Comic ZERO-SUM (コミック ゼロサム) 2015年4月号[雑誌]
一迅社


コミックゼロサム4月号でおがきちかさんの「Landreaall」第142話「砂の家」を読みました!

140話で奴隷商人・黒虹のカリファの奴隷として捕えられていたところをライナスとルーディー、それに謎のマダムによって救われたDX。141話では実はこのマダムは実は円卓をサボった(だからDXとは面識がない)11番目の玉階・オルタンス・パラディアであることが明らかにされます。現在のDXの主な敵、というか対すべき相手は同じく玉階のクエンティン・フェーレンと彼の影響下にあるアブセントプリンセス・リルアーナの娘ユージェニ姫ですから、オルタンスが味方についたと言うことはDXにとって強力な戦力(物理的に戦う力では必ずしもないけど)を味方に得た、と言うことを意味するわけですね。

前号のラストでは彼女の協力を得て資金の目処を立て、ライナス・ルーディーを連れて再び黒虹に乗り込んだ。と言うところで終わりでした。

以下、感想を書く上で、内容に触れていますので、本誌を読んでから読んでいただければと思います。

DXはカリファと交渉します。奴隷13人のリストを示し、値段は?と聞くDXに、カリファはボルカに命じてリストにある奴らを連れてこい、と言います。しかしボルカの妻であるナナンは入ってない、と。それに、一人追加で14人。それは胸に傷のある男でした。この男は何回かDXに絡んでいましたが、実はマダムとの間の連絡役として潜入していたのですね。

大喜びで値段を示すカリファに、DX(黒虹ではDXは母の姓であるディッツを名乗っています)は「この値の半分で彼らを借りたい。目的を果たしたらここに返す。傭兵として雇う」と言います。驚くカリファはふざけんな、と言います。奴隷は買ったらお前の物だ、借りて返すとかナシ、と。

「どうして?」と問うDX。そういわれて言葉に詰まるカリファ。「カリファに損はないじゃないか」と。DX(と妹のイオン)はすぐ本質的なことを言って常識にとらわれてる?周りを驚かせるわけですが、カリファにもこの技をかますとは。「半分じゃ足りないし、一生は雇えない。借りるだけなら彼らはカリファの物だ」というDXに、「奴隷市場に戻って来るワケないじゃないか」とカリファはいいますが、「おれは戻る」とボルカはいいます。DXは、「おれが連れて行って戻らない奴隷がいたら買値の倍を払ってもいいよ」と言います。

賭けのつもりか?と聞くカリファに、おれは交渉してる、でもカリファが乗るなら賭けってことでもいいよ、とDXがいうのを聞いて、カリファは「いーだろ」と交渉に乗ることにしました。で、後は商人(見習い?)のライナスがカリファと値段交渉に入ります。

一方、クエンティンに囚われているディアと侍女のアイシャ(実はイオン)。イオンは砦の中を歩き回り、働いている女の子たちに話を聞くと、みな奴隷ないし奴隷の子で、幸せそうに働いているのを見て、「クエンティンは悪いこともいいこともするのかな」と思います。

イオンは城内に置かれている化石を見てあれっと思いますが、そこをユージェニにつかまり、話しかけられます。ユージェニは、メイアンディアが部屋で篭城していることについて、クエンティンを待たせてもいいことはないぞ、といいます。イオンにはユージェニが悪い人には(DXに似ているせいか)みえないのですが、DXが消えた理由はユージェニから逃れるためではないか、と尋ねます。「あの人にしたくないことをさせるのはきっと王様でも無理」と。

その遺物に魅かれるイオンに、ユージェニはそれがある部族の沙宝(サリ)だった、と明かします。これは前月号にありましたが、クレッサールの部族はその沙宝をある場所に鎮座させ、そこに集落をつくる、つまり沙宝というのは、部族を成り立たせるための重要なアイコンなのですね。それがここにあると言うのは、その部族は滅びてしまったと言うことでしょうか。そういえば、アトルニアとの戦争で滅ぼされた「暁追」という部族がありましたが、その沙宝なのでしょうか。

他の遺物も指差すと、ユージェニは「アイシャは何か天恵があるのかもしれないぞ。これも古丿竜に因縁のある物だ。失われて行く竜の加護・・・」というユージェニに、イオンは「ユージェニ姫は私達の味方・・・?」と言いかけると、そこにクエンティンが現れます。クエンティンは、「メイアンディアを利用するのはあなた(ユージェニ)のアイデアだよ」と何か物騒なことを言っています。ここでイオンを捕まえたということは、何かディアを動かすためにイオンを使おうというのでしょうか。

一方、黒虹では出発の準備が整い、カリファとライナスの間の商談もまとまったようです。サインしろ、というライナスに、契約内容も読まずにサインするDX。ライナスを全面的に信用しているんですね。公式文書の署名をしてカリファに「読めねー」と言われているDXは、「カリファは本当に黒虹の王様になればいいと思うよ」と言います。カリファの「統治の仕方」はDXは評価しているのですね。鎖につなぐということをのぞけば。カリファは「出来たら苦労しねえっつーの・・・」といいながら、なんだか満更でもない感じでもあります。

一方、メイアンディアに部屋から出るように迫るクエンティン。DXが戻るまでは部屋から出ない、というディアに、クエンティンはアイシャ(イオン)に呼びかけます。突然、「ここから出よう」とディアに言うイオンに、ディアは驚きます。「クエンティンに頼って一緒に王都に帰ろう」というイオンに、ディアも動揺した表情を見せますが、クエンティンは何やら悪そうな笑みを。これは、イオンが何かクエンティンに操られている、ということなんでしょうね。ディアもそういう力を持っている筈ですから、次号ではその辺りが発揮されるのではないかという気がしますが、さてどうなりますか。

ディアのサイドはなかなか事態が緊迫してきましたが、DXのサイドはいよいよ逆襲、という感じになっていて、次回以降が凄く楽しみです。魅力あるキャラクターも盛りだくさんですし、クレッサールの部族の秘密なども明らかにされて、なんというか「ナルニア」か何かを読んでるような気持ちになってきました。凄く質のいいファンタジーだなあと改めて思います。

次回も楽しみにしています!