ONE PIECE 77 (ジャンプコミックス)
尾田栄一郎
集英社


少年ジャンプ第17号で尾田栄一郎さんの「One Piece」第780話「ハートの呪縛」を読みました!

先週号はお休みだった「One Piece」。2週間ぶりの新作です。前回は泣く泣くベラミーを倒したルフィ。その話のラストではなんとトラファルガー・ローが「死んだ」とドフラミンゴが独り言のように言っている、というところで終わりでした。

さて今週号。先週号では見落としてしまいましたが、単行本77巻が4月3日に発売になるのですね。これはだいたいローの過去編が中心になると思いますが、公開されている表紙を見ると(amazonではまだアップされてないようです)、完全に全員がドンキホーテファミリー、ドフラミンゴと最高幹部、幹部たちです。ルフィが表紙に登場しないことって今まであったのかな。ということは、過去編だけで終わりになるかもしれませんね。でもそれならローの絵も欲しいところなのですが…まあ主役じゃないから仕方ないか。

780話、扉絵はジンベエの海侠一人旅、海ネコや海イヌたちが住む海底の遺跡に帰ってきた海ネコの親子、という感じの表紙です。

以下、感想に付いて内容に触れながら書いていますので、ぜひジャンプ本誌をお読みになってから読んでいただければと思います。

さて、ローはどうなったのか。「数分前」ということで王宮屋上のドフラミンゴ、トレーボルとローの場面から。二人に倒され、虫の息のトラファルガー・ロー、という場面からです。片腕を斬り落とされ、それでもなんとか左腕で刀を持っているローですが、完全に追いつめられています。ドフラミンゴは、「もう休め、ロー…」と「優しい」言葉をかけています。そんなローに銃を突きつけるドフラミンゴ。なぜかドフラミンゴは「処刑」のときは銃で鉛玉を撃つ、ということを墨守してるのですね。これには何か意味があるのだと思うのですが、今のところよくわかりません。

追いつめたドフラミンゴは、「どうせ死ぬんだから、おれにオペオペの実の能力を使って「不老手術」をしないか、とローに持ちかけます。「それと引き換えにおれはお前の望みを何でもかなえよう」と。

ローは「よし…のった」と言いながら、「じゃあ今すぐコラさんを蘇らせてくれ…!そしてこの国の国民全員のケツを舐めて来い」と言い放ちます。コラソン=ロシナンテはもう13年前にドフラミンゴの手によって殺されてますからね。ブチキレるドフラミンゴ。「状況が分かってねえのはてめえだドフラミンゴ。」ローは「麦わらの一味はこれまであらゆる奇跡を起こしてきた奴らだ。お前には倒せねえ!」と中指を立てます。

ここのところカッコいいんですが、ロー、ずいぶんルフィたちを買ってるんですね。「海賊同盟はもう破棄する、次に会ったら敵同士だ」なんて今まで口ではいってましたが、実はこれがローの本心なのでしょうか。

しかしブチキレたドフラミンゴは何発も何発もローに銃弾を撃ち込みます。「その背中の文字”corazon”」スペイン語ですね。「何への当てつけだ?そもそもてめえの”ハートの海賊団”の名は!
何への当てつけだ!」とドフラミンゴが妙にムキになってきています。「ハア忌々しい!ロー、コラソン!てめえらの呪縛もここまでだ!」と叫ぶドフラミンゴ。

この奇妙な追いつめられ方をしているドフラミンゴ。これはどういうことを意味しているのでしょうか。弟であるコラソン=ロシナンテを死に追いやったこと、目をかけて育てたローを今また「殺した」こと、確かにそういうことに対する苦しみはあるでしょうけれども、「呪縛」とは果たしてどういう意味なのか。この回の題も「ハートの呪縛」ですよね。ドフラミンゴの3人の最高幹部、♠︎の席のピーカ、♢の席のディアマンテ、♣︎の席のトレーボル。それに4人目のハート♡、と言うだけなのでしょうか。ここに何か鍵になることがありそうです。

現在に戻り、旧王の台地ではリク王と軍隊長タンクたちは街へ降りて人々を救おうとしています。一方台地に残った千里眼のヴィオラは王宮の様子を見ていますが、「ファミリーの強敵は二人にまで減った。だけど、こっちの戦力も減っているわ」と言います。ウソップとゾロに緊張が走ります。「こっちの戦力」とはルフィとローですから、そのどちらかがやられてしまったのか。

一方ベラミーを倒したルフィは王宮屋上の屋根を突き破り、ドフラミンゴとトレーボルの前に現れます。決死の覚悟でルフィに立ち向かってきたベラミーは、ドフラミンゴへの思いを断ち切れなくて理不尽を承知でルフィに戦いに挑んできたわけですが、そのことをドフラミンゴは分かっていた筈だ、とドフラミンゴの非情さにルフィは怒りを燃やしているわけです。ルフィは「ゴムゴムの灰熊銃(グリズリーマグナム)」や「ゴムゴムの鷹銃乱打(ホークガトリング)」などの技を放ちますが、ドフラミンゴは「蜘蛛の巣がき」や「荒浪白糸(ブレイクホワイト)」などの技で対抗します。

ルフィはそこで、ローが血にまみれて倒れていることに気がつきます。「トラ男!なんだこの血の量!腕はどうした!おい、しっかりしろ!」と叫びますが、ドフラミンゴは「死んでるよ。見りゃ分かるだろ。ずいぶんお前を信頼してるようだった。お前奇跡を見せてくれるんだって?戦っても強そうには感じなかったが・・・」と非情さと余裕を見せ、「ゲームを終わらせよう」と迫ります。

一方、国中の人に戦慄が走ります。「鳥カゴ」の糸の壁が、縮んできているのです。

「よくもお前ら!」と叫ぶルフィですが、なぜかそこにローの声?が。「よく聞け、麦わら屋」と。

これはどういうことでしょうか。心に話しかけている、という感じですが、一体何が起こっているのでしょうか。分からないですね。でもローは、ただ死んでしまったわけではないようです。一体どうなっているのか。ここは見逃せない展開になってきました。

まあ、ローがただ死ぬわけはないとは思うのですが、それにしても状況的には死んでるとしか考えられない。心に訴えるローの声、というのも、いったい何を意味しているのか分かりません。前回ドフラミンゴに撃たれたときも、ローは死なず、銃弾を自分のオペオペの実の能力で体外に排出していました。そういうことが出来るのかもしれません。

ローは本当は仮死状態で、なにか心に訴える…見聞色の覇気かなにかの応用なのか…力を持っているのかもしれません。

それにしても、本当にドレスローザ編、大詰めになってきました。いろいろな謎が、間もなく明らかになる気がします。ここしばらく、楽しみな週が続きそうです。