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アニメ『極黒のブリュンヒルデ』第11回「突然の再会」を見ました!

OP曲「Virtue and vice」もだんだん慣れて来た感じがする第11回です。1クール13回のアニメですから、本当に大詰めですね。前回はラストに最終兵器っぽい「ヴァルキュリア」が出て来て、だいぶ大詰め感が出てきました。

OP後、サブタイトルが出る前の場面は、寧子にそっくり(髪が白髪)なヴァルキュリアが「アンチマター」を使う場面から。アンチマターとは「反物質」、つまり物質と反応すれば巨大なエネルギーが発生するものですが、現実世界では実験室にごく一瞬のみ存在したことが確認されているだけのものです。ヴァルキュリアはそれを掌の間に出現させ、霧ヶ峰を爆発させます。そして100人以上が死傷と言う大事故を起こしたのでした。

サブタイトルに「突然の再会」と出たあと、ヴァルキュリアに倒されていたお供の魔法使いたちのうちの一人、初菜が立ち上がります。彼女のハーネストにつけられていたビーコン(遠隔操作でビーコンのイジェクトボタンを押して魔法使いを死に至らしめる)はヴァルキュリアにやられたはずみに外れていました。

一方、天文台では良太と寧子、カズミ、佳奈、小鳥の5人が噴火のニュースを見て、これはヴァルキュリアがやったのだろう、と言っています。ヴァルキュリアは8つの魔法を使える魔法使い。佳奈は、もしかしたら自分たちの居場所が分かったのかも、と言います。

一方、謎の空間では研究所の九(いちじく)がヴァルキュリアが大騒動を引き起こしたことで糾弾されています。沙汰は追って下す、と断罪されてしまいました。

生き残った魔法使い、初菜はヴァルキュリアが「天文台には4人も魔法使いが隠れているんだ」と言ったのを聞いて、天文台を順に訪ね回っていたのでした。

天文台に入って行くと、魔法使いたちが血を流して倒れています。慌てて駆け寄る初菜でしたが、助けられたカズミはそれがヴァルキュリアではないということを確認して、みなを起こします。血はペンキでした、というベタな落ちでした。(笑)

初菜は研究所でカズミ、寧子、佳奈と一緒にいた魔法使いでした。研究所の命令でヴァルキュリアとともに1107番を探すように命令されていた、ということをカズミに説明している時、良太の存在に気がつきます。私たちの為に命をかけてくれている、というカズミに初菜は半信半疑です。そして、初菜も小鳥のことを知らないことを、良太は不思議に感じます。初菜も鎮死剤をもっていない、というのを聞いてカズミは「また私たちの負担が増える」と言いますが、最初の頃だったら門前払いだっただろ、と良太にいわれて赤面します。

ペンキを落とす為に温泉につかる魔法使いたち。初菜の胸に大きな傷跡があります。ヴァルキュリアにやられたからなのですが、ほとんど治りかかっています。初菜の魔法は「再生」、殺されても、頭を潰されても死なないというものなのでした。良太が魔法使いたちからとても信頼されているというのを知った初菜は良太を試そうとします。

鉄塔に上って助けてくれ、と言う初菜を見た良太は鉄塔に上って助けようとします。しかしわざと足を踏み外した初菜。それを見た村上は幼なじみのクロネコを助けられなかった時のことを思い出し、とっさに腕をつかみます。しかしつかまった棒は二人の体重を支えきれず、良太も腕一本でぶら下がることになってしまいました。そこまでして助けようとしたのを見て初菜は「合格」といい、「私の魔法は再生だから、手を離しても死なないから離して」と言います。しかし良太は信用できない、と離そうとしません。そして初菜を何とか鉄塔に放り投げますが、自分は落下してしまいます。しかし着地の瞬間、転位の魔法で小鳥と入れ替わり、すんでのところで死なずに済んだのでした。自己犠牲の精神の塊のような良太を見て、初菜も感動してしまいます。

試すようなことをしてごめん、という初菜。私あなたのこと好きかも、といいあなたと付き合うわ、という初菜にみんな動揺します。行動的な初菜はいきなり良太のほっぺたにキスをし、動揺した寧子は破撃で鉄塔を破壊してしまいます。ダメですよ寧子さん、と言う小鳥に私じゃない、と言って逃げる寧子。追いかける良太。その良太を追いかけるカズミ。「だいたい分かったわ、ここの人間関係」とつぶやく初菜でした。ここで前半は終わり。日常回と言うかなんというか、ラブコメ?でした。そういえばこういうキャラ、今まで出てませんでしたね。あと2回というときに新キャラが出て来てどうかと思いましたが、いかにも強敵なヴァルキュリアとの戦いの前の、和みの場面とかねる構成だったのかなと思います。

