One piece (巻7) (ジャンプ・コミックス)/集英社

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尾田栄一郎さんの『One Piece』第7巻を読みました!

おはようございます。『個人的な感想です。』略して「こじかん」です。

毎日書いている『One Piece』の感想ですが、第7巻まで来ました。『東の海最強』と豪語する「クリーク海賊団」と「海上レストラン」とルフィ(そのとき雑用係になっていた)との戦いが続いています。

まず前半「鉄壁のパール」という男が出てきて鉄壁の盾をふるって戦いますが、副料理長サンジの足技で撃退して行きます。しかしパールはジャングルの出身で、相手が危険だと判断すると火を燃やすと言う癖を持っていて、海上レストランが燃えてしまいそうになりますが、サンジ・ルフィ・料理長のゼフの技で防ぎます。

しかし、クリークの副隊長でサンジに「一食の恩義」とでもいうべきものを感じているギンは、サンジを殺したくないからおとなしく船を明け渡せとゼフに銃口を突きつけます。船は渡せないというサンジは、サンジがなぜゼフの船に乗っているのか、と言う昔話を始めるのでした。

サンジが子どもの頃、「オール・ブルー」という世界の海の魚が集まっている海がある、と言う話を聞いて、そこにいくことに憧れ、客船のコック見習いをしていたのです。その船でサンジはさっさと残飯を処理していましたが、コックたちはそれも大事に食べていました。しかしその船がゼフ率いる海賊に襲われます。ちょうどやってきた嵐の中、船の宝物はすべて奪われますが、食糧は残せというゼフ。そこにサンジが飛びかかりますが一蹴されます。オールブルーにいくまで死ぬもんかという言葉を耳に留めたゼフは、ナミに攫われたサンジを助けるため、海に飛び込みます。

無人島に流れ着いた二人。ゼフは、5日分の食糧をサンジに与え、大事に食えと言います。岩山の海の向こうを見張り、助けを求めろと。しかし何十日経っても船は来ません。70日目にゼフを襲って食糧を取ろうとしたサンジは、ゼフの袋の中に入っているのは宝だけで、食糧はいっさいなかったということを知ります。ゼフは自分の足を断ち切り、それを食べていたのです。なぜそんなことをしてくれるんだと問うサンジに、ゼフは「同じ夢を持っていたからだ」と言います。そしてサンジは、絶対にゼフを助け、ゼフが語る海上レストランの夢を、自分が手伝って実現させようと決意したのです。

「レストランは渡さねえ。クソジジイも殺させねえ。俺だって死ぬくれえのことしねえと、恩返しできないんだよ!」とサンジは叫びます。

戦い続けるサンジに、ルフィはいきなり戦場になっていた船の「ヒレ」を叩き割ります。船を沈めるというのです。「船をぶっ壊せばあいつらの目的はなくなるじゃん。お前は店のために死ぬのかよ。馬鹿じゃねえのか。死ぬことは恩返しじゃねえぞ!生かしてもらって死ぬなんて、弱えやつのやることだ!」

二人に襲いかかるパール。しかしギンは銃を手放してゼフを解放し、パールの盾を叩き割ります。ギンはクリークに、「(恩人のサンジは)自分の手で葬らせてください」というのでした。

ここで59話までです。

やはりこの巻の山は、サンジの思いの源泉、ゼフの自己犠牲によって自分が救われたことでしょう。その自己犠牲に答えるため、恩を返すため、サンジはケンカしながら仲良くゼフを助けて働いてきたのです。そしていざとなったら自分を犠牲にしてゼフの夢を守るのだと。しかしルフィは、サンジのその覚悟を否定します。恩返しは死ぬことじゃねえんだよ、と。ルフィがサンジを仲間に率いれる、その最大のキーポイントはこの二人の「恩返し」をめぐる考え方の戦いの決着にある、と言ってもいいでしょう。

ギンも一食の恩義をサンジに感じ、また海賊団の幹部としてクリークにも恩義を感じています。ギンとサンジと言う自分の受けた恩に敏感な男たちが、この巻の中心にいると言っていいと思います。

そしてそれを超えて行くことを促す、ルフィとゼフ。この行方をどう決着を付けるのか、楽しみです。(っていうかもう本当は先を読んでいるんですが。いい決着でした)

というところまでで、今回は終わりにしておきたいと思います。

蛇足ですが、主な戦い手、すなわちサンジ・ルフィ・ゼフ・クリーク・パール・ギン(主な戦闘主体だけでもいっぱいいるな)が戦っているときに、周りのモブの海賊や船員たちが、いちいち感想を言ったり解説をしたり秘密を語ったりする感じがこういうマンガの一つの特徴だなと思いました。でもこれだけ堂々とやるとそれも作風だなと思うし、「進撃の巨人」のように「現在公開可能な情報」みたいな形で別口で公開する方法もあるし、こういうスタイルについてもちょっと考察してみたいなと思ったのでした。