TVアニメーション 進撃の巨人 原画集 第4巻 #12~#18・OP2収録 (ぽにきゃんBOOKS)/ポニーキャニオン
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『TVアニメーション 進撃の巨人 原画集』第4巻を読みました!


『原画集』第4巻は放送回で言うと12話から18話まで6話分と、後期オープニングが収められています。


12話は「超大型巨人」に破られたトロスト区の正門を巨大な岩を運んでふさぐ、というミッションを与えられたエレンですが、巨人化はしたものの理性を失った状態で、ミカサに殴りかかり、頬に深い傷をつけてしまいます。そのあと暴走して気を失った状態になり、それを知ったアルミンが駆けつけるまでに、エレンを支援する班の班長イアンの決断で、とにかくエレンを守っているところにアルミンが駆けつけ、うなじの奥で眠っているエレンに「エレンはなぜ壁の向こうに行きたいと思ったの?」と尋ねると、エレンが「それは俺がこの世に生まれたからだ!」と叫んで覚醒する、という話でした。12話で収録されているのはこのエレン覚醒の場面だけで、呼び掛けるアルミンの絵とかも見たかったなと思いました。


13話はアニメオリジナルが加えられていますが、基本的にはエレンが使命を思い出して大岩を運び、他の人たちがエレンを守るために近寄る巨人たちを討伐したり喰われたりするのですが、ジャンたちはオリジナルで活躍する場面があります。このジャンの立体機動の場面が収録されています。そして岩を運ぶエレン巨人と、それを守るミカサやリコ。エレンの足取りの重々しさとかが収録されていて、重々しさがよく表現されていました。特にミカサがエレンが岩を運んでいるのを見てぱっと顔が明るくなる、この場面はらしいなと思いましたし、またエレンが穴をふさいだ瞬間のアルミンとミカサのアップ、特に斜めに刀を掲げたままでエレンを見守る場面。これは原作のときからすごく好きでしたが、構図がそのままでアニメでも収録されていて、この原画集にも収められていてよかったと思いました。


そしてリヴァイ初登場、顔のえぐれたマルコの遺体、目を見開いて「ごめんなさい」というアニ、といった表情が収められた後、地下牢に閉じ込められたエレンにエルヴィンとリヴァイが面会に来て、狂気じみた顔でエレンが「とにかく巨人をぶっ殺したいです」という顔が収録されていてエレンのある種の本質がよく現れていると思いました。


あと主だった場面に言及すると、14話の審判の場でリヴァイがエレンを散々痛めつける場面が9ページにわたって収録されています。15話はリヴァイ班の面々と、三角巾をして窓をバタンと外に開ける場面。これはニコ動のMADでもよく取り上げられていました。16話ではジャンの決意の場面と壁外調査の号令をかけるエルヴィンの怒髪天を突くようなものすごい顔も収録されていました。


17話の女型戦がこの4集のメインディッシュという感じですね。17話は44ページにわたって収録され、サシャが奇行種に襲われ、信号断を打とうと焦ってお手玉してしまって結局落とす場面とか、アルミンの顔をのぞいて走り去る女型のあたりの場面がいちいちいいなあと思います。


18話はクリスタの登場とライナーの「結婚したい」のくだりと女型に迫られるエレンの顔、というところで終わりでした。


後期OPもどうやったらああいうふうに見えるのか、ということもかなり細かくコマ送りがよくわかるように解説してあって面白かったです。原画集というのはもともとアニメーター志望の人が見て参考にするためのものなのかなと思いますが、特にそういう志望でない私のようなものが見てもこういう絵を描いてこういう画面になるのか、ということは面白いなと思います。


私は最初見方がよくわからなくて1巻はちょっと損した気持ちになりましたが、だんだんわかってくると面白いなと思います。


また最初は1巻に2話収録で全部買うのは大変だなあと思っていたのですが、後半になってくると7話一度にまとめてあるので、おそらくは5巻で完結になるのだと思います。


アニメ制作過程に思いをはせることができる、魅力的な資料だと思いました!