米国債の格下げ・・・中国の見かた | C株で稼ぐ

米国債の格下げ・・・中国の見かた

ロイター 89()73分の配信は

 ・

ダウ終値634ドル安、

米格下げなどで市場は「パニックモード」

[ニューヨーク 8日 ロイター] 8日の米国株式市場は急落。リセッション(景気後退)への懸念が高まる中、米国債の格下げを受けて投資家心理が一段と悪化した。

不安の高まりから売りが拡大し、S&P500指数は2008年12月以来の大幅な下落率を記録、全銘柄が下落して取引を終えた。

 *

次は、中国の見かた・・・・言い分

 ・

「人民網日本語版」

201188日:より一部、抜粋+編集

米国債の格付け引き下げ 深刻な結果もたらす

「人民日報」の特約評論員を務める同済大学経済・管理学院の石建所視ウ授はこのほど、米国債の格付け引き下げをめぐり次のような論考を発表した。

 ・

5日の晩、米国の三大格付け会社の一つであるスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、米国債の格付けを最上位の「AAA(トリプルA)」から「AA+(ダブルAプラス)」に一段階引き下げるとともに、今後の格付けの見通しを「ネガティブ(弱含み)」にすると発表した。米国はこれまで約100年にわたって最上位の格付けを維持しており、格下げされたのは史上初の出来事で、世界中の注目が集まっている。

 ・

S&Pの指摘によると、格下げの主な原因は、米国政府と議会が決定した債務上限の引き上げは、S&Pが期待する中期債務の安定維持には不十分とみられることだという。今回の発表に先立つ今月3日、中国の格付け会社・大公国際資信評估有限公司は米国の主権債務の格付けを「Aプラス」から「A」に引き下げ、今後の見通しを「ネガティブ」とした。同公司によると、債務上限の引き上げは米国債の増加水準が米国の経済全体の伸びや財政収入の伸びを上回るという事実を転換させるものではないという。

 ・

今回の格下げは、金融の格付け引き下げでもあれば、政治の格付け引き下げでもあり、米国の政治指導者の能力と節操とに疑問が呈されたということでもある。今月2日まで、米国の共和党、民主党両党はそれぞれの選挙対策にかかずらって、国の信用をないがしろにし、債務上限引き上げをめぐる「政治的ドタバタ劇」を演じた。最終期限の一日前になって妥協点を見つけたが、すでに時機を逸しており、世界中の人々に米国には債務の約束違反という巨大なリスクが発生する可能性があることを知らしめた。

 ・

米国の格下げは米国の経済・金融市場にとってはもとより、世界の経済・金融市場にも深刻なマイナス影響を与えた。

第一に、今回の格下げは投資家の信頼感に直接的なダメージを与えた。すでにかなり脆弱だった金融市場がさらなるダメージを受け、より深刻な要因が加わったことは間違いない。過去1週間、世界の株式市場には恐慌にも似た投げ売りが行われた。今回の格下げにより、未来の資金の米国債離れの傾向が一層顕著になり、市場の混乱が一層激しくなることが予想される。

 ・

第二に、今回の格下げは世界の信用リスク・プレミアムの水準を一層上昇させる可能性がある。米国は損害を被るだけでなく、各種の資金貸出のためにより高いコストを支払わなければならなくなり、欧州の債務危機に対するグローバル市場の疑念が一層高まり、信用状況のよくないユーロ圏の経済体が一層ダメージを受けやすくなる。さまざまな溢出効果は、今後も引き続き世界全体に拡大し、米欧の信用に対する市場の信頼感の危機を高めることが予想される。

 ・

第三に、今回の格下げはグローバル経済の復興にマイナス影響をもたらすことになる。米国の経済成長に対する人々の見方はより悲観的なものとなり、米国の債務発行コストは増加し、大規模な債券発行や米ドルの過剰発行による経済発展というやり方が難しくなる。借金がますます難しくなり、経済がますます停滞し、信用がますます低下するという悪循環に陥る可能性がある。米国人の借金コストが上昇し、購買力が低下して、「最終消費者」という米国の役割が徐々に終わりになるとみられる。米国のニーズの減少は、米国からの注文頼みだった国の経済成長が鈍化することを意味する。

 ・

第四に、今回の格下げにより世界の米ドル債権国は損害を被ることになる。米国債は投資家にとって金融の嵐の中の最後の安全港とみなされてきたが、現在の信用度は英国、ドイツ、フランス、カナダなどの国債を下回る。米国債がこれまでのような国際的地位を失えば、米ドルは大幅に下落し、中国、日本、ロシアといった米国債を大量に保有する国は重大な損失を被ることになる。

 ・

このため、米国の政治指導者が大局から出発し、世界を信服させるような財政赤字削減プランと経済振興計画を早急にうち出すとともに、効果的な措置を取って米国と米国債の国際的信用を維持し、米国にある世界各国の資産の安全性を着実に保障することを願う。

 ・

世界の米国債保有国は、それぞれの立場のバランスを取りながら行動しなくてはならない。米国債の安全性、収益の保障、損失補填については、米国に正当な要求をつきつけるべきだ。主要20カ国・地域(G20)首脳会議(G20サミット)を前倒しで行い、目下の欧州の債務危機問題と米国債の問題が引き起こした金融市場の混乱を解決し、米ドルの信用危機などの問題を解決することを提起する。さまざまな立場のバランスを取り、一致した行動を取って、より大きな危機の発生を回避することを提起する。