後半は、小五郎の研究室。呼び出された良太に、小五郎は奈波はかわいそうだったな、と言います。小五郎は奈波の視界の外にいたので、記憶を失わずに済んだのでした。それだけでなく小五郎はその場面を見て、推論と研究を進めたのです。

魔法使いが溶ける理由は、体内でプロテアーゼという消化酵素が生成されるためで、あの薬にはプロテアーゼの作用を止める効果があると考えられる。それは学生時代の知り合いが書いた論文にあるもので、それを使えば1ヶ月で薬を作ることが出来る、というのです。しかしもう鎮死剤は5人で1週間分しかない、という良太に、小五郎は「取捨選択が必要だ」というのでした。肩を落として帰る良太を見ながら、小五郎はその論文を書いた天才のことを思い出します。自分の目的は命の解明をすること、その為ならどんな犠牲もいとわない、と言ったその男は、研究所の九(いちじく)なのでした。ここで小五郎と九がつながり、薬の開発についても出来るんじゃないか、という期待が盛り上がってきます。ここに話がつながるのですね。

さてこちらはヴァルキュリア=藤崎真子。現れたのは諏訪湖を見下ろす立石公園です。素敵な景色を独り占め、邪魔する奴らは皆殺し、と言っている真子のところに現れたのは九でした。あなたが私を人間じゃなくした、という真子にそれが私の仕事だ、という九。私が怖くないの、という真子に、九は平手打ちします。「なぜ勝手にアンチマターを使った」という九に、真子は急に泣き出してごめんなさい、と言います。実は真子は九のことが好きで、逆らえない、という関係にあるのでした。勝手なことをしても結局自分には逆らえない、と確信している九は、糾弾されようとも自分の目的は実現できると考えていたようです。1107番の居場所は分かったんだな、と言う九に、真子はうなずきます。

かわって天文台。良太が帰って来て、薬の開発に1ヶ月かかるという良太に、カズミはそれならくじ引きで誰が生き残るか決めよう、と言います。初菜は私はくじ引きに参加する資格はない、と席を外します。実は初菜は鎮死剤をヴァルキュリアに倒された仲間の分として24日分もっていて、もっとあればもらいたい、と思って天文台を訪ねたのでした。寧子は、私は薬はいい、と言い、小鳥もとっくに死んでたはずだから、とくじ引きを辞退し、佳奈も一人じゃ生きて行けないし、とカズミが生き残ればいい、と言います。しかしカズミも、自分だけ生き残ることは出来ない、と言います。

これが彼女たちの出した答えか、と思う良太は、やはり寧子に預かっている端末しか望みはない、と思うのでした。こうなったらみんなで乾杯しよう、というカズミに小鳥はジュースをついできますが、どじっ子の小鳥はお約束どおり転び、寧子の服を濡らします。慌てて拭こうと胸を開ける小鳥ですが寧子はノーブラで、胸が見えてしまいます。しかし、そのとき寧子の胸にクロネコの証である三つのほくろがあるのを、良太は見たのでした。良太は、自分が好きなクロネコの面影を追って天文学を志していたのですが、よく似た寧子が現れてそれを確かめたいと思っていましたが寧子は全く記憶を失っていて確かめようがなかったのですが、ついにここに来てそれが確認されたわけです。

胸をはだけた寧子の肩をつかんで泣き出す良太、という構図はなんだか良くわかりませんが、それを見て感動する小鳥と佳奈。そして良太が好きなカズミは目をそらすのでした。確かに感動の再会なのですが、なんというかこの微妙な外し方というかずらし方と言うか、萌えを強調し過ぎと言うか、その辺りはこの作品全体に感じます。ちょっと不思議な感じです。

エンディングテーマ「いちばん星」が流れる中、外に出て星を見ながら話をする寧子と良太。子供の頃の思い出を全部忘れてしまった、と言う寧子に、俺が全部覚えているからいい、という良太。これからのことも全部俺が覚えておくから、という良太でしたが、そこになぞの光。巨大なヘリコプターが天文台に近づいて来るのでした。室内に駆け込み、みんな逃げろと言う良太と寧子でしたが、そこにヴァルキュリアが現れます。良太はその顔を見て、寧子とそっくりだと驚きます。ヴァルキュリアは、「久しぶりね、寧子」というのでした。

エンディングテーマの終わったあと、一番の山をもってくると言う演出。おそらくは最終決戦のその前に、良太と寧子の関係を明らかにするという演出もよく出来ていると言えばよく出来ているし、あざといと言えばあざといのですが、やはりヴァルキュリアと寧子の関係も気になりますし、うまい終わり方だなと思いました。

あと2回、楽しみにしたいと思います。