駅の階段を登っていて、

ふと数年前の自分を思い出した。

「階段は、後ろの人が見て、着物の裾から

にょきっと足が出てしまうと不恰好なので、

斜めにあがるといいですよ」

そう聞いた私はしばらく、

階段の横幅全部を使って、

左端から右端へ、

右端から左端へと、

ジグザグ斜めに上がっていた。

のちに、そうではなくて、

登っていくラインは一直線でいいんだけれど、

自分の足を階段に対して斜めにして上がるのだと知り、

びっくりしたことを思い出した。

日本語って難しい。

さて。私は月2回のお茶のお稽古が楽しみで仕方ない。

しかし今回は油断した。

雨だと思っていたので、

着物の用意をまったくしていなくて、

朝、コーディネートを1から考え、

バッグを入れ替え、草履を出して。

前もって用意していないと、

本当に慌てる。

 

気づくと10月になっているので、

10代目のお家元の名前や

(にんとくさいはくそう)

季節に合わせたお茶杓やお茶碗の御名も、

覚えないといけない。

まぁ、これはいつも行きのバスの中で覚える。

いや、覚えようと努力はする。

 

せっかく覚えたのに、

御名を聞かれた直前、

窓の外でびゅーーーって風が吹いたのでつい

「『木枯らし』でございます」

と答えてしまって、

大抵のことは許してくださる先生も

さすがに首をかしげて、

「木枯らしはもっと真冬ですね。」

・・・まったく覚えようとした努力が、

意味をなさなかった。

教養のなさと、記憶力の悪さが恥ずかしい😢

でも楽しい。

会社の仕事と個人の仕事、

そして手話検定の勉強が立て込んでいて、

ちょっと目がまわる忙しさ。

なので今月は、お稽古お休みしようかと思ったけど、

諦めずに行ってよかったです。

思考を停止できる時間は大事。

どんなに忙しくても、

これからも続けたいお稽古です。