ちょうど去年の今頃ご依頼いただいた件ですが、ご紹介するのをすっかり忘れていました!(^_^;)
寝たきりで、主にベッド上で生活されている男性から、
「コロナがおさまったら、車椅子で外出したいので、外出用のジーンズを加工してほしい」
とのご依頼でした。
外出を楽しみにしておられたので、張り切って取り組ませていただきました!
一番のお悩みは、外出先でのトイレです。
外出先でズボンを脱がずに排泄できるように、前の部分にファスナーを付けて、開けた部分をまとめておけるバンドのようなものを付けて欲しい、とのご希望でした。
ご要望が的確でとても助かるのですが、実際に縫えるかどうかは別なのです。。。
「ああかな」「こうかな」と、意見を出し合って形を決めていきました。
当事者の方の声を聞きながら工夫していくことは、とても有意義なことです。
アイデアを出しあい、試作・検証してできあがったのがこちらです!
「ぱっと見た感じは、加工してあることがわからないようにしてほしい」
というご希望もいただいていました。
私も、そこはとても大事なところだと考えています。
よくよく見ていただくと、片方のウエスト部分にファスナーが付いています。
おしりのポケットは縫い目を丁寧にほどいて外してあります。
ベルトループは長めに付けてあります。これには大事な意味があるんです。(*^^*)
ひざくらいまでファスナーがついているので大きく開きます。
ファスナーを開いたときに、トイレの床にズボンがつかないようにするため、
ウエスト部分にゴムを付けてずり落ちないようにしました。
お客さまのご希望で、前ではなく後ろが開くようにすることになりました。
開いた部分をとめておくために、ベルトループにひっかけてボタンで留めるようにしました。
ボタンの付いたタグを通しやすくするために、ベルトループを大きくしていたんです。
このような事例は、
同様のご依頼を頂いた際に、とても参考になると喜んでいただいております。
ご着用になる方お一人おひとりの状態や生活環境に合わせて、
柔軟にご対応させていただいております。
ぜひお気軽にご相談ください。