ZERO1「ZERO1_TWELVE」12周年 Steve-K | 熱闘!後楽園

ZERO1「ZERO1_TWELVE」12周年 Steve-K


チャン・マメルトンさんにお誘い頂き、初めてのZERO1観戦。

今回はZERO1旗揚げ12周年記念大会ということで豪華メンバーが参戦。
さぞや後楽園ホールも押すな押すなの人だかりと思っていたのですが
チケット席種がS席とA席のみで、閑散としてます。

会場内に入ったら、南側を使わない「コンパクトスタイル」
ほぼ満員で男性が9割、年齢層が高い客層。
しかし、温かい目でZERO1を応援しているので
館内の熱気はアツいのですが常連ばかり。

カードと結果はこちらから


☆絵本プロレス 30分1本勝負
ドラゴン・ジョージ&とびだせ!チンタマン VS ゴキブリマスク&どくとるブレイン

子供向け絵本の登場人物が試合をするというコンセプトで
以前ノアで行ったムシキングテリーのようなスタイル。
ドラゴン・ジョージは若鷹ジェット信介で、90%棚橋10%潮崎というキャラクターになっていました。
既にパッケージでイオンのイベントなどでやっていると思いますが、幼稚園児や小学生には受けます。


1、横山佳和 VS 那須晃太郎

ゴツゴツとした一戦。
ZERO1の若手を体現している横山が回転式のキャメルクラッチで勝利。


2,菅原拓也&藤田峰雄&佐藤悠己 VS マイバッハβ&スティーブン・ウォルター&ジャック・アンソニー

この試合を持っていったのはジャック・アンソニー。
色白でボブ・バックランドとマーチン・ジョーンズとブライアン・ダニエルソン(ダニエル・ブライアン)
を足して割ったような風貌。
妙なクネクネした動きで幻惑をしますが、急所攻撃に悶絶に観客は大喜び。
WWWFでバックランドがゲイに愛されたと同じく、アンソニーは「ゲイキャラ」で
ZERO1以外でも戦わせたい逸材です、間違いなく。
小柄なKAIENTAI-DOJOの佐藤が、マイバッハβフロムロシアのパワーに翻弄され
ツームストンでピン負け。


3,佐藤耕平&KAMIKAZE VS 植田使徒&小幡優作

チョップ合戦、エルボー合戦、植田&小幡のチャレンジマッチの様相となりましたが
最後はKAMIKAZEのムーンサルトで植田をピン。
かなり攻め込まれていました、佐藤&KAMIKAZE。
KAMIKAZEは三沢&川田の後輩(足利工業大学附属高等学校)でSPWF退団後
全日本プロレスに入団を直訴しましたが、馬場より「新弟子扱いだ」と言われ
新婚だったKAMIKAZEは入団を断念したと、当時の週刊ファイトに書いてありました。
もし、あの時全日に入団していたらどうなっていたのでしょう。
ふと考えてしまいました。


4,日高郁人&丸藤正道 VS 高岩竜一&フジタjrハヤト

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丸藤とハヤトの絡みというか、意地の張り合いが最高。
これが初遭遇でした。
最初のコンタクトで丸藤が「お前なんてまだ小僧だよ」といなした所
ハヤトが「ナメんじゃない」とやり返し、かわしていく展開。
丸藤は「意識していない」態度だけど、思いっきり意識していて楽しんでいるのがよくわかります。
2人に日高が加わりハイスパの攻防中、高岩が「俺を忘れるな」とパワーファイト。
最後は、丸藤がハヤトに不知火、日高が高岩にミスティフリップと同じ技の共演。

試合後、日高が丸藤に握手を求めた瞬間、丸藤不知火を仕掛ようとしてスッとリングを後にする。
「おまえ、俺の技を使うんじゃないぞ」という、無言のアピール。
アピールする日高の横で、丸藤を指さし睨みつけるフジタjrハヤト。

良い物を見せてもらいました。


休憩後、リングに橋本大地が登場。
復帰に向かって肉体改造中との事、身体に厚みが増してきました。

1つ疑問、どうしてプロレスラーは襟足を長くするのでしょうか。
ZERO1では横山・植田・橋本、そしてレフェリーまで襟足が長いのにはビックリ。
ロックンロール・エクスプレスやファンタスティックスのオマージュかと
思ったけど、幾ら何でも「田舎のアンちゃん」にしか見えないのです。
顧客ターゲットに合わせたヘアスタイルなのでしょうかねぇ。


5,崔 領二&KENSO VS ジェームス・ライディーン&×ゼウス

KENSOはやはり千両役者です、登場しただけでリングが光輝きます。
張り手一発で空気を変えて、アピール一つで場内を沸かす「華がある」のです。

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三冠時代の秋山が「KENSOお前はダメだ」と言ったのは
ファイトスタイルのありますが、世界を変える力があるってことだと
私は捉えます。

ライディーンは有望だけど、他の2人はプロレスが下手。
ゼウスは劣化版アルティメット・ウォリアーにも到達しないボディビルダーのプロレスごっこ。

崔は一発の蹴りや投げ技の力強さはあるけど、すべて「点」の攻撃です。
これは耕平にも言えます。
本来、崔と耕平がZERO1のスターになるポジションのはずなのに
今ひとつパッとしないのは、プロレスの流れがなくブツ切りだからです。
プロレスになっていないから、格闘家が中途半端にプロレスをやっている印象をうけます。



6、大谷晋二郎&田中将斗&大仁田厚 VS 曙&関本大介&大森隆男

豪華メンバーの6人タッグマッチ。
まずは曙が大仁田の毒霧で赤鬼になりゴング。

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リングで動けないコンディションの大仁田は、場外乱闘中心でも館内熱狂。
田中と関本のハードヒット合戦もイイ!
大仁田と大森の絡みは、大森が実にやりにくそうでしたが
しっかりと存在感を見せました。

驚いたのは曙の速さ。
最近減量して180キロになったとのことで絶好調のよう。
試合運びに緩急をつけ、たたみかけるエルボーやタックルの速さは実に素晴らしい。

「少年時代、ニックのAWAベルトに憧れていた」と本人が語っているように
曙本人がプロレスが大好きなのが全身から伝わってきます。

あの大きさであの瞬発力は驚異、もっとレスラー曙は評価されるべき。
大晦日のボブ・サップ戦が無ければ。。。。

最後は曙のボディプレスで大谷がフォール負け。

最後に大谷が
「プロレスの教科書、523ページ。
かっこ悪くたって、情けなくたって、
そんな経験をした人間が、本当の勇気を与えられるんだ! 
ありがとうございました!」と締めました。

$熱闘!後楽園

ZERO1は大谷を中心に熱い団体で
試合内容もゴツゴツしていて
熱狂的ファンもついています。
また、NPO活動やイオンでのプロレスなど
独自な道を歩んでいます。

今日の興行も「12周年記念」なので大々的に開催するべきなのに
堅実に「コンパクトサイズ」でホールを使用したという事は
「無理に外に響かせる必要はない、判ってくれる人に響けばいい」
という気持ちの現われでしょう。

ファンは敏感ですから、「内輪受け」を敬遠しているのではないでしょうか。

また、新日・全日のようにメジャー感はないし
大日・DDTのようにインディーズの自由がなく
大谷・田中・日高のスリートップと
崔と耕平とKAMIKAZEの差が広く
若手の植田・横山・小幡がスマートでなく
全体的にレスラーが地味すぎるところがある。

「ひたむきさ」や「ガムシャラさ」が
時には格好悪くなるときがあります。

だから、今日のKENSOが眩しかったわけで
KENSOの定期参戦がカラーを変えるかもしれませんね。