honto.jpで『進撃の巨人』作者諫山創さん、編集者川窪慎太郎さんのインタビュー を読みました!


諫山さんのインタビューはいつも面白いのですが、今回のインタビューで初めて語られたのは、中心三人組のキャラクター設定とミカサのモデルです。


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「巨人を中心とした世界観を売りに勝負したいと思っていたので、ストーリーを先に考え、それから登場人物を作っていきました。読者にとって憧れるキャラクターと、少し弱くて自己投影しやすいキャラクター、まずその2人は必要だなと思ったんですね。あとはヒロイン。男2人、女1人という「旧ドリカム」状態の3人組の設定があり、そこにキャストをはめていったという感じです。」


先ずストーリーありき。物語が先にあって、中心キャラクターをつくるときに、「旧ドリカム」パターンでエレン、アルミン、ミカサの三人の設定をしたわけですね。エレンが「読者が憧れるキャラクター」なのか、アルミンが「少し弱くて自己投影しやすいキャラクター」なのか、というともうすでにそういう設定からはかなり離れて存在が独り歩きしているとは思いますが、最初はそういう設定だったんだなあ、と思います。オーソドックスな設定だと思います。


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「ミカサは、当時僕がバイトをしていた店で「これだ!」というお客さまに出会いました。マフラーをしていらしたので冬だったと思うのですが、ああいう顔というか、記号的なルックスの女の子だったんですよ。シルエットだけでわかるような、キャッチーなキャラクターを(主人公のひとりに)考えていたので、すぐに手近にあった紙にメモをしました。作品の世界観は「ヨーロッパファンタジー」的でしたが、「この女の子は西洋人には見えないな。でも、1人東洋人でもいいかな」と、そこからまた設定が広がりました。」


ミカサはマフラーをしていて、そういう記号的なルックスを持っている。確かに、「進撃の巨人」でマフラーと言えばミカサです。シルエットでもわかりますね。西洋人でなく東洋人、という設定もその時すでに生まれていた、というのもなんだかおもしろいです。


巨人に関しては、このインタビューでは『地獄先生ぬ~べ~』の「人喰いモナリザ」を上げていますが、以前のインタビューではやはりバイトをしていた時の酔っぱらいの客たちの「話が通じない恐ろしさ」みたいなことを答えていらして、諫山さんにとってこのバイト体験は物語作りにすごく生かされているんだなあと思いました。


お勧めの作品として挙げていた弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』を上げていたので、機会があれば読んでみようかなと思います。


川窪さんのインタビューではヒットの理由として、1.面白いこと。2.キャッチ―な設定で拡散させやすいこと。3.実は骨太で分かりやすい王道のマンガであること、を上げていて、まあそうなんだろうなと思います。王道であるからこそ、深く読み込むこともできるし、ストーリーについてネット上で議論したりして、ますます面白さが浮き彫りになっていく。


改めて『進撃の巨人』は魅力的な作品なんだなと思いました!