10歳からの家族計画 1 (芳文社コミックス)/芳文社

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『週刊漫画Times』4月11日号に、陸乃家鴨さんの『10歳からの家族計画』第31話が掲載されました。

このストーリーは新米刑事の尾津浩人が抱えているよくわからない問題、奇妙な恋愛観はどこから来ているのかということと、スーパー小学生・三宅虹太の本当の母親は誰か、という問題を探って行くということになっているわけですが、虹太の三人の姉たちの誰かが本当の母親だということで、一番上の姉・紫(ゆかり)がいないすきに虹太と美樹が紫の部屋に手がかりを探しにきました。

その最中に二人は紫の高3の卒業アルバムを見つけ、手がかりになりそうだと興奮しますが、そこに2番目の姉・葵が帰ってきます。

一方浩人と互いに告白し合った3番目の姉・高校生の翠が一緒に帰ってきますが、浩人と恋愛関係になれて喜んでいる翠の心の中に変化が起こってきます。

帰ってきた二人の様子を見、美樹から浩人と翠のことを聞いた葵は、「最悪。よりによって翠と浩人とはね。最悪の相性だわ」と思います。

そしてその変化の末に、翠は「私に恋をしないで。じゃないと私、私も尾津くんも壊しちゃうから」というのです。

翠は強烈なブラコン、虹太のことを溺愛していたのですが、とても家庭的な好みで、そこが浩人と合致して魅かれて行くようになったのでした。この子もはじめの頃はエキセントリックな子だなと思っていたのですが、浩人に恋するようになってからは何となく好ましい感じでみていたのですけれども、ここに来て実はそれは時限爆弾だったんだなということに気がつきました。

次回掲載は5月23日発売号、アオリには「次回より最終章突入!」とありますので、ついに爆発した翠の時限爆弾とともに、浩人と虹太の問題の核心も明らかにされて行くのだと思います。

このに話はなんというか、一見普通そうに見える人ほど、大きな問題を抱えている、というテーゼがあるように感じます。

そして多分、本当はそれはよくあることなんだろうな、と思います。一見変わっている、自分の道を進んでいる人は、割合シンプルなんですね。だけど、一見普通の生活を送り、普通そうに見えている人ほど、見えないところで何かを持っている。

このストーリーが興味深いのは、そういうところにあるのかな、と思いました。

次回掲載を楽しみにしたいと思います。