重版出来! 1 (ビッグコミックス)/小学館



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松田奈緒子さんの『重版出来』第1巻を読みました!




すごい!これは!この本はすごいです!




ここ数年、初めての作品と出会って、これだけ感動したことはありませんでした!




この第1巻には、第1話から第6話までが収められているのですが、先ず第1話で主人公の黒沢心という女性編集者の入社面接が行われるわけですが、もうここで完全につかまれました!




つかまれたのも当然、この女性編集者は体育大学の女子柔道部員、元代表選手だったのです。運を上げるために墓参りやゴミ拾いをするというエピソードも可笑しかったですが、筆記試験満点という実力も備えているのです。面接は柔道と同じだ、と相手が息を吐いたタイミングでがっと話し始めると相手ははっとする。マンガについての熱い思いを語っていると、そこに掃除夫の格好をした社長がモップを竹刀がわりに乱入して来て(何のマンガだこれは!?)、心はみなさん伏せて!と声をかけて社長を投げ飛ばしてしまいます。




当然不採用だと思い込んでいましたが、思いがけず採用の電話。そしてマンガ雑誌、「週刊バイブス」の編集部に採用になります。




第1話ラストで重版が決まった本を祝して、一本締めの場面。「重版出来、ありがとうございます!」ちなみにこの四文字は、「じゅうはんしゅったい」と読むのだそうです。




もうここまでで、これは面白い、と確信しました。




第2話ではベテラン漫画家が落ち込んで連載をやめると言い出したのを、その原因を心がつかんで復活を図るという話。ラストで編集の先輩、五百旗頭(いおきべ)がベテラン漫画家に「次からいろいろ相談するよ」と言われて感動する場面がよかったです。




第3話が凄い。いつもおつりがたくさんある自動販売機を心が見つけてそこに行くのを楽しみにしていたら、それは社長がわざとおつりを取らずにいたことが分かります。




その理由を心が聞くと、社長は自分の昔話を語ります。中卒でその後荒んだ生活をした中で浮浪者の老人に「自分はどうなりたいか考えて、運を使いこなせ」と言われたのをきっかけに一念発起し、東京で夜学に通い努力するうち、宮澤賢治の「雨ニモ負ケズ」に出会い、出版社に就職します。




奇跡的な運のツキ方を始めた彼は、自分がどこで勝ちたいかを考え、すべての運をヒット本に使いたい、と定めます。なぜそうしたのか。




「本が私を人間にしてくれたからです。」




このコマ(というか見開きヒトコマ)には完全にやられました!




長くなったので、続きは次のエントリに書きたいと思います!


何度も書きますが、ほんとに面白かったです!