竹田宮家からどなたか近しい人に下賜された14金のカフスです。革張の共箱に入っていましたが、さっぱりと軽く仕上げられているので、やはり昭和に入ってからのもののように思われます。下賜品云々というよりとにかくデザインがかっこいいので入手しました。銀器で有名な宮本商行ですが、金製品もいくつか見かけます。なんといっても透かしが大変繊細です。こういう下賜品は当時の皇室の権威の象徴なので、制作する側もなかなか気合が入っています。時々メディアに出てくる竹田恒泰さんのお祖父さまあたりが下賜なさったものでしょう。

 

 

 

裏側です。

 

 

横から見たところです。軽く湾曲させて立体感を出しています。

 

昭和19年刊『皇室の御紋章』より

 

実はこのカフスは、少し赤い14金の上に、明るめの金が鍍金されていました。おそらく強度の関係で、硬い14金を使ってその上に純度の高い金を鍍金したものと思われます。入手した時は全く気づかなかったのですが、写真を撮って拡大した時に気づいて驚愕しました。ショップがYGの上に金鍍金をしていることを知らずに(知らないのが当たり前なのですが)磨きをかけてしまったので、鍍金が取れてうっすら赤みを帯びた中の地金が見えてしまっていました。これが拡大写真です。

 

古い貴金属製品は小傷が多く、私も結構仕上げをしてもらうことが多いのですが、こればかりはどうにも気を付けようがありません。このカフスは修理工房に頼んで鍍金を掛け直してもらいました。

 

刻印です。凸印で「本宮」「K14」とあります。

 

共箱です。入手しておいてナンですが、こういうものは先祖(おそらく当時の上流階級)がせっかくもらったものですから、売らずにその家に残しておいた方がいいと思います。これもおそらく金のグラム数の値段で業者に買い取られたような気がします。