが、クエンティンは自らの身体に「呪紋」をほどこし、その導きの歌を奪い取る能力をみにつけ、そして「好きな歌」を歌わせる。DXは「剣と敵だけ」になってしまったのですね。そしてそのDXをユージェニと戦わせる。ユージェニの迷いや苦しみは全て心の中から隠蔽させることも、クエンティンには出来るわけです。

マーニのことを思い出してはっとする六甲、「そうやって将軍とも戦わせたのですね」と指摘するメイアンディア。そして戦いが始まる。DXは、ユージェニと戦ったらいけない、大変なことになるということがわからなくなっている。止めようとするイオン(アイシャに化けてる)と六甲(五十四さんに化けさせられてる)ですが、うまくいかない。

「革命の英雄とその息子はそれぞれが王城の要だ。真祖の王女と革命の英雄を戦わせて血で革命を終わらせる。革命の終わりは国の終わり。」クエンティンの言葉とディアの思考で、クエンティンの狙いが明らかにされます。

そして、「DXだけじゃないのね」という言葉。そう、クエンティンはDX以外にも呪いを「置いて」おいて、それがアトルニアの王都フォーメリーで徐々に発動しつつあったのですね。

ということは、王都で怒っていた不思議な諍いは、全てクエンティンのせいだったと言うことになる。

そして、他に呪いをかけられたアニューラスとファラオン卿は・・・

大変なことになってきました!

リゲイン(DXの父ルッカフォート将軍)とユージェニ姫が戦った、という事実を公表するかについて検討している議会のオズモ議長、治安担当のベネディクト卿、それにアニューラスですが、この会話の中で、クエンティンの呪いが発動してしまうのですね。そしてアニューラスは自らの使い猫を発動させ、ベネディクト卿とオズモ議長を食い殺させようとしてしまう。

クエンティンは、アトルニアに混乱のタネを持ち込んだのですね。というか、もともともっていた火種に火をつけて、アトルニア王国を崩壊させようとしているわけです。「真祖に王冠を返してこそ王城の安泰が」という真祖派と、「知恵と研鑽と人脈が長きにわたり培った誇りを血筋というのだ」という反王政派の対立が、「国を砕く一撃になる」とクエンティンは宣言します。

そして新王ですが、塔に籠る新王の元に潜入することに成功したフィルとロビンが王の部屋の扉の前に立つと、室内から王の側近、アカデミーのチューターのレイ・サークの「やめて下さい!」の声が。どうやら新王は、窓から飛び降りようとしたようで、レイが必死でその腕をつかんでいるのでした。まさかこの対面がこんな場面になるとは!

とにかくDXを止めなければ、と六甲がDXを食い止め、イオンがユージェニと対しますが、五十四さんに化けさせられてる六甲は身体が軽く、DXを止めきれません。

しかしそこに加勢したのはメイアンディアでした。そして瞳の色が今までとは変わったディア。それを見てクエンティンは何やら不安な表情をし、「ああ」と嘆息を漏らします。

ここでディアの「天恵」がいよいよ発揮されることになるのでしょうか。

今月は、というところまででした。

ランドリは、何年も前に蒔かれた伏線を随分あとになってから回収するので、最初は気がつかなかったものもありますし、今でも見落としているところもあるかもしれません。

途中から読み始めた方にはわかりませんよね。(笑)コミックスを読んでいない方も、ぜひお読みいただければと思います。

早くディアの力を見たい!(笑)

来月も楽しみです!