Dream Anniversary 2013 by megane1964 | 熱闘!後楽園

Dream Anniversary 2013 by megane1964


熱闘!後楽園-image  最初に言っておくけど、本日は写真なしである。まあ、これ←を見てほしい。健介オフィス改めダイアモンドリングの後楽園大会は約1年ぶりなのだけど超・超・超・・・満員なのである。仕方がないので、南側スタンド後ろの立見席からの観戦。まあ、いくらなんでもここからでは写真はムリ、である。


 それにしても入りましたねえ、お客さん。昨年もすごかったけど、今年はそれに輪をかけて、って感じでした。北側の上にスクリーンは吊ってあるけどフル仕様。リングサイドも結構近くまで座席を詰めている。全6試合の詳細はこちら(http://www.kensuke-office.com/ )を見てくださいね。


 ダイアモンドリングというのは、なかなか面白い団体で、まず第一にメジャーなのかインディーなのかがよくわからない。もちろん、規模的にはインディー中のインディーですよ。ボスである佐々木健介以外、所属選手は5人なのだから。…え? 中島勝彦、宮原健斗、梶原慧、北宮光洋の4人だろって?…なまずマンってのがいるんだよね。外の団体には出てこないけど。


 で、そのなまずマンが登場した第一試合は、「くす玉割りバトルロイヤル」。リング中央上部に吊るされたくす玉を割った選手が勝ち、ってルール。いわゆる「楽しいプロレス」ですね。しかし、参加メンバーはある意味豪華だったねえ。書きだしてみようかな。


 高山“帝王”善広、CHANGO、バラモン兄弟、菊タロー、アントーニオ本多、めんそーれ親父、マリーンズマスク、NOSAWA論外、井上雅央、それになまずマン×2。


 バラモンとかアントンとか親父とか、インディー界の「おもしろヤロー」がズラリ並んでますねえ。菊タロー、論外はおなじみ、どこにでも現れる「曲者」。菊ちゃんはクリーンで論外はいろいろ前科持ち、って違いはあるけどね。CHANGO、マリーンズもインディーファンにはおなじみだし、高山、雅央が来るあたりが、さすが健介、顔が利くって感じだねえ。


 試合の方は、高山と勝負に行こうとした雅央が空ぶって、集中攻撃をくらって最初に退場。親父のトペ・スイシーダに刺激されたマリーンズがオーバーザトップルールをついつい失念してトペ・コンヒーロに行き失格。バラモンケイと親父と菊ちゃんが、「ロープの上に乗れば、くす玉に手が届く」と考えて「拝み渡り」に出るのだが、アントンがロープをゆすって、全員股間を打って場外転落、と「楽しい」試合らしいカラフルな展開。そういえば、くす玉を割ると、「100万円相当の賞品」がもらえる、ってことなので、全員が真剣になっております。


 で、最後に残ったのが、アントンと論外。「オレが3、先輩が7の取り分でどうです」との提案を受け入れた論外に手を取られて「拝み渡り」をしたアントンがくす玉を割ると、そこに現れたのは「佐々木健介と一騎討ち」の文字。うーん。健介との試合権利が100万ってのは高いのか安いのか。「お前が全部やれ」と受け取りを拒否した論外に代わり、次回、2月24日の道場マッチでアントンが健介と闘うハメになったのでした。


 第二試合は豊田真奈美&里村明衣子vs堀田祐美子&加藤園子。北斗の仕込ですが、豪華なメンバーですねえ。豊田に往年のスピードがないのが残念ですが。まあ、加藤からフォールを奪ったのは豊田なんですが、これは「お約束」ということで。


 会場を見渡すと、結構な数の「プロレス初心者」がいるようで、幼稚園、小学校低学年ぐらいのお子様とその両親、という組み合わせも目立ちます。その反対に、「ワシも昔はプロレスが好きだったんじゃ」的中年も大勢。現在のプロレスを追いかけているコアファンに加え、こういうライト層や往年層をキチンと掘り返しているからこそ、超・超・超(しつこい)満員の会場が生まれるんでしょうね。そういう方々には、プロレスの見方・面白さをあらためて理解してもらう必要がある。この2試合は、そういう「助走」の試合のニオイがする。よく考えられた構成です。


 したがって、休憩前の第三試合が、その「助走」の総決算なわけですが、ここに持ってきたのがジュニアヘビーの6人タッグ。普段から付き合いのあるドラゴンゲートからk-nessとアラケンこと新井健一郎を連れてきて、それにみちのくプロレスのエース、フジタJr.ハヤトを組ませる。対するは、自団体の梶原と土方隆司、TAJIRI。


 ちょっとびっくりしたのが、「外敵側」の入場曲がハヤトのテーマだったこと。それだけ、マッチメーカー北斗はこの人を評価しているんでしょうね。まあ、ワタクシは何度も書いてますが、この人好きだからいいけど。


 TAJIRIとかアラケンとか曲者を並べた割にはおとなしい試合。ハヤトが相変わらずキツーイ蹴りを打っていくのが印象に残ったぐらいかな。最後は梶原がムーンサルトプレスでアラケンをやっつけました。


熱闘!後楽園-image で、休憩ですが、まあ予想通り大混雑ですねえ。ただでも狭い後楽園ホールのロビーが人、人、人、でございます。手前では豊田真奈美が撮影会をやってます。

