Q:最近、ゴルフを始めました。
 パワーに自信はあまりありませんが、
 マッスルバックは使えるでしょうか❓


店主:ゴルフの世界へようこそ

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 世に信じられている
 マッスルバックの方が 重心が高い(高重心)
   ✋重量の中心点の位置が高く、
    ボールが上がる作用が働き難い
(ボールが上がり難い)
 マッスルバック「の方が」重心が高い、 というのは
 機種にもよりますが、 真っ赤な嘘 です。

 思っているよりも重心はたかくありません✊

 ただし、マッスルバックは総じて 寝ているロフト構成
 キャビティの飛距離重視アイアンでは
 7番で24度…はやり過ぎ としても
 7番は30度より立っているモノも沢山ありますが、
 マッスルバックは 7番 36~38度 と
 単純に、ロフトだけで言えば 二番手分位寝ています。

 本来のゴルフクラブの使い方 からすれば
 インパクト時の、スイング時の ロフトの立て は
 ヘッドの重みとシャフトの柔らかさ で 作り出されるのですが
 元々のヘッド重量は軽めの上、重心距離も短く、より重量効果は薄く、
 その上、マッスルバックを使う人が 柔らかいシャフト
 柔らかめのシャフト の真逆、硬め、
 超オーバースペックを選ぶ傾向が強く、
 クラブの機能ではなく 「打ち手の技術」によって
 ロフトを立てて打つ必要性が高く
なります。

 ソコが出来ないとなると
 マッスルバックは ただポッコーンと上がるだけのアイアン
 になってしまう可能性があり、
 自分の技術によって ロフトを立てられないとなると
 そこは スピードで誤魔化すしかない と言う意味合いでの
 パワーだと思います。

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 一方、ロフトを立てる とは逆の 矛盾する理由ですが、
 マッスルバック が 使われる、
 そして、概ね パワーのある人向け の傾向が強くなるのは
 マッスルバック~キャビティの バックフェイスの構造ではなく、
 それに伴う ソール部の厚み(奥行き)、形状が理由です。

 キャビティバックアイアンに比べると
 造りとヘッド重量の関係から マッスルバック形状のアイアンは
 ソールが薄くなります。(アイアンそのものの厚みがない)

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 キャビティのアイアンでは ソールに厚み、奥行きがありますので
 下手に ロフトを寝かして入れてくると
 ヘッドが地面と接触、ソールが尻もちを付いてしまい
 上手く当たりませんが、
 (逆に 少しの寝かしは ソールによって補正されます✋)
 ソールの薄いマッスルバックは その邪魔する部分が少ないが故に
 ロフトを寝かしたまま、でも ボールを打つコトが可能 で
👉ロフトを寝かしたまま 打てば
 ショットで言えば ロブショットのようになって飛ばないか、
👉やり(開き)過ぎであれば 上がらず 抜けたような球 に
 なるのですが、
 パワー、スピードがあれば そんな球でも前に進めます。

 マッスルバックとパワーの関係は
  その部分が少なくない、むしろ殆どのような気がします。
 悪い言い方をすれば 良くない使い方もパワーで解決できる、です。

【対決】ヘッドの返し派 VS からだの返し派_Moment(3)

 現代のゴルフクラブ事情から
 「ドライバーの飛距離」を無視出来ませんから
 そのドライバーの飛距離性能を引き出す為、にも
 そういう アイアンの振り方は お薦めできません。

 キャビティ… ソールの奥行きの有るモノ を
 自分に適切な『シャフトの柔らかさ』で使い、
 ドライバーの特性を引き出し、
 ドライバー、アイアン、相互に上手く打てるコト
 そちらを重視した方が 賢い ような 気がします。