進撃の巨人 悔いなき選択(1)特装版 (KCデラックス)/講談社

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『進撃の巨人』スピンオフ、『リヴァイ外伝 悔いなき選択』第1巻を読みました!

『進撃の巨人』に出てくるキャラクターの中でも人気の高いリヴァイ兵長を主人公にしたスピンオフです。時代はシガンシナ区陥落直前。「王都の地下都市でごろつきとして有名だったリヴァイが、エルヴィンに下る形で調査兵団に入った」という、単行本5巻でペトラがエレンに語っている内容を、物語化したもので、その概要は既にBD6巻の特典ビジュアルノベルで語られているものです。

通常版と特装版が出ていて、私は特装版を買ったのですが、ARiAに予告編的に掲載されたプロローグとキャラクタースケッチがおさめられたブックレットがつき、BDと同じように特性のプラスチック・スリーブケースに収められていて上質感があります。

作者の諫山さん自身が「こちらのリヴァイはすげえきれいです」という通り、きれいな描線で描かれたキャラクターと巨人たち。こちらの巨人のコンセプトは原作と同じ、「何を考えているか理解できない怖さ」を持った巨人で、描線がきれいな分だけ巨人の迫力が少なくなってしまうところが少し残念ではあります。

アニメでもそうですしスピンオフ作品をいくつか読んでいても思いますが、表現と描線とストーリーとテーマと設定と、そういうものはすべて一体のものなんだなあと思います。

ただ、この作品を読んでいて凄く感じるのは、原作へのリスペクトです。どうしたら自分の線で、しかしたとえばリヴァイ特有の「目力」が表現できるのか。なんと言うか、変な言い方ですが「生き写し」という感じで、絵に魂が宿っている感じがします。

前にも連載の感想として書いたことがあるかと思いますが、私が一番好きな場面は、リヴァイたちが初めて壁外遠征に出かけて茫漠とした大地の上の青空を見上げるところです。「悪くない」とリヴァイがつぶやくところ。それは本編13巻53話で「壁外で初めて自由を知った」と言っていることにつながります。

リヴァイというのは、自由のために黙々と義務をこなす、56話の表現でいえば「不器用でお人好し」なひとなのだなと思うのですが、この『悔いなき選択』は、そんなリヴァイがリヴァイになるまで、というストーリーだなと思います。

ビジュアルノベルのストーリーで終了なら、もともとそんなに長い話ではないのですが、最後まで追いかけて行きたいと思います!