7月に病気になったJは。夏休みが終わっても学校へ来なかった。
そんなJが10月にひょっこり現れた。
講義中に教室に入ってきて、「これ、出しておいて。」と出席カードを私に預けて、直ぐに教室を出ていった。
カードには、学籍番号と名前が書いてあったが、当日配られたカードは色が違ったので、2枚取ってJの名前を書いて出した。
私はJから預かったカードを手帳にはせた。
それからJは学校へこなかった。
その年の冬にJは亡くなった。
彼が教室に来たのは、出席カードを出すのが目的ではなく、私に会いに来てくれたのだと私は思っている。
私のもとに残されたものは、4ヶ月足らずの、並んで授業を受けたり、遊びに行ったりした思い出と、使われなかった出席カード1枚だけだった。
今でも忘れられないJの思い出である。