10歳からの家族計画 3 (芳文社コミックス)/芳文社

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週刊漫画Timesで陸乃家鴨さんの『10歳からの家族計画』第32話「ちょっと見直した」を読みました!

しばらく間が空いていた「10歳からの家族計画」ですが、ついに『最終章』と銘打って連載が再開しました!3巻の最後が27話なので、4巻が最終巻で5話連続で一気にラストまで、という展開になりそうです。

この話は設定や伏線がかなり複雑で、登場人物たちもあっち行ったりこっち行ったりして前提と状況を把握しながら読まないとわけが分からなくなりやすいのですが、分かってくるとすごく面白い作品だと思います。

遺伝子の命令で恋をする、と変なことを言っている警察官の尾津浩人(でもすごく家庭的でいい奴なんですが)と、その同僚・三宅葵の弟で本当の母親は誰なのか(紫・葵・翠の3人の姉のうちの誰からしい)を捜している小学生の虹太が主人公です。いろいろすっ飛ばしていうと、葵は浩人の兄の直純と付き合っていて、高校生の翠はブラコンで虹太を猫可愛がりしているのですが、だんだん浩人に魅かれて行って、ついに付き合うようになる、という展開です。ちなみにもう一人の姉の紫(ゆかり)は自宅で家庭教師をしています。

31話の最後でついに尾津浩人と「つきあう」ことになった翠ですが、翠は「私に恋をしないで。じゃないと私壊しちゃうから。私も尾津くんも」と泣き出してしまいます。

この場面にいたのは浩人と翠、それに虹太と美樹の4人です。葵も浩人と(同じチームなので)帰って来ています。二人をくっつけようとしていた美樹は慌てますが、そこに葵が介入し、「そのへんまでにしとけ。浩人はもう帰れ。お前もだ美樹」と言って二人を帰します。何かを察知した表情の浩人は、大人しく「わかりました。じゃあ帰ろう美樹ちゃん」と言って帰ります。葵は翠に「腹減ってるんだけど私の分メシある?」と翠を平常運転に戻します。虹太は翠の「また壊す」という言葉に引っかかり、自分の知らない昔の話なのか?と考えます。

虹太はそれを風呂に入ろうとしている葵に聞こうとしますが、葵はそれを聞きながら、「そっかー、覚えてないかー」と答えます。「覚えてないならいい。翠のことは気にしても仕方ない。あの子が自分でなんとかするしか。」という葵に、虹太は「前にもあったってこと?」と問うと、葵は「まあね。でもお前が知る必要はないから。ふだんどおりにしててやって。それが一番いいんだから」と答えます。葵の表情が険しくなって、「覚えてないならその方がいい」と思います。

虹太は、こういうときだけ子供扱いか、と思いますが、実際子供の自分に出来ることは翠をほっとくことと、紫の部屋で見つけた数式を調べることだ、と思います。

次の日紫が借りているマンションに(これも事情がありますがすっとばします)やって来た美樹に虹太は数式を見せて、これを紫に質問してくれ、と言います。それは(x^2+y^2-1)^3=4x^2y^3という式で、これが紫のメモにあったのです。虹太は、一番年齢が上の紫が本当の自分の母親である可能性が高いが、もう高校を卒業していて子供を産んだことを隠す理由がない紫が母親だとしたら、自分は「隠された」のではなくて「捨てられた」ことになる、と闇に落ちて行く思いにとらわれそうになり、もしそうでないとしたら…とさらに闇に落ちそうなことを思います。

美樹が紫にこの数式を見せると、紫は急に嬉しそうになり、その説明を始めます。実はこの数式は、グラフ化するとハートマークになるという式なのでした。(そうだったのか!全然知りませんでした!)これは自分たちの頃は流行っていたけど、美樹がそれを男の子からもらったならきっとラブレターね、と本当に女の子らしい表情を見せます。

卒アルに挟んであったメモは紫がもらったラブレターだったんだ!と盛り上がる美樹に虹太は紫があんな顔をするのを初めてみた、とちょっとドキドキしています。紫は恋愛に興味がないのかと思っていた、という虹太に、じゃあどうして子どもを生めるのよ、と言って美樹は気がつきます。「コータは紫さんが無理矢理やられたとか思ったんだ」と。焦る虹太に、美樹は「バカだねコータは。そんなわけないじゃない。」と慰めます。「この現代日本でレイプされて子供生む女なんかいねーよ。わかってねーな」と。

「それにしても数学であんなのあるんだな。ちょっと見直したぞ数学」と数学アレルギーの美樹がいうのが
可笑しいですが、翠が帰って来ないというのを聞いて美樹は何だよ、という反応をします。

一方、盗犯係で葵とともにひったくりの現行犯逮捕に取り組む浩人ですが、被害者(でしょうか)のおばさんと話しているところにひったくり犯のバイクが突っ込んで、倒れてしまいます。

さて、虹太の疑念の一つは晴れますが、翠のことはまだ分かりません。今のところ葵は虹太の母親候補になりそうな感じでないところがありますが、まあそれも分からないですね。っていうか、翠と紫のことばかりが語られているなら、逆に葵が怪しい、という気もします。風呂場で見せた険しい表情も、どうとでもとれますしね。

次週以降の展開が楽しみです!