10歳からの家族計画 2 (芳文社コミックス)/芳文社

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週刊漫画Times6/20号で陸乃家鴨さんの『10歳からの家族計画』第34話「その日はもう目前」を読みました!

とびとびで連載されていた『10歳からの家族計画』ですが、ついに大詰め間近。三宅家の紫(ゆかり)、葵、翠、虹太の姉弟と、尾津医院の直純・浩人の兄弟(浩人は後妻である母の連れ子)の関係ですが、若先生の直純と辣腕刑事?の葵は恋人?同士。でも葵に結婚する気はありません。そして新人刑事の浩人は家庭的な高校生の翠といいムードになりながら、翠は「私に恋をしないで」と言い出し浩人もそれをすっと受け入れてしまいます。

葵と直純がその二人のことで話しをしていたのですが、葵は浩人のことを「翠にとって最悪の相手」だと言います。浩人は何人もいっぺんに、知的な紫も強い葵も家庭的な翠もいっぺんに好きになれる。それが翠にとっては問題なのだと。葵は思います。「翠はあいつに恋をしちゃいけない。自分だけを見てほしいと願っちゃいけない」と。

直純はそれを聞いてあり得ないだろうと言います。浩人なら紫や葵のような「化け物じみた」遺伝子を持っていなければ恋は出来ないはずだ、と。葵はその前提がおかしい、と言います。そりゃそうですね。

そもそもさあ、浩人って本当に弱いの?と葵は言います。言われてみたらそうですが、頭の方も紫に教わって頑張ったし、強さの方も警察官になれたんだから十分そんなこともない。直純はいつまでも浩人のことを「弱くて頭が悪くて保護してやらなければならない相手」だと思い込んでいるけれども、そんなことはない、と葵は思います。

ひったくりをして逃げようとしたバイクにぶつけられてけがをしたのも、本当はあえてそれを避けず、止めたからけがをしたのだと。浩人は本当は十分に強いんじゃないのか、と。ここのイラスト、はじめて尾津浩人が男らしい、きりっとした顔をしていて別人のようです。いつもニコニコへらへら笑っているキャラクターですからね。

とにかく浩人は、もう弱くなんかない。少なくともあんた(直純)よりは強いと。柔道家剣道をやって格闘技術もあるんだから、というと直純はムキになって「でも頭脳は絶対勝ってるからな!」というので、葵は「別の意味でバカだ!」と思います。「そこがいいんだけどね」と思うわけですが。

直純は、葵が何を言っているのか良くわかりませんでしたが、とにかく「結婚だのなんだの言う前に浩人をなんとかしろ」と望んでいるんだろうな、と思います。

翌朝?三宅家。虹太が起きてダイニングキッチンへ行くと、いるはずの翠がいません。テーブルの上に朝食があって、翠はすでに出かけて紫のところへ行っていると書いてあります。三宅家の風呂が壊れたときに、直純の同級生の篠岡のマンションを借りて移っていたのです。もう風呂も直ったのであと数日で三宅家に戻る、という段階になっているのですが。

虹太は、もしかすると翠は浩人や浩人とくっつけようとしている美樹と顔を合わせたくないだけでなく、自分とも顔を合わせたくないのかも、と思います。様子が変なのは確かだし、どうしちゃったんだろう、と思います。

一方刑事課ではこちらも浩人と翠をくっつけようと画策していた宮古川が浩人にちょっかいを出しますが、浩人が翠に振られたと聞いて唖然としています。翠が浩人のことを好きだとちゃんと確認しなかったのか、と聞く宮古川に浩人は「僕のこと好きだって言ってくれた。だから僕は翠ちゃんに恋が出来るんだってすごく嬉しかった」と言います。これも真剣な顔。そして「私に恋をしないで」と言われてなぜ食い下がらないのという宮古川に、「翠ちゃん泣いてて辛そうで出来ないよ。辛そうに泣いてる人を僕は見たくないんだ」というのでした。このときの浩人の表情も諦めたようなアルカイックスマイルで、うーんと思います。

尾津浩人というのは本当に何を考えているのか分からないキャラで常にニコニコしているのですが、時々(本当に時々なのですが)見せる表情が、すごくキーを握っている感じがします。それらの謎が、まとめて明らかにされるんだろうとそろそろうずうずしているわけですが。(笑)

浩人は「僕には恋の遺伝子が足りてない」からきっと翠に恋をするのをやめるのは簡単だ、と思うのですが、なぜか頭の中で堂々巡りを始めてしまいます。そして「僕は翠ちゃんに恋を出来ない」と思うと、すごくガーンとした顔をするのです。

浩人と宮古川の話を立ち聞きしていた葵は宮古川を問いつめます。そして宮古川が浩人に「浩人は恋の遺伝子が足りないからそれをたくさん持ってる翠と恋をした方がいい」と焚き付けたことを白状します。葵は合点が言ったのですが、それにしても結局は遺伝子の命令か、と呆れます。宮古川は、浩人が葵を好きだという尾は真剣味が欠けていると思うが、緑は絶対浩人のことが好きなのに、どうして振られたんですか?と葵に詰め寄ると、「いろいろあんのよ」とスルーされてしまいます。そして宮古川が浩人と警察学校の同期だということを知って、葵はさらに宮古川に「聞きたいことがある」というのでした。

一方虹太は、週末の引っ越しがちゃんと出来るのか、と心配しながら紫のところへ行くと、翠がすでに台所の荷造りを始めている気配があってほっとします。「引っ越しのときにはどうしたって合うしかないんだ。俺はもちろん尾津も。だからそれまではほっといてやるか」と思います。

そして当日。翠は姉さんかぶりにマスク、サングラスをしてハイネックと、完全防備の態勢。どうも姿を見られたくない、と言うのがそういう反応になっているようです。車を頼んである浩人がなかなかこないのを待っていると、そこに現れたのは直純でした。そしてついでに尾津家の母・優子が手伝いについて来たのでした。それを見て翠は喜んで出てきます。翠と優子はとても気が合っていて、翠と浩人のことも直純と葵のことも知らない優子は「翠が直純の奥さんになればいいのに」と言ったりしていたのでした。

そしてそこに、浩人をつれて葵が現れます。このメンツをそろえたのは、どうやら葵の画策だったようです。(優子は想定外のようでしたが)翠はついに浩人と顔を合わせることになります。ふたりの複雑な顔。さて来週の展開はいかに!というところで終わりました。

さて、どうやらあと2回で完結のようです。このにぎやかに入り組んだお話も、とうとう大詰め。どうやら浩人は翠との恋は本気のようですし、こちらの方ははっきりと見えて来たのだけど、虹太が実は三人の姉のうちの誰かの子供だ、という話しはまだはっきりしていません。さてあと二回でどういう落ちがつくのか、楽しみにしたいと思います!