One piece (巻13) (ジャンプ・コミックス)/集英社

¥421
Amazon.co.jp

尾田栄一郎さんの『One Piece』13巻を読みました!(その1)

『One Piece』、やはり面白いです。12巻までの『東の海』編で感想は一区切りつけようかと思っていたのですが、割と切れ目なく次のストーリーに入って行ったということもあり、続けてみることにしました。『スターターブック』に載っている部分は先の方まで目を通したのですが、先に進んで新たなストーリーが始まると、また今までになかった世界が広がって行く感じで、尾田さんの世界の展開力はすごいものがあるのだなあと遅ればせながら舌を巻いてしまいます。

もちろんそうでなければシリーズ全体で何億冊も売れると言うお化けヒットにはならないのでしょうけれども、割とシンプルな「男の子の夢」のようなものをこれだけ形にして行くのはすごいなあと思います。

13巻ではルフィたちを歓迎しているかのように見せかけて根こそぎ奪おうとしていた海賊相手の賞金稼ぎ会社・バロックワークス(以下BW)の100人の賞金稼ぎを、ゾロが一人でやっつけてしまうところから始まっています。最後に残ったMr.8(イガラッパ)・Mr.9、ミス・ウェンズデーの3人もやっつけられたところにBW社のもっと上位のMr.5、ミス・バレンタインが現れます。そしてMr.8とミス・ウェンズデーが実はアラバスタ王国の護衛隊長イガラムと王女ネフェルタリ・ビビであることが明らかにされるのです。

ここで物語は急展開します。ウィスキーピ—クの人たちは妙に弱かったのでここでどういう展開になるのかと思っていましたが、全く思いがけない人物が大きなキーになる人物だったわけです。ビビはBW社が狙っているアラバスタ王国の王女としてBW社に潜入し、社長の正体をつかんでいたのです。Mr.5たちはそのことを知って、彼女たちを抹殺しにきたのでした。

Mr.5たちは二人とも「悪魔の実」の能力者。イガラムはあっという間にやられ、ビビは何とか逃走しますが、ゾロに「王女を守ってくれ」と頼みます。今まで戦ってた相手に急に懇願されてゾロは「知るかよ!」と言いますが、「莫大な恩賞をあなた方に」というイガラムのことばに、そこに現れたナミが「その話乗った!10億ベリーでいかが?」というのでした。

クジラのラブーのくだりから出てきたチンケそうな悪者・ミスウェンズデーが実は王女だった、というのは驚きですが、こういう展開もやはり歌舞伎だなあと思います。「義経千本桜」の寿司屋の手代が実は平維盛だった、という展開に似ているなあと思いました。

以前出てきた「王下七武海」という王の下の海賊たち、というのは実際に16世紀イギリスに居たキャプテンドレークらエリザベス1世の認可を受けた私掠船の船長たちがモデルと言う話がありましたが、秘密犯罪会社バロックワークスにも何かモデルがあるのでしょうか。かなり大きな組織である感じがしますので、何かあるのかもしれないなと思うのですが。

なんにせよ、「One Piece」の物語の構成力はすごいなと、改めて思うのでした。