日本焼肉はせ川 別亭 銀座店
銀座レンガ通りのビルの中に位置する焼肉・日本料理店。
日本一の芝浦食肉市場の老舗「神谷商店」の幻の「神のタン・ハラミ」をはじめ、神戸ビーフ生産者の一人「川岸畜産」など、都内でも限られたお店でしか食べることができないトップ生産者が育てた未経産の長期肥育希少黒毛和牛を心行くまで楽しめる。
一口に焼肉と言う位置づけよりも、肉割烹、肉懐石と言ったほうが正しいかもしれない。
丁寧なお迎えとともに店内に足を踏み入れると、そこには希少なワインがずらりと並び、高級寿司店と高級バーがドッキングしたような店内。
陶芸アーティスト・内田鋼一氏をはじめ、新旧の作家が手掛けた器と日本一の左官職人・久住有生氏が仕立てた空間。
カウンター席は広々としており、ライブ感が楽しめる。
店内いたるところに芸術品とも思われる陶器が飾られて、まるでミュージアムのよう。
小さなカウンターバーも備えられ、こちらで各種ドリンクが作られてサーブされる。
メニューは1つのコースのみ。
厳選神戸牛と神のタン、ハラミ、幻の食材など、春の山海といった豪華食材が共演する全16品
3万5000円
【小吸物】
春キャベツすり流し
神奈川の三浦産キャベツが用いられ、蓋を開けた途端にふわりと春の訪れを感じさせる香りが漂う。
鮮やかな黄緑色も目に美しく、始まりにふさわしい一品だ。
【先附】
黒毛和牛と筍寿司
筍の皮に、まるでかぐや姫のごとく大切そうに包まれた一口大の握り鮨2貫は、目の前で豪勢に金箔をふりかけて供される。
薄くスライスされた筍に包まれた筍軍艦ともいえるシャリの上には黒毛和牛x根室のバフンウニ、黒毛和牛xフレッシュキャビアという贅沢さ。
美しすぎて食べるのが惜しいほどだ。
【八寸】
館蛤は蕗の芽味噌でいただくが、味噌のほろ苦さと蛤の甘味の絶妙コンビネーション。
うるいとホタルイカの黄身酢掛け
卯の花 花弁百合根
菜花とこごみの胡摩和え
どれも目にも舌にも、全てにおいて春らしさが伝わる。
「日本っていいな」そう心から感じさせてくれる。
【お造り】
えぐみがない朝堀白子筍刺身は京都長岡産。
岩手 大船渡の天然本鮪、千葉 勝山の石鯛と、魚は新鮮で高級寿司店さながらの旨さ。
野菜を花びらに見立ててカットして散りばめるなど、盛り付けも本当に美しいと感嘆するのみ。
【冷野菜】
新じゃがいもと早採り野菜のサラダ
刺身の大根つまのようにカットされた新じゃがいもがシャキシャキとし、野菜の旨味を引き立てるようにとオリーブオイルと塩昆布のみの味付け。
野菜の食感も野菜の甘みも両方を感じ取れる。
【和牛】
三重 長太屋牧場の34ヶ月飼育された松阪牛のシャトーブリアン
目の前でじっくりと長い時間をかけて丁寧に焼き上げてくれる肉は、待つことも楽しみの1つだ。
焼き上げられたシャトーブリアンは、一口大にカットされ、雪塩を上から振りかけてくれるパフォーマンスも見られる。
まるで本当の雪が肉を覆い、皿にも舞い降りたような美しさ。
口に入れた瞬間から、肉そのもの甘みが十分に感じ取れる逸品。
【和牛】
究極 神のタン 厚切り
カットされる前に塊を見せていただいたが、初めて見るその塊はタンとは到底思えず、何かまるで芸術品を見ているかのよう。
こちらもじっくりとゆっくり焼き上げられ、タンから脂がじくじくと出ていくのを息を飲んで眺める。
厚さ1センチはあるだろうか。焼き上げられたタンは塩と山葵でいただくが、程良い弾力、みずみずしさ、脂の旨味が感じ取れ、まさに【究極神】だ。
