コミックZERO-SUM2015年5月号
一迅社

コミックゼロサム5月号でおがきちかさんの「Landreaall」第143話「ゆきてかえりしか」を読みました!


扉絵はアニューラス。「あーもう超忙しいんですよ、私。あーもうマジ忙しいんですよ、私。あーもうなんでDXさまは・・・こう、いつも・・・。」というアンちゃんがアオリで独り言を言ってます。編集さんのセンスでしょうか。(笑)久々にアンちゃんの操る大猫を見られたのが眼福です。


以下、例によって内容をおいつつ感想を書きますのでゼロサム本誌をご覧頂いてから読んでいただければと思います。


まず最初はDXたち。ライナス、ルーディーと黒虹に囚われていた奴隷戦士たち。DXはとりあえずユーハサン砦へ向かっているようです。DXがクレッサール人からの質問に答え、あなたたちを奴隷としてでなく、傭兵として雇った。自分の母親は傭兵で、誇りを持って戦ってくれ、というようなことを言います。その後ルーディーが「DXは好きな子を助けに行くんだ。悪いやつに閉じ込められてる」と端的な説明。(笑)「クレッサールの戦士が力を貸すのにふさわしい仕事だよ!太陽と在れ、友よ!(クレッサールの言葉)」と。ルーディーは本当に、人と仲良くなるのが上手いですよね。この辺、話のまとめ方といい、ルーディーの才能を感じます。


次はディアたちのターン。自分たちを幽閉し、DXをどこかにやってしまったクエンティンに抗議するため、ディアは自室に籠城しているのですが、クエンティンのマインドコントロール?にかけられたイオン(侍女アイシャに変装している)がディアに「王都に帰ろう!」と説得しようとする、というのが先月の終わりでした。ディアはおそらく、そういうマインドコントロールを解く力を持っているのですね。イオンは正気に戻ります。「そうするべき、そうしなければならない」と言う呪文のような言葉で操られてしまった、というイオン。


そして舞台は突然アトルニアの王都フォーメリーに。ベネディクト卿は対立派閥の男に突然斬り掛かった騎士を尋問しますが、どうやらこれはイオンと同じようなマインドコントロールにかけられている、ということが分かります。ベネディクト卿にはまだ分かっていないようですが。そしてベネディクト卿はオズモ議長と会い、クレッサールとの国境タウスマルからの急使がきたと告げます。


今度はタウスマル。責任者のマナーズ支団長に会いにきたのは、六甲に頼まれ虎斑のマーニを連れてきた灰撒の女戦士チレク。六甲の手紙を読んだマナーズは驚きます。そしてマーニとマナーズの話から、チレクはDXたちが「砂嵐の神(ボランケディ)に許された戦士」ルッカフォート将軍の息子であることを知って驚きます。そしてクエンティンを守ろうとしたユージェニ姫とリゲインが戦った、ということを知ってマナーズは顔色を変えます。そしてクエンティンの言葉、「革命は終わっていない」を聞いたマナーズは「王制をめぐって王城の均衡が崩れてしまうのか?」と顔色を変えます。マナーズは、人が嘘をついていないか分かる天恵を持っているのですが、文字からは読み取れない。「サークがいれば」と思います。これはDXのセンパイであり新王・ファラオン卿の側近?でもあるレイ・サークのことですね。マナーズと彼らの関係はどうなっているのでしょうか。


再びフォーメリー。ベネディクト卿とオズモ議長はDXの玉階であるアニューラスと会食をしています。アニューラスはタウスマルからの知らせを聞き、「ランチの味がしなくなった」とこぼします。将軍と王女の決闘、という事態に、ベネディクト卿は「内乱が起きた」と表現します。三人はユージェニとリゲインが親子であるのか、という一番センシティブな部分に付いて、結局は分からないようです。オズモ卿はタウスマルから騎士団をクエンティンを問いただすために派遣した、と言います。


このあたり、マーニが急に泣き出したり今まで黙っていた将軍と王女の決闘のことに付いて話し始めたのは、おそらくはクエンティンのマインドコントロールによるものなのでしょう。六甲は「なぜマーニを返したのだろう?」と疑問に思ったわけですが、おそらくはそのことをアトルニアに伝える、そういう目的がクエンティン自身にあったのだろうと思います。この辺の虚々実々の駆け引き、今のところ仕掛けているのはまだクエンティンの側だけですから何とも言えませんが、アトルニアの政府側がどういう反撃にでるのか、ここも楽しみです。


ラストはライナスとルーディーを装ってファラオン卿に会いに行こうと王城に潜入したフィルとロビン。しかしいきなりフィルを知っている従騎士に出会ってしまいます。ここのフィルの顔が例によって可笑しい。このフィルの顔、どこかで見たなあと思ったのですが、「アフタヌーン」連載の「おおきくふりかぶって」の三橋の顔に似てるんだと気がつきました。面白いなあと思います。


私はランドリオールに出てくる貴族たち同士の陰謀の話とか好きなんですが、そろそろクエンティンの『仕掛け』の全貌が見えてくるのかなと思います。


チレクがDXの正体、つまり「砂嵐の神(ボランケディ)に許された戦士」ルッカフォート将軍の息子であることを知ったことも意味が出てくると思いますし、また実は玉階だったマダム、オルタンス・パラディアからの連絡はまだタウスマルにもましてやフォーメリーに届いていない。それが届いたとき、情勢はどう変わるか。チレクがマーニを連れてタウスマルに来ている間、ユーハサン鎮守にいる六甲とバハル、メルメルばあさんたちの動きは。そして連れ去られたリゲインとファレルの動きも気になります。


そして、王都フォーメリーで一番渦中の人物であるロビンがフィルに連れられて王城に忍び込んだわけですが、案の定フィルの知り合いの従騎士に見つかってしまった。この辺の展開ももちろん気になりますが、これは新王・ファラオン卿は気付いているのではないかとなぜか思ってしまうのですがどうでしょう。

ただ、ベネディクト卿たちがリゲインとユージェニの問題で頭を悩ませている間に、微妙にスルーしてしれっとロビンがファラオン卿に会ってしまうのではないかという気もするし、なんかいろいろ想像だけが働きます。


とにかく面白くなってきました。来月も楽しみです!