進撃の巨人 ANIMATION SIDE 吼 (KCデラックス)/講談社

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昨日(7日)今日(8日)と、『進撃の巨人』二連発になりました。

昨日は『進撃の巨人公式ガイドブック animation side 吼』が発売になり、今日は『別冊マガジン』発売で第54話が読めました。

まずは公式ガイドブックの感想から書こうと思います。

『進撃の巨人』アニメは、アニメ雑誌の特集でも何回も読みましたし、またBD・DVD特典の小冊子でもスタッフや声優の方々のインタビューはすべて読んでいます。また原画集も1巻・2巻と見ましたので、絵に関しても主要なキャラクターについてはだいたい見ているのですが、公式ガイドブックはまたそれらとは違うマニアックな魅力がありました。

まず第一に、キャラクター設定の説明が、主役の3人をはじめとする104期の調査兵たちだけではなく、戦死したミーナやフランツ、ハンナやサムエル、アルミンの口から戦死したと語られるミリウス・ゼルムスキーやナック・ティアスまで表情付きで載せられています。正直、この二人はどっちがどっちなのか、分かっていませんでした。ほとんどモブのキャラクターまでひとりひとり取り上げられていて、その辺りにもこのガイドブックの『濃さ』がよく現れていると思います。

ちょっと残念なのはリヴァイ班以下のキャラクターの兵団服の画像が、デジタルの荒い画像から起こしたのか、昔のコンピュータグラフィックのようなカクカクのものが(特にペトラは残念でした)いくつかあったことですが、そこまでは手が回らなかったのかもしれません。

アクション原画の作成について、スキーのモーグル競技を作画のヒントにしている、というのはなるほどと思いました。2本のストックを持って空中で自由に飛翔するモーグルの魅力が作画に生かされていると思うと、モーグルに対する興味もわいてきます。(笑)

巨人の描写についても、人間の動きだけでなく動物の動きを参考にしているというのも面白かったです。サシャを襲う四つん這い巨人はワニと猫が獲物を襲う動きを参考にしたというのは、初めて知りましたがとても納得しました。

声優さんたちのそれぞれの役への思い入れがすごく、特にアルミンの井上麻里奈さんの役への思い入れの深さにはインタビューを読むたびに驚かされるのですが、今回も「最後まで演じきれないと気が済みません!」と宣言していて、本当に深く一体化されて、同じように傷つき、同じように成長の階段を上っていくのを見届けたいと思っていらっしゃるのだなあと思いました。

そして、特によかったのが最後の原作者・諫山創さんと監督・荒木哲郎さんの対談でした。諫山さんのインタビューはいつ読んでも常に驚きがあるのですが、今回もまた衝撃発言がありました。アルミンは原作でも女装してヒストリアの替え玉になるなど物語上の重要な位置を占めているわけですが、荒木監督も「アルミンは成長することで強くなっていくが、その強さは必ずしもうれしいものではない」と言っていて、アルミンというキャラクターがこの物語で担っている役割の一端が吐露されていると思うのですが、諫山さんからも「「エレンとずっと仲良しで終わりました」っていうのはないなと」という衝撃発言が飛び出して、物語の広がりにさらに深さが加えられていっていることをまた確認させられました。

その他、ミカサがエレンを失って絶望したあとで、改めて生きる決意をした場面のザクロの意味とか、アニと戦えずに瀕死の重傷を負ったエレンが改めて決意して巨人化する前に猫の場面が映される意味とか、ネットで話題になったことを丁寧に説明していて、とても読み応えがありました。

原作はまだ続いているので、アニメもその続きをやってくれないかという期待はずっと語られているわけですが、そのことに十分期待を持たせてくれる発言もお二人から飛び出し、盛り上がりました。

『進撃の巨人」は「その世界の謎を解く」という趣旨の研究本が何冊も出ていますが、やはり公式の情報は物語の中身や今後の展開に関しても、スタッフやキャストの声に関しても、ほかではない情報が得られるのでやはりその濃さが段違いでした。改めてこの作品はすごい作品だと思わされるとともに、これからの展開にもさらに期待が高まっていく、そんな公式ガイドブックだったです!