One piece (巻14) (ジャンプ・コミックス)/集英社
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ルフィたちゴーイングメリー号のグランドラインでの航海も2つ目の島、リトルガーデンでの話が続いています。100年の間決闘を続けている巨人たち、ドリーとブロギーの二人でしたが、何者かがドリーの酒に爆薬を仕込み、ドリーの胃袋を爆発させてしまったのです。


ドリーはそれがルフィたちの仕業だと思い込み、ルフィをやっつけようとします。ルフィたちがいくら説得しようとしても頭に血が上っているので聞きません。ルフィはゴムゴムのロケットでドリーを倒すと、安静にさせます。そして「俺は怒った」というのでした。自分たちと巨人たち、以外にも誰かがこの島にいると。


そう、この島に潜んでいたのはウィスキーピークでルフィたちに相手にされなかったバロックワークス社のMr.5とミス・バレンタイン、それにルフィたちを始末に来たMr.3とミス・ゴールデンウィークの4人でした。


今まで出て来たバロックワークス社の女性はみなミス・ウェンズデー(実はアラバスタ王国の王女ビビ)も含めてボンドガールみたいな人ばかりだったのですが、ミス・ゴールデンウィークはやる気のないサブカル少女みたいな感じでおさげ髪に帽子をかぶった少女みたいな姿、すやすや眠っているか変な突込みをMr.3に入れています。Mr.3はスーツ姿にメガネのできる商社マン風(休暇中バージョン)なのに髪型が「3」の字で紅茶を飲んでいます。


そしてMr.3が明らかにしたところによると、この巨人たちは100年前の伝説の海賊たちで、それぞれ1億ベリー、合わせて2億ベリーの懸賞金がついているのでした。Mr.3はその懸賞金を狙ってMr.5に巨人たちの酒に爆弾を仕掛けさせたのでした。


決闘の合図の火山が噴火すると、けがをしたブロギーも、胃で爆弾が爆発したドリーも、決闘の場に出かけて行こうとします。ルフィたちはドリーを必死で止めようとしますが、ドリーはルフィを巨大な岩の家で押さえつけて動けないようにし、決闘に出かけて行きます。「いったん始めた戦いから逃げることは戦士という名からも逃げることだ。戦士でなくなれば俺は俺でなくなるのだ」と。ルフィは「この決闘は邪魔が入ったんだ。邪魔が入った決闘なんか決闘じゃない!」といいますが、ドリーは聞く耳を持たないのでした。


ルフィの悔しがりようを見て、ビビは「出会ったばかりの巨人のためにどうしてここまで…とても懸賞金付きの悪党とは思えない」と思います。


Mr.3はほかの3人の前で作戦を話し、「私のモットーは姑息な大犯罪だ」というのでした。


狩りに出かけたゾロはトリケラトプスを狩って帰ろうとしますが道に迷ってしまいます。そこに現れたナミにちょうどよかったと思いますが、これはMr.3の仕掛けたおとりでした。またルフィたちのところに向かおうとしていたナミとウソップですが、恐竜に追いかけられて逃げている間に、ナミも同じトラップに引っかかってつかまってしまいます。ウソップは何とかルフィのところまで逃げて行きますが、酒に爆弾が仕掛けられていたというのを知って巨人たちの高貴な戦いに感動していたウソップは激怒するのでした。


ここまでで119話までです。最初読んだときはナミとゾロが捕まったトラップの仕掛けが分かりませんでしたが、これはMr.3の何でも造形する技術によってつかまったようでした。


ここの部分は、巨人たちの「名誉の戦い」を妨害したバロックワークス社のエージェントたちに対する怒りがはっきりするところです。ここから敵と認定した彼らを倒しに行くわけですが、また奇想天外な戦いが続いていきます。


『One Piece』はそれぞれの戦いにそれぞれの意味やテーマがあって、このリトルガーデンでの戦いは「誇りをかけた名誉ある戦い」ということになっているわけですが、それに構わず姑息な手段を使っても倒そうとするバロックワークス社とそうはさせじと戦うルフィたちの戦いが見ものです。


自分の名誉とは何か?誇りとは何か?どうあろうとするべきか?そんなことを考えてみるのもいいかもしれませんね。