別冊少年マガジン 2014年6月号 [2014年5月9日発売] [雑誌]/講談社

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別冊少年マガジンで諫山創さんの『進撃の巨人』第57話を読みました!中央第一憲兵によって調査兵団が権力と武力の両面から壊滅状態に追いつめられました!

おはようございます。『個人的な感想です』、略して「こじかん」です。

月に一度の別冊マガジン発売日になりました!

私はもちろん本誌も買っていますが、一刻も早く読みたいのでKindle版の方もDLしています。今現在まだ買いに行く暇がないのでKindle版を読んだ感想になります。iPadでは目次機能が上手く作動していないようですが、『進撃の巨人』はKindleのページ数では270ページからということになります。位置指定で270ページを指定したら読めますので、お困りの方はぜひ!

とにかく風雲急を告げてきた、というか調査兵団、大変なことになってきました。

以下の内容はネタバレですのでどうぞご注意を。

エレンの記憶、つまりユミルとベルトルトの会話を聞いたハンジは大急ぎでトロスト区のエルヴィンの元に向かいます。そしてその内容をエルヴィンと検討します。「巨人にされた人間が巨人化の能力を有した人間を食べると人間に戻る」ハンジはその内容をそう判断します。それはまとめサイトなどでよく書かれている議論と一致するわけですが、ハンジの解釈はさらに一歩先を行き、「正確には食った相手の『巨人化をコントロールする力』を手に入れる」と考えます。つまり、巨人化の力のコントロール能力は食った相手から継承されるのだ、というわけです。

巨人は巨人化能力者を食うことによって人間に戻れる。「彼らは何も望んで裸で人を食べ歩いてるわけじゃなかった。その不憫なところがあのかわいさの一つでもあったんだな」とハンジは言います。ハンジにしか分からない「巨人の可愛らしさ」の分析です。

ライナーが「叫びの能力」が目覚めたエレンに巨人を投げつけてきたのは、エレンを食わせて誰かにエレンの能力を継承させようとしたのではないかと。もしそうならば、エレンの「叫びの力」も巨人に食わせることによって、その相手に継承されるのではないかと。エレンは唯一無二の存在なのではなく、単なる器なのではないかとハンジは言うのです。そうであればエレンは食われてしまい、ウォールマリア奪還など水泡に帰す、と。

一方エルヴィンはレイス卿領地潜入班からの報告書をハンジに見せます。ウォール教と「強固な誓約制度」の関係、レイス家と信頼関係のないヒストリアがなぜ謎の継承権を持つのか、と言ったことが明らかになる、というのです、が。

しかしそこに入ってきた団員が、「中央第一憲兵が団長に組織殺人の容疑があると町の真ん中で叫び、出頭を命じている」と伝えにきたのです。ついに陰謀と権力の力を使って、中央第一憲兵が調査兵団を追いつめにかかったのでした。

エルヴィンはハンジに、ここからは自分の判断に従って動け、と言います。リヴァイ班はリヴァイの判断によって動く、と。「敵が仕掛けてくれば予定どおりとは行かないさ。臨機応変に対応しろ」と。「俺は調査兵団の表の顔を通す」そして、「次の調査兵団団長はハンジ・ゾエ、お前だ。調査兵団を任せたぞ。」

そして、ピクシス司令との交渉は決裂したことを伝えるのでした。もはや味方はない。調査兵団は一気に追いつめられてしまったのです。

組織殺人の容疑とは、リーブス会長殺害についてでした。憲兵は、「調査兵団がエレン・イェーガー奪還のため、リーブス会長を殺害しエレンを奪って逃亡中だ」と言います。そして調査兵団の活動停止と団員すべての出頭を命じたのです。全団員が揃って出頭すれば無実は証明されると。もちろんそんなことが出来っこないことは分かって言ってるわけですね。

エルヴィンはリーブス会長の亡骸にすがりつく妻と娘でしょうか、に声をかけます。リーブス会長はあくどいこともやってきたがトロスト区が破綻寸前まで追いつめられたこの状況化で行く当てのない人たちを支援した、この町を救おうとしたのだと。しかし何者かによってその思いは潰えてしまった。「この無念、私が必ず」

