別冊 少年マガジン 2014年 04月号 [雑誌]/講談社

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『進撃の巨人』第55話「痛み」は、とても感動しました。

今日発売の別冊マガジン4月号に『進撃の巨人』第55話が掲載されていました。担当の川窪さんのツイッターで、作者の諫山さんがネームを全部書き直し、結局作画はものすごいペースでやる必要が出てきたため、ネットでもみな今月ちゃんと掲載されるのか心配していた人が多かったのですが、無事掲載されていました。(笑)

でも、それだけ今回は苦労して描いているのだから、面白くなるだろうという期待はしていましたが、全くその通りでした!!

今回も、派手なアクションはありません。少年マンガにこれはありか?という場面も、諫山さん独特の軽妙でコミカルな(?)スプラスチック的なギャグセンスが導入されて、何が本気で何が本気でないのかわからなくなっています。というかもともと、巨人に人間が食われると言う描写自体が引っかからないのかということが問題になっていた作品な訳ですから、このくらいのことは織り込み済みなのかもしれませんが。

最初はエルヴィンとピクシスの会話。エルヴィンは自分の計画を語ることで、ピクシスに賛同を求めます。ピクシスは「王家が2000年以上続いてきて人類の繁栄の象徴になっている」と語り、この世界の構造の一端が明らかにされて行きます。

そしてこの世界の本質的な謎について、エルヴィンが語ります。はじめて学校(作中では教室と呼ばれている)の場面が出てきましたが、教師である父がエルヴィンに語った内容は、驚くべきものでした。

その内容については本誌を読んでいただいた方がいいと思いますので書きませんが、その証明となったのが、エレンや女型の巨人が巨人たちを操ったという事実だった、ということは書いておきましょう。

そして次の場面が問題の場面ですが、リヴァイとハンジがなんだか生き生きしています。(笑)そしてその様子を別室でうかがっている104期たち。自分たちが反逆者になったという事実を改めて思い知らされています。そこでアルミンが語る内容にジャンたちは引きまくってますが、またそこでお待ちかねの(?笑)ゲスミン顔が見られます。

ジャンは「変わっちまったな」と言いますが、エレンは「いやアルミンが陰湿で姑息なこと考えるのが得意なのは昔からだ」と酷いツッコミを入れ、さらにミカサのボケが笑えました。

皆が椅子に座っているのが、ヒストリアがお誕生席に座る習慣になったのかなという感じですが、こういう中で一人だけミカサが立って壁に寄りかかると言うかっこつけた男役的なポジションになってるのが可笑しかったです。読み終えてからこの場面をもう一度見ると、ミカサはヒストリアを守っているようにも見えますが。

次に中央憲兵サネスの独白が入りますが、これも今までの世界の秘密と、サネスと言う人間の人間性を表現しているいい場面だなと思います。

「俺には王がいる…何年も仲間と一緒に王を守ってきたんだ…」

彼らにも彼らなりの正義があったということです。そしてその後の展開で「そうだったのか!」となり、さらになぜヒストリアがそんなにも重要な人物だったのかが明らかにされます。最後の見開きのサネスの絵と、最後のコマのヒストリアが屋根裏で銃を抱えたまま膝を抱えて座って天窓から入ってくる光を見ている場面は、なんだか泣きそうになりました。

まだまだわからないことだらけですが、今回でだいぶ世界がはっきりしてきました。なんと言うか、砂漠の蜃気楼の中に、幻のお城が見えてきたような感じです。

大げさですが、この回を読めたから、この1ヶ月間生きてきてよかった、みたいな気持ちになりました。(笑)

来月がどうなるのかわかりませんが、さらに楽しみが広がりました!