Comic ZERO-SUM (コミック ゼロサム) 2014年 08月号 [雑誌]/一迅社

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コミックゼロサム8月号でおがきちかさんの『Landreaall』第134話「Sacred」を読みました!

27日に感想を書いた第24巻の続きです。ランドリオールももう連載11年を超えてるんだなあとちょっと感慨を感じました。

今回の扉絵はユージェニー。前回メイアンディアに「DXは私がもらう」と言ったユージェニですが、扉絵にはアオリで「私は探す…そして私は求める…いったい何をーー?」とあります。

扉絵をめくるとDXとクエンティンの会話。騎士は国のために自分の心を殺している、とクエンティン。DXの父・リゲインは理想のために気持ちを諦めるのが騎士、と考えたのではないか。そして王女(ユージェニの母リルアーナ)は傷ついたのではないか、と。DXは、それは王城の噂であって、父は王女に忠誠を誓っていた、と答えます。王女の方はどうかな、というクエンティンに、DXは父の言葉を思い出して答えられません。

DXは父上と同じ道を?と問うクエンティンに、DXは当て推量で人の望みを叶える手助けを使用として失敗した、と言います。一つは子どもの頃、ロビンが父親い会いたいと言ったので実際に子供だけで王都を目指し、怖くなったロビンがそのことをバラしてしまったこと。そしてもう一つはウルファネアに乗り込み、親友・リドを救い出そうとしてリドの兄の竜葵に半死半生の目に遭わされたこと、を言っているのでしょう。つまり、クエンティンが提案しているメイアンディアをファラオン卿との「愛のない結婚」から解放するためにDXがユージェニと結婚して王位に就く、と言うことに対して、メイアンディアが何を望んでいるか、本当のことが分からない以上、動けない、と言っているのでした。

メイアンディアにしろロビンにしろ、「望みを叶えてしまう」ことを恐れていたのです。DXにはそれを実現してしまう力がある、と彼らは思ったのでした。

クエンティンはそんなDXにあきれ顔をして、「望みを相手にさらすのは弱みを見せるのと同じこと。あなたは本当に賢い」というのでした。つまり、そんなことを出来るわけはないからそういう言い方で提案を断っているんだな、と判断したわけです。

一方ユーハサン鎮守にやって来た六甲と、バハル・チレクの兄妹、曲鳴の呪術者。六甲は先ほど忍術を使うことが出来たことを驚いています。クレッサールではなぜか忍術が使えなくなっていたからです。ここにいにしえの竜がいるからだろうか、六甲は考えたのでしょうか。

鳥になった曲鳴の呪術師は、からだを元に戻せない、というのでした。呪いを解くアイテムを手に入れないともとに戻れないというのです。チレクは鳥とマーニ(六甲たちをクエンティンに通じていた賊に売った案内人の孫娘で、クエンティンに何らかのまじないをかけられている)と呪術師を探しに、バハルは六甲と「メルメルばあさん」(王女リルアーナの侍女だったらしき老婆)に会いに行くことにします。

一方クエンティンの砦にいるDXはベッドの中でクエンティンとの会話を思い出しています。クエンティンは、ザンドリオが襲われて自分が捕虜になった恐ろしいよるをどう生きながらえたかは覚えてないのに、別れ際の王女の顔は覚えていた、というところで、頭痛が走ったようです。自分の過去に忘れているとても怖い経験があったらどうするか、と問うクエンティン。どうしようもない。私もそうだ、と自分で答えます。

クエンティンはそのときの記憶を思い出そうとしているようなのですが、まだまだ欠けているところが多い、と24巻で語っていました。

思い出しているDXのところに、ユージェニがしのんできます。クエンティンの申し出を断ったそうだな、というユージェニ。私のどこが不満だ、とDXに迫ります。ユージェニはDXと「既成事実」を作ってしまい、結婚することで王位を手に入れよう、としているのでした。

DXはユージェニに、クエンティンは言葉どおりの人じゃない、両親にあって確かめるまで彼を信用することは出来ません、と言います。あなたはクエンティンとは違う、あなたは強い願いを持ってるけど彼には、欲しいものがないように見える、というのです。

この言葉は、ファレル(リゲインの妻でDXの母)がクエンティンに言った、「あなたは空っぽよ」という言葉に通じます。本当には何かを望んでもいないのに、復讐だけを求めている、と。本当に何を望んでいるかは失われた記憶を取り戻さないと分からない、とDXは言いたいのかもしれません。ユージェニは胸の間から衝撃ジェムを取り出し、DXの動きを封じて、DXの衣服を脱がそうとします。「王城のときのように消えられたら困るからな」と言って。王城ではいきなりキスをしようとしたユージェニに、六甲が刀で遮ったのでした。

一方、メイアンディアの侍女・アイシャを装って潜り込んでいるDXの妹イオンは、DXを助けに行かないと、と言います。ディアはDXが責任を取らされて結婚させられてもいいの?と迫ります。ディアは本当はDXのことが好きなのですが、大義のためにそれを諦めてファラオン卿と結婚し、王妃になろうとしているのです。ディアはそうイオンに言われて、どうしたらいいのか分かりません。

目を回しながらDXは、こんなの意味がないです、とユージェニに言います。ユージェニは、意味、と言われて「お前がねたましい」と認めます。DXは家族や友人、肩書きや財産、DXがもっていて約束されているDXを守るものがあることをねたましいというのです。そして「王の座くらい私にくれたっていいだろう?」というのでした。ユージェニはDXの手を取って「私を王にしてくれ。DX・ルッカフォート」と言ってキスをします。一方、イオンはディアをつれて外壁をつたいながら、DXの部屋を目指すのでした。

話をしながら、リゲインたちとのやり取りでは明らかにされなかったクエンティンやユージェニの心の中の暗い部分を、DXには語ってしまう、というところがDXの天性と言うか強みなんだなと思います。そしてイオンの無謀な行動力がどう出るか。

まだまだ全体の構図が良くわかりませんが、しかしこういうクーデターだとあまりうまく行きそうな気がしません。来月以降のストーリーを楽しみにしたいと思います!