GIANT KILLING(31) (モーニングKC)/講談社

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Dモーニング27号でツジトモさんの「GIANT KILLING」第334話を読みました!

「GAINT KILLING」略して「ジャイキリ」はサッカーマンガ。しかも、Jリーグをモデルにしたリーグで戦うETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)というチームの監督・達海猛を主人公にしたマンガで、Jリーグ球団の監督、選手たち、スタッフ、サポーター、地域の人たちに至るまで、チームを取り巻く多くの人や事柄が取り上げられて、描き出されているマンガです。サッカーというスポーツの、ファンタジーの部分とファンタジーでは済まない部分、そのそれぞれがよく描き出されている作品だと思います。

ETUは毎年降格圏内で争いを続けていたチームですが、チームのかつてのスター、達海猛を監督に迎え、今年はタイトル圏内で戦いを続けています。現在進行中の試合の対戦相手、大阪ガンナーズは優勝候補のチーム。前回は泥臭いフォワードたちの執念で勝利を収めましたが、雪辱に燃える相手は好調です。

また、4トップという超攻撃的な布陣の中、一番つかみ所のない窪田という若手は、U22の日本代表でETUの新しいスター、椿と仲良くなり、お互いに相手よりよいプレーをしようと頑張っています。

333話では椿が活躍し、すごいミドルシュートを放ちましたが、惜しくもクロスバーに当てて得点ならず。しかしあっという間に雰囲気をETU優位に変える、スーパープレーでした。一方の窪田も前回のラストで放ったループシュートがETUのゴールを襲います。油断していたキーパーの湯沢は慌ててゴールポストに戻りますが、このシュートは惜しくも浮いてしまい、これもまたポストに嫌われてしまったのでした。

窪田は両手を上げて悔しがり、湯沢はフウッとため息をつきますが、GKコーチの所は怒って大声を出しています。達海は「あの位置からあの精度ってのは大したもんだし、あそこで狙いに行く時点で総統自身をつけちゃってんな、あちらの7番も」と言います。そう、窪田は椿と同じ背番号7。ちなみに現役時代の達海も7番でした。

記者の藤澤はU22でいいコンビを組んでいた二人が、ここまでライバル意識をむき出しにしてやり合うとは、と感心しています。椿は窪田の視野の広さにドーンとショックを受けますし、窪田は椿のシュートほどインパクトなかったな、とやはりどーんと思っています。こういうシュートって外すとかっこわるいし、と言ってますが、まあそうですよね。(笑)

一方フル代表監督のブランとU22監督の剛田が観戦する特別席。ブランは「自分の好きに船首を引っ張って来て自分の考える最強チームを作れるんだ。こんな王様みたいな贅沢できる仕事は他にないよ」と言います。「こっちは胃に穴が空きそうになりながらやってるのに」とがくんとする剛田でしたが、ブランは「フル代表には遅咲きの才能を発掘する楽しみだってあるんだよ」と言います。

大阪の4人のフォワードのうち他の3人は、シュートを撃ちたくてうずうずしています。ハウアーから窪田に渡ったボール、殿山に奪われかけて、窪田はトップ下の志村にパスしますが、それをETUのボランチ・村越に奪われます。村越は2試合前までキャプテンでしたがそれを杉江に譲り、一選手として力を発揮します。そして、それをブランが「ほぉっ」という顔をして注目するのでした。

椿と窪田のシュートの打ち合い、ワクワクしますね。それに大阪もETUも、それぞれの選手たちが個性を発揮して試合を盛り上げて行くのが楽しいです。それに、若い頃は日本代表の村越が、再び代表監督に注目されている。村越がフル代表に招集されるようなことがあったら、村越シンパのスカルズたちサポーターも涙を流して喜ぶでしょうね。

そんないろいろな楽しみがわき上がってくる、334話でした!