こういうものは、ほんの少しいただくから良いのだ。
【箸休め】
鹿児島 指扇の蚕豆
こちらも目の前で、時間をかけてゆっくりと焼き上げて供される。
とても大きな蚕豆は真ん中半分にカットされ、ワクワクしながら外皮をめくれば、湯気とともに香ばしさとまだ若々しい野菜の香りが充満する。
【和牛】
三重県 長太屋牧場 34ヶ月飼育された松阪牛フィレ
鮮やかな美しい赤色を放つフィレは、有明産和摘み一番海苔がちょこんと乗せられて供された。
とろんとした食感の海苔と、その風味が見事に肉にマッチする。
とても柔らかい肉ではあるが、きちんと肉の食感も楽しめる。
【和牛】
究極 神のハラミ
程良いサシの入ったハラミには、蕨がちょこんと行儀よく添えられ、一緒にいただくスタイルだ。
甘くなく、キレがありつつ辛すぎない醤油味が肉の脂の甘みとうまく調和し、蕨のしゃきっとした食感との相性も抜群だ。
【蒸物】
甘鯛の桜茶碗蒸し
桜の葉を乗せて蒸した珍しい茶碗蒸し。
桜のほのかな香りがとても良い。
しっかりとアマダイの食感も、旨味も楽しむことができる贅沢な蒸物だ。
【和牛】
神戸牛サーロイン
36ヶ月しくされた神戸牛は、紀州備長炭焼き霜仕立て
焼き上げられたサーロインの仕上げに、熱々の紀州備長炭を押し付けるパフォーマンスが素晴らしい。
カットされた肉は辛子醤油。もう一つは唐墨とともにと、2つの味を楽しむことができる。
切れ味ある辛子醤油、肉のうまみ濃度を上げてくれるような味に変えてくれる唐墨とのコンビネーションは絶妙だ。
【逸品】
春の天麩羅
先ほどまでピチピチと跳ねていた鮮度良い車海老は、ブリブリとして甘みが強い。
朝堀白子筍、天然たらの芽と、旬の旨味と香りがぎゅっと閉じ込められた天ぷらは手揚げ方も見事。
【強肴】
神戸牛サーロイン
35ヶ月飼育されたサーロインは、見事な霜降り。
これをそのままいただくのではなく、止め椀として仕上げられるのだ。
汁が入った美しい朱色の大きな椀に、豪快にこのサーロインを入れ、幻の食材「花山椒」、芹、朝堀白子筍、片栗の花などといただく春野菜の沢煮仕立て。
肉からにじみ出る炭の香りも良く、甘みもとても良い感じだ。
何よりもその肉の旨みを引き立ててくれるのが、春野菜だが、花山椒の控えな刺激感と香りが素晴らしいとしか言いようがない。
かなり希少品であるが、その中でもさらに厳選された花山椒を使っているのだから、なおさらのことだ。
止め椀というレベルではなく、1つの芸術的な料理と言っていい。
【食事】
京都 朝堀白子筍土鍋ご飯
土鍋で炊き込まれた滋賀県産コシヒカリは、蓋を開けた瞬間から美しい艶を放つ。
品の良い出汁とともに炊き込まれた筍ご飯は、もうお腹がいっぱいでも、もう少しとおかわりしてしまうほどの美味しさ。
上品な味付けの自家製漬物も美味だ。
【水菓子】
栃木県産ロイヤルクイーンを使った自家製いちごどら焼きは、カウンターで焼け上げてくれる。
小さなサイズが可愛らしく、しっとりと焼き上がった皮は香ばしく、高級和菓子店に引けを取らない美味しさ。
プレミアムアイスはさっぱりしているが、杏仁豆腐の濃厚な風味がし、美しい絵が描かれた最中とともにいただく。
宮ザキ園の極上抹茶とともに。
最初から最後まで料理は素晴らしく、ホスピタリティも申し分なし。
最高級レベルの肉を少しずつ、和のスタイルでいただく肉懐石。
こういったコースを過去にもいただいたことがあるが、ここが今のところ最高峰だ。
韓国でドラマ トンイでしょうかね(古い)