田島列島さんの『子供はわかってあげない』第5話がモーニング18号に掲載されました。

展開としては門司くんのお兄さん(明ちゃん・探偵として朔田さんのお父さんを探索中)→書道部(門司くん)→お兄さん→水泳部(朔田さん)→書道部→お兄さんという展開。お兄さんの探索を背景に、書道部門司くんと水泳部朔田さんの探索準備が始まりました。

お兄さんが幸運を呼び込むために『笑う門には』とつぶやくと、門司くんが『デスメタル!』と受けたり水泳部宮島さんが『服を着ろ!』と受けたりする小ネタの展開がいいなあと思うのですが、一番好きだったのはお父さんの探索のために水泳部の合宿を利用して、家には合宿に行くといって探索に行く、というプランを立てて部長になった宮島さん(本当は朔田さんが部長になるべきだったのですが、あまりにタルンドルと見られて外されました)にその協力を頼みます。

「おじいちゃんの三回忌とか、いとこの結婚式とか」と宮島さんが理由を考えると、朔田さんは「えーと、おじいちゃんの結婚式!」と混ぜてしまいます。「やはり緊急性が必要だ」というと「こないだ結婚したおじいちゃんが危篤で…」「結婚部分はいるか!?」「犯人は遺産狙いの妻だな…と見せかけて実は…」「火サスか!」

この話の転がりっぷりは、本当に自分の高校生や大学生の時代を(まあなかなかそんなに上手くは転がりませんが)思い出して可笑しかったです。

田島さんの魅力はこういう言葉の使い方がいいということもありますが、絵の魅力も大きいですね。キャラクターは割とシンプルで下膨れの線、目を基本的に一本線か○だけで表し、黒目やもちろんハイライトはありません。

で、背景の描写が自然描写もシンプルで、でもバランスよい密度で描き込んでいて、学校や交番の建物も定規でなくフリーハンドで描いていて、絵柄の感じがすごく好きです。

黒っぽい絵(劇画)か白っぽい絵(イラスト調)かというと白っぽい絵ですが、なんというか白黒の濃淡の使い方がすごく上手いなと思います。

話が展開して行くにつれてシリアスな場面が多くなってきて入るのですが、重さをあまり感じさせませんし、ギャグとシリアスと風景のバランスがすごくいいなあと思います。

そうですね、印象としては絵のバランスがいいんだけどキャラクターや設定や言葉感は突っ走ってる、とでもいえばいいのでしょうか。全体を、このバランスの取れた絵が支えているんだなと思います。

来週も、楽しみにしています!