One piece (巻13) (ジャンプ・コミックス)/集英社
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昨日はお休みさせていただいた『One Piece』の感想の続きです。


前回は115話までの感想を書きましたので、今回は116話。グランドライン2つ目の島、リトルガーデンに上陸したルフィとビビ、サンジとゾロ、ナミとウソップの3グループのお話です。


ナミとウソップは船で待機するはずだったのですが、突如現れた巨人のブロギーに「酒はあるか?」と尋ねられます。この巨人のでかさたるや、恐竜が子犬のようです。あっという間に恐竜の首を落とすと、「もてなすぞ!客人」と言って二人は連れて行かれてしまいます。


一方ルフィはブロントザウルスでしょうか、巨大な草食恐竜の頭に乗って遊んでいると、足を滑らせて食べられてしまいます。そこに現れた巨人のドリーが恐竜の首をちょん切って救い出してくれたのです。やはり彼もルフィを自分の家に招待したのでした。


ナミたちはブロギーの家で人骨が山のように積まれていたりするのを見て生きた心地がしませんが、「ログはどのくらいで溜まるのですか」と聞くと「一年だ!」という答えでひっくり返ってしまいます。


一方ルフィはあっという間にドリーと打ち解けてしまい、海賊弁当を食べさせたり恐竜の肉を食べたりしています。そして巨人族の村・エルバフの掟について話し、争いを起こしたドリーとブロギーは100年の間、この島で戦っているのだと話します。「そんなに長く続く恨みなんて…」というビビに、ルフィは、「やめろ、そんなのじゃねえ」と言います。


そう、彼ら二人は「誇りのために」戦い続けていたのです。ルフィはその人間の(巨人の?)「でかさ」に「まいった」と言います。


一方反対側でそれを見ていたウソップも、「これが本当の男の戦いだ」と感心しています。これこそ「本物の戦士たちの決闘だ」と。


巨人たちの戦いは引き分けに終わりますが、ナミたちが巨人に与えた酒をもらったドリーは、胃袋の中で酒が爆発してしまいます。それがルフィたちのせいだと疑ったドリーは、ルフィたちを殺そうとするのですが、ルフィはドリーを「黙らせる」というのでした。


この巻の終わりは、「誇り高き巨人たちの戦い」の話になりました。何のためでもなく、誇りの為だけに戦い続ける二人。その至高の意志に、ルフィとウソップの「本物の海賊志望」の二人は感動し、ビビとナミは「そんなものかねえ?」という顔をしています。


誇りのために、名誉のために戦う、というのは『One Piece』のテーマの一つだと思います。ルフィが賞金首になって喜んでいるのも、結局は自分の価値がそれほどのものだと評価されたことを喜んでいるわけですね。確かに西部劇を見ていると、あの時代のお尋ね者は賞金額でそのアウトローの強さが図られたような感じがありました。


私は「名誉をかけた戦い」のようなものはあまり理解できない方で、むしろ『進撃の巨人』のような「生き残るための戦い」の方が理解できる方なのですが、『One Piece』のこの部分を読んで、改めて「誇り」や「名誉」というものについて考えさせられました。


みなさんはそれについてどんな風にとらえておられるのかな?と思います。『One Piece』が人気があるのは、たぶんそんなところもあるのだと思いますが、どうなんでしょうね。