NEWYEAR2DAYSその1 by megane1964
不景気な世の中だけど、やっぱり新年ってのは格別である。なんだかんだ言って、街行く人はみんなウキウキしているし、リング上だって華やかだ。本日、全日本恒例の「NEW YEAR 2DAYS」の初日、メーンのヘビー級バトルロイヤルの一コマがこれ←である。浜ちゃんとジョー・ドーリングが相撲の仕切りをしていて、行司役が武藤さん。ほのぼの明るい光景ではないか。
明るい、といえば、ふと気が付いたのだが、本日の全日本プロレス興行は大変に写真が撮りやすかった。そもそもワタクシはアイフォンのカメラでブログの写真を撮っているのであるが、実はこれが大変なのよ。なにしろ、「付属品」としてのカメラだからね。こういうスポーツものの撮影には性能が全然足りないの。ちょっとズームしたら画面は荒れるし、シャッタースピードが遅いから動きは止まらないし、大体、シャッターを押して撮影できるまで少しタイムラグがあるので、シャッターチャンスを捉えるのも難しい。……いや、本格的に撮影したければ、一眼レフを持ち込めばいいんだけど、荷物を増やしたくない、という勝手なこちらの事情でアイフォンを使っているんだから、文句を言っちゃいけないんだけどね……とにかく、大変、難しい撮影環境なのである。
いつも「肝心なポイントが写らねえ」「ブレまくってる」「画像粗くてしょうがねえ」とひとりブツブツ言いまくり、だったのであるが、本日は、あれっというぐらいストレスが少なかった。結果的に撮れている写真は当方の技術不足もあっていつもと大して変わらないのだが、なんか気分よく取れたのである。
なぜなんだろう。
思いついたのは2つのポイントである。まず、「会場が明るい」、そして「選手がデカい」--。
まず最初。照明の明るさは昨日のゼロワンと比べて格段に違った。カメラってのはやっぱ光量が重要なのよね。明るければ、シャッタースピードが速くできるし、同じシャッタースピードなら絞りを入れることができる。アイフォンは基本、このあたり自動で調整が利かないけど、調整できないだけに、「撮りやすい」って実感もわくよね。しかも本日登場した、曙、浜ちゃん、船木、諏訪魔なんてのは、みんなXLサイズのレスラーなわけで。被写体が大きいとズームも少なくて済む。結果、画面もあれずにすむ。
全日本の試合は結構見ているけど、以前はこんなこと感じなかったんだけどなあ。でも、会場が明るいと、大会全体の雰囲気も明るくなる。本日は北側にスクリーンを吊った通常しつらえだけど、ほぼ満員。しかも、親子連れのライトな観客が目立った。
子供を連れてくるには、やっぱり明るい雰囲気の会場の方がいいしね。この2、3か月、なんだか少し全日本が面白くなってきた気がしてたのだけど、秘密はこんなところにあるのかもしれない。
前置きが長くなりました。
本日は8試合。詳しい結果はここ(http://www.all-japan.co.jp/ )で確認してください。第一試合、相変わらずKENSOがビチッと言っておった。西村の2013年初倒立ありーの、金本センセイの新春初顔面ウオッシュありーの、が第二試合。サクサクっとした進行が、なかなか心地よい。
第三試合は中之上&真田vs宮本&本間。本間が真田のGAORA王座に挑戦するとかで、これは前哨戦。全日本に移って、激やせしたマーホンは、「悪い人」全開だ。→こんな風に真田をロープ際でグリグリして、挙句の果ては噛みつき、つば吐き。客席からはキタネーの声。こけしを真田の股間に命中させたり、やりたい放題。
本間、宮本という「出戻り組」には、なんか見ていて「世の無常」とか「侘しさ」を感じてしまうんだけど、まあ、「余計なお世話」なんだろう。中年として、正しい年寄りへの道を歩いてくれ、と思うだけです。
第四試合はジョー・ドーリング&諏訪魔vs浜&曙。超ヘビー級対決ですねえ。
いやあ、曙もゼロワン・オオニタ興行では、ベビーフェイス的な役割をしてみたり、大日本にSMOPで出たときは、とっても悪い表情をしてみたり。いろいろ忙しいことですな。全日本でこういう対戦をしているときが、一番「フツーの」プロレス・ムーブができるのかもしれない。ジョーも諏訪魔もデカいからねえ。
