One piece (巻9) (ジャンプ・コミックス)/集英社

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尾田栄一郎さんの『One Piece』を読んでます。9巻途中までの感想です。

昨日は第8巻68話のクリーク海賊団と海上レストランとの戦いとサンジの旅立ちまでの感想とあらすじを書きました。

続いて魚人海賊アーロンと、実はその幹部だったナミの、ココヤシ村での生い立ちの話、そしてアーロンとルフィたちの戦いが、第11巻95話まで続きます。(私は『東の海編』の最後、つまり12巻まで読み終わってます)

第69話ではこれから先のストーリーの展望と、この世界がどうなっているかということが、ヨサクの口から語られます。ルフィはグランドラインを楽園と呼ぶヤツもいるということを、またサンジはオールブルーを夢見ているので、その恐ろしさなど何とも思っていないのです。

ヨサクの説明するところによると、グランドラインには君臨する三大勢力があり、その一つが「王下七武海」と呼ばれるもので、世界政府公認の海賊たちなのだそうです。そしてゾロが手も足も出なかった『鷹の目のミホーク』がその一人なのだと。ルフィは「あんなにすげーのが7人もいるのかよ!」と大興奮です。

そしてその七武海の一人・魚人海賊団のジンベエがイーストブルーに解き放ったのが魚人海賊アーロンで、ナミはその支配拠点・アーロンパークへ向かったというのでした。

アーロンパークにやってくると、海軍大佐のネズミがアーロンのところに来ています。ネズミはアーロンと結託して彼らの所業を見逃し、賄賂を受け取っているのでした。そこにナミが帰ってきます。ナミはアーロン海賊団の幹部だったのです。

ナミを追いかけてきたゾロとウソップとジョニーですが、いろいろあってゾロは直接アーロンパークへ、ウソップはナミの育ったココヤシ村へ行くことになります。そこでウソップはナミの義理の姉・ノジコに会い、ナミが生まれ育った村を捨ててアーロン海賊団の幹部になったということを知ります。

一方ゾロはアーロンパークでアーロンを挑発しますが、そこにナミが現れ、ゾロもナミがアーロンの手下だということを知ります。ナミはゾロを痛めつけますが、アーロンのいない隙をみてゾロを自由にします。

ナミはココヤシ村に帰り、ノジコと話をする中で、ナミの本当の目的が1億ベリー稼いでアーロンからココヤシ村の自由を買うことだということがわかります。一方自由になったゾロはアーロンのいない間に魚人たちをやっつけてしまいますが、ウソップをとりあえず助けようとタコハチのたこつぼに乗せてもらってココヤシ村に向かいます。

一方ルフィたちは突然現れた巨大な「海牛モーム」をやっつけて、それに曵かれてアーロンパークに向かいます。またウソップがすでにアーロンパークに連れて行かれたことを知ったゾロも急いでアーロンパークに戻り、ようやくウソップ以外の全員がここに揃ったのですが、すでにウソップはナミに『殺されて』いたのです。

いろいろな敵、いろいろな戦いがすでにここまで出てきていますが、この魚人集団は『種族差別集団』という設定になっています。つまり至高の存在が魚人であり、人類は過当な存在に過ぎない、と主張するアーロンが、その通り人間の住む村や町を苦しめて行き、また人間の中にも彼らと結託して美味い汁を吸おうとする奴らがいる、という設定なのですね。そしてナミは心ならずも、自分の住む村を救うためにアーロンのために働いている。村を救えるまでは自由になれない。そういう構造になっているわけです。

やはり読んでいていい感じがする戦いと嫌な感じがする戦いがあるわけですが、ここまで読んできてあとになればなるほど『嫌な感じ』が強くなっている感じはします。すでにキャプテンクロ=執事クラハドールとの戦いのときにかなり嫌な感じが出てきていましたが、でもあの話はウソップの旅立ちによって救いがあった。クリークとの戦いは恩義を重んじる二人の男、サンジとギンの存在が話をさわやかにしていた面があります。

このアーロンとの戦いでは、自分を犠牲にして村を救うために心を鬼にして悪に加勢するナミ、という存在が語られるわけで、やはりそれはかなり辛いものがあるし、なんというかすっきりしきれないものがあります。こういうストーリーになるのは、ナミが女性だということもあるのでしょうね。

この先、ナミとルフィの絆がどんなもので、どんな風に回復して行くのか、その辺りをみて行きたいなと思います。今回は一応(かなり飛ばしてますが)9巻の75話までの感想とあらすじ、ということにしたいと思います。