One piece (巻10) (ジャンプ・コミックス)/集英社
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ナミの暮らしていたココヤシ村を支配する魚人海賊・アーロンの本拠地、アーロンパークに殴り込みをかけたルフィたち(ゾロ、サンジ、ウソップ)。ルフィは門をけ破り、アーロンをいきなり殴りつけ、「ウチの航海士(ナミ)を泣かすなよ」と言います。


しかし魚人たちは、アーロンが戦うまでもない、グランドラインの怪物・海牛モーム(体長数十メートル)がやっつける、とモームを呼び出します。しかし実はモームはすでにルフィたちにコテンパンにされていたのでした。しかしアーロンに脅されたモームはルフィたちにとびかかっていきますが、ルフィは足を床の下に食い込ませてモームをつかむと「ゴムゴムの風車」で振り回し、あたり一面を更地にしてしまいます。


アーロンが暴れたら危険だ、と魚人の幹部たちがルフィたちに向かいます。タコハチが巨大な壁をハチの吹いた墨で目が見えないルフィにぶつけようとしますが、サンジが一蹴りで粉々にします。「まいったねどーも。俺はとんでもないアホの船長(キャプテン)について来ちまったらしい。」というサンジに、「同感だ」と答えるゾロ。「だがレディーを傷つけるようなクソな一味より百倍いいか…!!!」とサンジ。私は、どうってことないかもしれませんが、ここのやり取りとこの場面がすごく好きです。


足が抜けないルフィは床ごとアーロンに持ち上げられ、海に投げ込まれてしまいますが、ゾロはタコハチと戦い、ウソップがチュウと戦い、サンジがクロオビと戦っていて助けに行けません。ルフィはただでさえ泳げないのに足に石がくっついて取れないのでどうにもなりなかったのですが、助けに行ったノジコとゲンさんは、ルフィの首を伸ばして水上に引っ張り上げ、胸を押して水を吐き出させようとします。


サンジはクロオビと戦いますが、「エラに空気を吹き込んだら魚は死ぬ」とコックらしいことを思い出し、クロオビのエラに空気を吹き込んで窮地を脱します。そしてサンジがクロオビに次々に蹴りを入れていくときに、「肩肉(エポール)!背肉(コートレット)!胸肉(ポワトリーヌ)!もも肉(ジゴー)!ムートンショット!」と叫んでぶっ飛ばし、最後に「デザートは…いらねえか」とつぶやくところも大好きです。


書いていて分かってきましたが、私はどうもサンジというキャラが好きらしいなと思いました。クソクソ言っててなんだこいつと思ってたのですが。(笑)


ウソップもついにチュウに酒をぶっかけて火炎パチンコでやっつけ、ナミも立ち上がってアーロンパークに戻ります。サンジがアーロンにやられかけたとき、ナミが現れて「あんたを殺しに来た」とアーロンに言いますが、アーロンは「お前は俺から逃げられねえ。永久にうちの測量士でいてもらう」と言い、ナミはゾッとします。「お前が俺のもとに戻るならココヤシ村の奴らは許してもいい」とアーロンは言い、ナミは選択を迫られます。


しかしナミは、ルフィの言葉を疑っちゃいけない、と決意し、ココヤシ村の人々に「ごめんみんな!私と一緒に死んで!」と言います。


そこにルフィが息を吹き返した声がし、サンジは海に飛び込んでルフィの足を固めている意志を蹴り割りに行きます。そしてゾロがアーロンに立ち向かい、時間を稼ぎます。ルフィは復活し、上空で「戻ったーーーッッ!」と叫びます。アーロンにつかまっているゾロをつかむと投げ飛ばし、次々にアーロンに攻撃を加えますが、アーロンは答えません。しかしもとよりルフィも本の準備体操のつもりなのでした。


「魚人は、石をも噛み砕く顎を持っている。それができない人間は下等だ」というアーロンに、ルフィは「別に噛み砕かなくても石は割れるぞ。」と言います。「オレは剣術を使えない。航海術も持ってない。料理も作れないしウソもつけない。俺は助けてもらわねえと生きていけねえ自信がある!」とルフィは大声で言います。「てめえに一体何ができる!」と嘲笑うアーロンに、ルフィは「お前に勝てる!」と大見得を切るのでした。


この巻の戦闘は、ルフィがゴム人間であるという特性をいろいろな形で活かしているし、またサンジやゾロ、ウソップとの連係プレーも面白く、またナミの啖呵やサンジのお洒落な蹴りの爆発もあって、よく読んでみるとすごく面白い巻だなと思いました。面倒くさい設定の話がすでに前の巻で済んでいるので、すらすら読める。こういう巻はこういう巻で楽しいな、と思ったのでした。