One piece (巻11) (ジャンプ・コミックス)/集英社
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尾田栄一郎さんの『One Piece』第11巻(後半)を読みました!ルフィが賞金首に「出世」しました!


アーロンパークを離れ、ゴーイングメリー号でグランドラインを目指すルフィたち。ゾロ、ウソップのほかにサンジが加わり、ナミが復帰して新たな日常が始まる中、新しい事態が。アーロンパークでコテンパンにやっつけた海軍大佐ネズミが本部に申請して、ルフィは懸賞金3000万ベリーの大物海賊になったのです。


ルフィやウソップ・サンジは大喜びですが、ナミは心配顔。そうこうしていると海の向こうに見えてきた町は海賊王ゴールド・ロジャーが生まれ、そして処刑された町『ローグタウン』でした。


上陸してみるととても大きな町で、ルフィは海賊王の遺蹟をしのぶため死刑台へ、そしてほかのメンバーは買い出しに出かけます。


一方ルフィの懸賞金の知らせは関係のある人たちにも波紋を呼びます。世界一の剣豪鷹の目のミホークはとある島にいる「赤髪のシャンクス」を訪ね、それを知らせます。シャンクスはルフィの恩人で、ルフィの「出世」を喜びます。またルフィの生まれたフーシャ村では「ルフィめやるな」と評判ですが、「心配?」と問う酒場の女主人・マキノに村長は不機嫌な顔をして「夢か、運命(さだめ)か」とつぶやくのでした。


このあたりはあとの伏線になっているようですが、ルフィが海賊王を目指したのは「シャンクスに憧れた」だけが理由ではないようなのですね。運命、というと血筋の問題が絡んでくるのか、そのことは今の時点では分かりません。


ローグタウンでナミは大好きなブティックをはしごして豪華な衣装を見たりしますが、結局は動きやすい服を大量に買います。またサンジとウソップは食料の買い出しに出かけ、巨大な魚を買ったり卵が安いなと言ったりしています。


一方ゾロは刀を買いに出かけますが、ひょんなことで幼いころの憧れの女剣士で死んでしまったくいなとそっくりな女剣士を見かけます。刀剣店に入ると、店主にゾロの持っている刀を欲しがられ、またこの女剣士がいきなり目利きをしてその刀が「世界一の剣」である大業物21工の一本だと言い出します。


そしてゾロに勧めたのは三代鬼徹という刀でした。しかしこれは妖刀で、持ち主を非業の死に導くというのです。しかしゾロは刀を放り投げ、自分に刺さるかどうかで自分の運と刀の呪いのどちらが強いか試す、と言ってみごと無事に切り抜けます。それを見た店主は奥から「雪走」という家宝を持ち出し、この二本をただでもらってくれ、と差し出すのでした。


一方ルフィは広場の死刑台に上って絶景かな絶景かなと石川五右衛門のようなことをしていたのですが、そこに現れたのがルフィが最初にやっつけた女海賊・アルビダでした。(海軍に憧れるひ弱な少年・コビーを救い出した下りです))アルビダは「スベスベの実」という悪魔の実を食べて、決して傷つかない美肌を持った美女に生まれ変わったのでした。さらにはからだ中バラバラになっても戦える「バラバラの実」を食べた海賊・バギーも現れ、バギーはルフィを死刑台に押さえつけ、いつでも首を落とせるようにしたのでした。


その騒ぎを聞いて、海軍は大佐スモーカーが出動します。そして先ほどの女剣士・たしぎも海軍の曹長として現れます。ゾロやサンジたちも広場に集まり、ルフィが死刑台につかまっているのを見て驚きます。


嵐が近づいているのを知ったナミはウソップと船に戻ります。最後に一言いうことがあるかとバギーに言われたルフィは、大群衆に向かって「オレは海賊王になる男だ!」と叫びます。死刑台を破壊しようととびかかるサンジとゾロですが、ルフィはバギーの刀の下で、ゾロとサンジに「わりい。俺死んだ」と笑ったのでした。


しかしいきなり雷が処刑台のバギーの刀に墜ちて、ルフィは助かります。海軍大佐スモーカーは、今まで処刑の瞬間に笑ったのは海賊王「ゴールド・ロジャー」だけだと驚くのでした。


この部分はインターミッション的な、本格的な戦闘のない展開でしたが、この後のグランドラインに入ってからの物語の展開に関わってくる人々が出てきた、伏線張りのような部分だと言えると思います。


大事なのは、何度も何度もゴールド・ロジャーとルフィが重ねられていること。村長の言葉も、この時点ではゴールド・ロジャーとルフィの関係を暗示していると言っていいでしょう。


見どころは、ゾロが妖刀の呪いと自らの運の強さと勝負するところ、そしてルフィが死ぬ(はずだった)瞬間に満面の笑みを浮かべるところ、ということでしょうね。


もうすぐ東の海を出て、グランドラインに向かう。その前祝をするような、華やかな『ローグタウン』の街の描写が印象的でした!