 

 ここまで見てもわかるけど、ダイアモンドリングというのは、非常に「いい運営」をしている団体なんですね。規模的にはどインディーって書いたけど、そこの部分はメジャー以上かもしれない。「運営がいい」というのはどういうことかっていうと、①マッチメーキングがいい②試合の進行にミスが少ない③選手の育成・管理がしっかりしている--ってことかな。


 特にいいのは「マッチメーキング」で、今回の大会もプロレス初心者にとって肩のこらない試合あり、DRの団体ファンを満足させる試合あり、プロレスを見慣れた人をちょっと感心させる試合あり。バラエティーに富んでおりました。


 ワタクシが「ちょっと感心」したのは、休憩明けの北宮vs西村修ですね。団体一番の若手が、プロレス界きっての理屈っぽいオジサンに挑戦。このオジサン、ただ理屈っぽいだけでなく、ちゃんと基礎ができているからコーチ役としては適任。さて、若手はどこまで通用するのか…という試合。


 初っ端から北宮が挑発します。ロープブレイクの離れ際に、一発ヒジを入れて、闘争心をあらわにする。理論派かつクリーンファイトが売り物の西村センセイ、ちょっとムカッとして北宮をヘッドロックにとらえる。北宮は西村センセイをロープに飛ばそうとするのですが、そこはセンセイ、ムッとしているから飛んであげない。グッと腰を下ろしてヘッドロックを絞り込む。


 いいですねえ。こういう大人げない西村センセイは、あまり見る機会がないからねえ。しかも丸め込みに来る北宮に、見事な逆さ抑え込みを決めて、技術の差を見せつける。区会議員になってね、試合後にお客さんたちに名刺を配るのもいいけどね、最近の西村センセイはちょっとオトナすぎる、と思ってたんですよ。もっともっと、こんな風に「若手に何もさせない」試合をしてほしいですね。まだまだ、丸く収まっちゃう年齢でもないでしょうよ。


 セミファイナルは団体ファン向けの試合。全日本をとある事件で追放されたTARUらVM(ブードゥ・マーダース)の面々がDRに殴りこんできて、それを「第三の男」宮原が迎え撃つ、というアングルありの試合。古き良き、団体抗争プロレス時代を思い出しますね。


 とりあえず、VMの4人とDR勢がくんずほぐれつして最初の試合をノーコンテストにしたうえで、「えーんーちょー」の客席コールに応じる形で再試合。新日本ですねえ。WWEに行き損ねた滝沢大志と宮原が、ラフファイトをしのいだうえで、TARUを捕獲。2連続ジャーマンで宮原が3カウントを取ったのだけど、「物語」はこれから。


 「なかなかお前らやるじゃねえか」と青息吐息のTARUがしゃべりだす。「どうだ、VMに来ぇへんか」と露骨に勧誘を始める。「ミヤハラ、ここにいても、健介と中島がいたら、なかなか上に行けへんやろ」


 宮原、「DRは今日までだ」とこの勧誘に応じる。滝沢もついでにVM合流に賛同する。あれあれ。これは何を意味するのか--。


 もともと全日本に参戦していたVMだけど、とある事件のおかげで試合に出れなくなってたわけだよね。TARUが復帰したってことは「禊は終わった」ってことなんだろうけど、果たして全日本マットに戻ることができるのか--。


 それとも、健介さんが定期参戦しているノアマットに、新たにヒールユニットとして参加することになるのか--。


 宮原が加入したってことは、後者の可能性が強いけどね。ノアは秋山とか潮崎とかの一線級が離脱したわけだし。いずれにせよ、単なるDRマットだけでないアングルに成長しそうな仕掛け。ここらへんにも、「運営のうまさ」が出るよねえ。


 で、メーンが四か月休んでいた健介の復帰戦。自らは杉浦と組んで、相手は中島と大谷晋二郎。


 ふと思ったんだけど…ホントは中島の相方は橋本大地だったんじゃないのかなあ。それなら若手vsベテランの図式がぴったり出てくる。だけど、大地がケガをしたから、社長が代打ちで出てきたんじゃないのかなあ。想像だけど。


 まあ、これは、健介お得意のゴツゴツしたプロレスでした。健介の逆水平と中島の蹴りの打ち合いなんて、「四天王プロレス」から流れる「意地」と「張り」の日本的プロレスの真髄を見せてくれました。うーん。伝統芸。


熱闘!後楽園 まあ、大谷社長が入っていたから得意の「顔面ウォッシュ」なんかのMOVEもちゃんと入れてましたけど、基本的にはバシッとした「王道プロレス」でした。最後は、ラリアットで中島をぶちのめした健介がブレンバスターから3カウント。完全復帰をアピールしたのはいいけど、次期エースをノックアウトしてもいいのかねえ。


 「楽しいプロレス」から「アングル」「王道」まで過不足なく詰め込まれた2時間半。2人の新加入練習生も紹介されて、DRは右肩上がりの好景気って感じですね。それでは落語界に伝わるクラシックななぞかけを。


 「DRとかけまして、満塁ホームラン2本とときます」

 「そのココロは」

 「8点(発展)間違いなし」