小説:恋愛と結婚と決別~恋愛と結婚が交差する場所~(仮)

小説:恋愛と結婚と決別~恋愛と結婚が交差する場所~(仮)

西瀬 敦士 

   と

廣田 菜々

   の

11年に渡る物語。

2人の目線から話しは進んでいきます。




作者 廣ノ瀬 じゅん

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4時20分目覚ましがなる。
静かな部屋に携帯のアラーム音が鳴り響く。
その音がだんだんと近付き敦士を現実に呼び戻す。
敦士はこの瞬間がとても嫌だ。
今日も、一日が始まってしまう。
昨日の自分は満足の行く自分だったろうか。
そして、今日は納得のいく一日にできるのか。
朝という時間が自分に問いかける。
きっと答えはでているのだろう。

それでも朝は毎日やってきて敦士の耳元でアラーム音と共に訪ねてくる。
昨日は?そして今日は?と。

二回目のアラームで部屋の電気をつけ乾いた体を起き上がらせる。
部屋にある洗面用具を持っていつも通り部屋を出る。部屋のドアを開けると、そこにはまた部屋がある。その部屋を抜け台所を抜けると洗面所が姿を見せる。
この家には廊下がない。
部屋と部屋をまたがないと目的地までたどり着かないのだ。
敦士は自分の人生のようで嫌だった。
何枚も何枚も扉を開けなければ目的地までたどり着かない自分と
廊下を使って目的地まで最短で行くやつ。
この差が今の差なんだと自分に伝えているようだ。

洗面所につくと歯を磨き顔を洗い始める。
寝癖も水で整える。
といっても洗面所の鏡が小さ過ぎてよく見えないから濡らしてほっとくだけだ。
昔、どこかでで頭皮を濡らしておくと抜け毛に繋がると聞いた事があったが今の敦士にはそんな事どうでもよかった。
仕事場に着くまでに寝癖がなおっていればそれでいい。
一通り終わり顔を拭くとまた嫌な気分にさせてくれる。
タオルにネコの毛がついていて顔を拭くたびに毛がつく。
何度も注意したけど意味がないみたいだ。
それとも僕の伝え方が悪いのだろうか。
どちらにしても自分以外は誰も気にしていないということだ。
苛立つ気持ちは何ヶ月も前に捨てていたのでただただ気分の悪さだけが残る。
部屋に戻り作業着に着替え部屋を出る。
朝ご飯はない。
お腹も減らない。
喉も乾かない。
不思議な体だけどありがたいとも思う。
今日最初の感謝をし安全靴を履いて玄関を出た。
そして、10年落ちのフィットのエンジンをかけ家を出る。
もっといい車ならまた気持ちも違うのだろうなと思いながらエンジン音と共に西瀬敦士の一日が始まった。


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