場外戦でも、ジョーを鉄柱にくぎ付けにしておいて、この体当たり。大迫力。ま、はずして自爆してしまいましたが。
驚いたのはジョーの怪力で、最終盤、曙を高々と持ち上げると、ボディスラムのように、リングに巨体をたたきつける。おおー、という歓声。そのまま、3カウントを奪ったわけだが、なかなか曙を投げる人は世の中におりません。
休憩をはさんで第五試合。MAZADA、太陽ケア、鈴木みのるの「愚連隊」が久々タッグを組んだのだけど、どうやらケアが長期離脱をするらしい。地元ハワイの大学で経営学を学ぶんだそうだ。…うーん。まあ、いつまでも現役でいられるわけではないからねえ…。
で、その「壮行試合」のお相手が、武藤さんとカズ・ハヤシ、淵センセイの「ベテラン・トリオ」。武藤さんの後楽園降臨も久しぶりだねえ。
試合の方はケアに花を持たせるのか、と思いきや、淵さんが一瞬のスキをつくスモールパッケージホールドで、MAZADAから3カウント。「世界一性格の悪い男」いわく、「ジジイども、空気を読めよ」。
みのるさん、アンタが正しい。
テイオー高山と問題ばかりのNOZAWA論外も登場し、「愚連隊」は旧交を温めたのだった。
ここまでは、正月らしく、また全日本らしく、「明るく楽しいエンターテインメント」だったわけだけど、続く2試合はタイトルマッチである。まずは、征矢&大森の“ゲット・ワイルド”vs河野&船木。世界タッグ選手権戦だ。
とはいえ、ゲット・ワイルドが出てくると、どうしても「ネタ臭」が漂うわけで、ついこの間のタッグリーグで優勝を逃し、解散を迫られているこのコンビのにとって、「負ければ解散」がこの試合。しかし、そういうネタの方がタイトルよりも重いのかねえ……。
ただ、脳髄まで筋肉のおふたりと、格闘センスの高い船木&河野というのは、ちゃんと試合をすればかみ合わせのよいスリリングな展開になるわけで、相変わらず重い船木の蹴りと征矢、大森の剛腕の対決は、それはそれで見ごたえがあった。
…まあ、しかし、ゲット・ワイルドは人気あるよねえ←これ見てもわかるけど…なかなか「解散」ってわけにもいかないよねえ。
大森が長々、船木のフロントチョークにとらえられたりして、どちらかというと苦戦気味だった筋肉ブラザースだけど、最後はその大森が得意のアックスボンバーで船木を沈め、なんとかタイトル防衛。しばらくコンビはまだ、続きそう。
セミファイナルは世界ジュニアヘビー級王者の大和ヒロシとGHCジュニアヘビー級王者の近藤修司の対戦。ノアのベルトを全日本勢が争っているわけですな。ダブルタイトルマッチってことですな。
ルチャ的な飛び技が得意な大和と現在のジュニアには珍しいパワー系の近藤。いろんな団体を見渡してもなかなかない、面白い組み合わせの対決である。試合の方もそういう展開で、大和は飛んだり蹴ったりし、近藤はラリアートをぶつけたりパワーボムを見舞ったり。お互いの特徴をよく出した試合ぶり。
近藤を場外に叩き出した大和が見事なトペ・スイシーダでいったんは主導権を握るのだけど、徐々にパワーで近藤が押し返す。最後は両腕をロックしてのジャーマン、という得意技に行こうとした大和を吹き飛ばした近藤が、ドカンドカンとラリアートをぶつけて、KO。ジュニア二冠に輝いた。
今後、どうなるのかはわからないけど、ケニー・オメガとか、CIMAとか他団体のジュニアのトップクラスと近藤はやってほしいなあ。
で、最後を飾ったのが、全日本ヘビーの選手たちによるバトルロイヤル。まあ、KENSOが仲間を裏切ったり、KENSOが小ずるいムーブをみせたり、KENSOがみんなから嫌われてみたり。いろいろなことがあった。冒頭の写真の通り、正月らしいにぎやかさ、なのでありました。
売店班も←こんな風に大忙しでしたよ、アジアタッグ王者の金本さんもファンサービスに懸命。
一時期低迷しかけた全日本だけど、さっきも書いたけど、だいぶ復調してきた様子。「明るく楽しくわかりやすい」「オトナから子供までだれでも楽しめる」コンセプトは、昔以上にブレなく徹底されてきているようだ。
昨年は新日本プロレス一人勝ち、みたいな感じだったけど、今年の全日本はそこそこ追走できるかもね。ま、いろいろな団体が活性化した方が、プロレスファンとしては楽しいよね。