エルヴィンはその言葉で、家族も居合わせた人々も黙らせてしまい、そして連行されて行くのでした。

一方、惨事からすんでのところで逃れたリーブスの息子、フレーゲルはその様子を見ていましたが、ハンジに捕まります。フレーゲルから事情を聞いたハンジは、この真実を明らかにしよう、と言います。しかしフレーゲルは、自分が殺され損ねたことはすぐバレるから家族には死んだことにして壁の中を逃げ回るしかない、と言います。ハンジがいくら説得しても、自分には憲兵に立ち向かうなんて生き方は出来ない、と拒否するのですが、ハンジは強引に連れて行こうとします。「あんたたちは負けたんだ。敗者なんだよ!」というフレーゲルにハンジは、「何言ってんの?調査兵団は未だ負けたことしかないんだよ?」とうそぶくのでした。

この開き直りの美と言うか、開き直りの魅力がハンジの魅力の一つだな、と思う今日この頃です。(笑)

さて一方、調査兵団が完全にお尋ね者になってしまった、悪い予想が当たってしまったと動揺する104期たちは、ハンジ班とともにリヴァイの指示によりエレンたちを先回りしてストヘス区でエレンたちらしき一行を突き止めました。葬儀屋が二つの棺と一緒に宿に泊まると言う不自然なことをしているのです。

アルミンはまだ何とかなる、とみんなを説得しようとしますが、何よりジャン、コニー、サシャの3人はリヴァイがヒストリアに手を上げたことでリヴァイへの信頼感を失っています。「俺は人類を救うためにこの身を捧げたんだ。こんな暴力組織に入ったつもりはねえ」とジャンは言うのです。

これからって時に迷いがあったらダメだよ、というアルミンはミカサに同意を求めます。ミカサは「あのチビの異常性には最初から気づいていたけど、この現状を乗り越えるためにはリヴァイ兵士長に従うのが最善だと思う。出来ればみんなも腹を決めてほしい」といいます。ミカサは審議所でエレンがやられたことをまだ忘れていないわけですが、それでも今何をすべきかということに迷いはないわけです。

調査兵団という大枠が失われかけ、直接の上司であるリヴァイ兵長への信頼感も失った、十代後半の少年たちが一体何をどう考えるか。この場面のやり取りは本当に生々しいものがありますし、ジャンやコニー、サシャの思いも十分過ぎるくらいに分かります。こんなところまで来てしまったか、と思います。

一方怪しい葬儀屋を見張るリヴァイとハンジ班の面々ですが、屋根の上で観察しているリヴァイとニファ(アルミンに似た黒髪の女性)は、突然「切り裂きケニー」の話を始めます。何十年か前に憲兵を100人以上喉をかき切って殺したと言う都の殺人鬼。リヴァイは子どもの頃彼と暮らしたことがある、と告白します。つまり、彼らの作戦が自分の発想と似たところがあるということに、リヴァイは不審の念を抱いていたのです。そしてリヴァイ自身がケニーの影響を受けていると自答します。

そして突然現れた何者かがリヴァイたちを遅い、ニファの顔面を吹き飛ばし、坊主の、ゴーグルの、ハンジ班員の頭を吹き飛ばします。リヴァイの前に現れたのは、対人立体機動装置を身につけたケニー、56話でリーブスを殺したアッカーマン隊長なのでした。

やられたハンジ班員を見つめるリヴァイのいつになく動揺した顔。そしてケニーに立ち向かって行く、今までにない怒りに満ちた形相。リヴァイの感情がこれだけ表れたのは初めてでしょう。それだけ、この敵が容易ならないものであることを示しているのだと思います。

今月は、本当に思いもかけない展開でした!ジャンの言うように、人同士の殺し合いがあまり続かないことを望みたいと思うのですが、さてどうなりますか。ダークでブラックな展開をどう抜けて、どう光が見えてくるのか。ハンジとリヴァイ、それに104期の面々。攫われたエレンとヒストリアはどうなるのか。

またまた気になるところが増えて、来月に続くのでした!