聲の形(3) (少年マガジンコミックス)/講談社

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大今良時さんの『聲の形』第3巻を読みました!

このマンガは私にはとてもハードで、読むのにとても気合いが必要です。発売日(3/17)に買ったのに、読めたのがようやく今日(3/22)だから、5日間も読もうか読むまいか悶々としたことになります。(苦笑)

ハードだというのは、本当に1ページ1ページが自分の中に入ってきすぎるからなのですが、自分の心のどこにそれがこんなに響くのかわからなかったのですが、今日読んだときにわかったのは、主人公の将也が持っている『罪意識』と『贖罪意識』が入ってきてしまうのだ、ということでした。

主人公・石田将也は、小学6年生のとき、耳のきこえない転校生の少女、西宮硝子を子供の馬鹿な純粋さで徹底的にいじめてしまいます。そして硝子の転校をきっかけに、今度は将也自身が激しいいじめに遭い、将也は周りの人間をひとりひとり無視して行くうちに、ついに自分も生きていても仕方ないと思い詰め、アルバイトして得た金を母に残して自殺しようとしてしまうのです。

しかし、最後に一度だけ、西宮硝子にあって謝ろうと決意して、手話を覚え、会いに行ったのをきっかけに、将也の「生」がまた動き始めるわけですね。

2巻でついに硝子に謝りたいという意志を伝え、火曜日に橋のところに行くと硝子に会える、ということがわかります。また永束くんと言う友達も出来て、ストーリーは動き始め、硝子の妹の結弦と、その母親にも曲がりなりにも受け入れられたのだけど、この過程の中で将也は硝子に対し、過酷なまでの贖罪意識を持つことにもなって行くわけです。

誰もが、あのときこうしなかったらよかったのに、という後悔の気持ちと、それに対して償いたい、という思いに囚われることがあると思います。しかし多くの場合、もうそれは取り返しのつかないことなのですね。

そして、それに対して向き合うときには、贖罪意識を持つとともに、それに付随する様々なものとも向き合わなければならなくなってきます。

将也はもともと純粋な少年で、その純粋さ故の暴走で硝子を傷つけてしまったのだけど、その辛さを乗り切ろうとするときに、自分が納得できないすべての相手を無視することによって、それを乗り切ろうとしてきました。

それを象徴的に描いているのが、将也が見た相手の顔に大きな×がついていることです。相手を人間と認識したときに、その×は外れます。だから、母親や一部の人間をのぞいて1巻の終わりではすべての人間に×がついていたのが、だんだん外れてくるのですが、その過程の中で将也の苦しみも増して行くことになります。もちろんそれは自殺しようとしていたときの後ろ向きの苦しみではなく、再生の苦しみなのですが。

少し長くなったので、続きは次のエントリにしたいと思います!