聞こえる人の世界もそうだけど、
聞こえない(聞こえにくい)人の世界はもう少し、
グレーゾーンが少なくなりがちな
気がしています。 
 
それは、いろいろなところで聞く話と、
自分の子育ての経験から。 
あくまでも、私の感覚です。
 
聴覚障がいをもつ幼い子どもたちに、
物事を教えていくとき、
聾学校の幼稚部では、
見てわかるような工夫がたくさんありました。 
 
そして、はっきりと、
これはまるー
これはブッブー、みたいに、
○×で伝えることが多いと感じていました。  
 
大人になるにつれ、
世の中には○×では割り切れない物事や、
正解がない(全てが正解ともいう)物事や、
そんな考え方もあるのか!と受け入れる
度量の深さが必要な物事や、 
 
そういうことをたくさん、
親も子も経験する中で、 
 
”全てが正解””あなたはそう思うんだね”
という『魔法の質問』の世界観を、
聴覚障がいをもつ人たちに届けることは、 
 
約9年前、魔法の質問認定講師になるために
山形に行った日の夜に、誓ったことでした。  

グレーゾーンをたくさん見つけられると、
人生が少し楽しくなる。
グレーゾーンを認められと、
人生が少し楽になる。
そう思うから。
 
その後、手話カフェで講座をさせてもらったり、
ろうあ会館の職員研修をさせてもらったり、
地域の手話サークルに呼んで頂いたり、
聾学校のPTA人権研修会や、
全国手話研修センターでの講座を
担当させて頂くことはあったけれど、 
今回は、年に1度の『全国ろう学生の集い』 
 
全国から集まる、聴覚に障がいをもつ、
主に10代20代の若者たち。
その方達に、お話をさせてもらうことに。
 
若い人たちが、自分の未来を創っていくために、
どんなマインドを大切にしたらいいか、
私なりの経験も交え、
考えをお伝えさせてもらい、 
 
合わせて、どうやって周りの人と一緒に
幸せになっていくかを、
ゲームも取り入れて
体感してもらう時間をもちました。
  
ワークショップの間は手話通訳士さんがいてくれて、
通訳してくれたんだけれど、
懇親会には通訳はつかず、
自力で、舞台の上でお話を。 
 
これだけの、聞こえない、聞こえにくい方達に
自分の手話で語るのは生まれて初めて。 
150人ぐらいはいたかと。
 
みんな拙い私の手話を読み取ろうと、
ものすごく熱心に見てくれて、
その様子に感動><
  
丸一日、”聞こえない人たち”の中にいる経験も
生まれて初めて。 
 
「わからなかったらもう一度お願いします、
って聞くんだよ」とか、
「積極的に友達になるんだよ」とか、
色々言ってきたけれど、
空気が読めれば読めるほど、
なかなかできることではない。 
 
これだけ神経を集中して、
話を読み取ろうとする努力を、
息子は逆の立場で、
毎日しているんだなとも思いました。 
 
幼い時から、家族で出かけても、
長男はよく疲れて早く寝てしまっていたけれど、
そりゃそうだなと昔を思い返したり。
 
私は、長時間の移動と、終日の集中力と、
手話をするからか、
翌(翌)日は全身筋肉痛でした^^; 

 
参加者の若者たちはとても積極的で、
全体発表の役も、
立候補ですんなり二人挙手してくれたし、 
 
恥ずかしがり屋の女の子も、
勇気を出して発表してくれたし、 
 
全てを読み取ることができず、
とてももどかしかったけど、
ワークショップ中に、
手話と笑顔がひらひらと飛び交っている様子は、
本当に嬉しかった。 
 
参加者が「優しさを学んだ気がする。
今日学んだことを身につけて、
優しい対応ができるような人になりたい」と伝えてくれ、 
思いやりのある優しい社会を目指して
活動している私にとって、何より嬉しい言葉。 
 
でもね、もう、みんな、すでに優しい。 
 
一人不安な私を決して一人ぼっちにせずに、
大会運営の学生役員の方達も、 
一緒に登壇した、
それぞれにとても魅力的な7名の手話ユーザーの
講師の方たちも、
参加者の皆さんも、
いつも誰かが気遣いしてくれる一日。
 
手話で冗談がわかって笑いあえたことも、
とても幸せなこと。 
 
大切なことだけでなく、雑談や冗談も、
手話で伝え合えて、笑いあえるように、
これから手話の勉強、さらに頑張ります◎  
 
そしてもっともっと、伝えていきたい。
 
色々なつながり、経験、優しさ、思いやりに、
心から感謝です(*˘︶˘*)。:*♡ 
 
*許可をいただいたので写真を使わせていただきます◎