こうのふくは、お着替えにお困りの方から、いろいろなご相談をいただいています。

 

着る方のお体の状態、生活環境などもお聞きしながら、どうすればお困りごとを解決できるか、一緒に考えていきます。

 

今回は、ロンパースを作らせていただいた、2つの事例をご紹介いたします。

 

お一人目は、10代後半の女性の方です。

重度の障がいがあり、訪問診療などを活用されながら、ご自宅で過ごされています。

主にお母さんがお世話をされていますが、沢山の方の手を借りて、「どうすれば快適に過ごせるか」をいつも考えておられるステキな方です。

 

お悩みは、「お腹についているストーマを手で触ってしまう」と、いうことでした。

どうしても気になってしまうようで、引っ張って外してしまったり、袋を破いてしまったり。

今までは、服の中に手が入らないようにファスナーを付けた服を、おばあちゃんが作ってくださっていたそうですが、だんだん針仕事が難しくなってきたということで、ご相談をいただきました。

 

 

袋を触れないように、手の自由を奪ってしまうことはしたくないですし、

お母さんもそれは望んでおられませんでした。

そこで、

「一度で解決できないかもしれないけど、いろいろ試してみましょう」と、ご提案しました。

 

最初から100%のものが出来ない場合は、

作ってみて、

様子を見て、

手直しして、

という風になります。

 

それには時間もお金もかかります。

お客さまが「それでもいいです」と、言っていただいて、初めて可能になることなんです。

なので、こういった事案の場合は、極力コストがかからないように工夫をしています。

 

 

 

まずは、お手持ちのロンパースから型紙を作って、

足回りから手が入らないように生地の伸縮性も考えて一着目を作りました。

お着替えの際にラクなように、両肩を開いてボタンを付けました。

見た目もかわいくて、着替えもラクになり、お腹も触らないので、一石三鳥と喜んでいただけました。

 

 

ですが、慣れてくると、やはり足の隙間から手を入れるようになってしまったので、

股の部分を、ボタンからファスナーに変更してみました。

すると、足まわりの隙間が開きにくくなり、上手くいきました!

ファスナーの固い部分が、足に当たらないか心配でしたが、

持ち出しの生地でカバーして問題なさそうとのことでした。

 

 

 

これでいけそうかな?と思いましたが、しばらくして、

「足を付けてみたらいいんじゃないか」とお母さんからのご提案がありました。

最初に思いついたのは、なんと!お父さんだそうです。(*^^*)

 

そこで、下をショートパンツのような形にして、股の部分にU字形にファスナーを付けてみることにしました。

さらに、伸縮性のない自社ガーゼ生地を試してみることに。

これは、ちょっと作るのに苦労しました。(-_-;)

 

 

試していただくと、いい感じでしたが、伸縮性のない生地はお着替えが少し難しかったため、

伸縮性のある生地に戻して同じ形にしてみました。

 

 

そして、、、

「最高です!やっとゴール!!!だ!」と言っていただけました!\(^o^)/

 

 

私は、いろいろ工夫したり便利になる方法を考えるのが好きですが、

どんな事でも解決できるわけではありません。

ただ、お困りの方に「何とかしてお力になりたい」という気持ちがあるだけです。

 

 

この方のように、最初から100%できなくてもお願いしたいと、言っていただけるおかげで、このような良い事例が積み上がっていきます。

それが、少しでも多くの方にお役に立てれば嬉しいです。

 

もちろん、お体の状態や生活環境により、今回の事例が誰にでも合う訳ではありません。

お困りの方お一人お一人に寄り添ってご提案させていただきます。(*^^*)

 

 

次回は、もう少し年代が上の方のロンパース事例です。

お楽しみに。。。

 

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