昨年、寝たきりのお父さまのズボンをご依頼くださったMさま。
Mさまは関東在住ですが、お父さまは関西にお住まいとのことです。
離れて暮らしていても、
お父さまのために「出来ることをしたい」というお気持ちが、
とてもあたたかいな、と思いました。
お父さまは、寝たきりで褥瘡(じょくそう)が出来てしまったため、
縫い目が当たらないズボンを探しておられました。
生地も柔らかく通気性の良いものをご希望でしたので、
自社オリジナルのガーゼ生地の見本をお送りして選んでいただきました。
既存の商品「両足ファスナーパンツ」をベースに、
サイズはご希望の寸法をお聞きして、
見本の生地からお好きな色を選んでいただき、
褥瘡(じょくそう)対応として、縫い目は極力平たくなるように
左右に割って縫い付けてお作りさせていただきました。
一年後、
褥瘡(じょくそう)もキレイに治って、よく食べられるようになり、
お腹周りがキツくなってきたので、今回はウエストサイズを変えてのご依頼でした。
お届け後に、お父さまとビデオ通話でお話しされて
「とってもゆったりして履き心地がよい」と、喜んでいただけたとのこと。
ちょうど、お風呂の日でお着替えをされたそうです。
「父の笑顔を見れました^_^」
「本当にありがとうございました。」
こんな嬉しいお言葉を、
すぐにメールで送ってくださったMさま。
私の方こそ、こんな嬉しいお仕事をさせていただいて、
こうのふくを立ち上げてから、
ずっと試行錯誤を続けてきました。
わざわざ介護用に自社オリジナルのガーゼ生地を織ってもらったり、
一着ずつご希望に合わせてお作りしたり、
効率の悪いやり方で、価格もお安くはできません。。。
これで本当に良かったのか、
喜んでくださる方がおられるのか、
いつも不安でした。
でも、やっと少しづつですが、
喜んでくださる方が増えてきました。
介護が必要な方は、
生活にいろんな制約があります。
少しでも快適に過ごしていただきたい。
少しでも体に合ったものを着ていただきたい。
その気持が、
お客様と、ご着用になる方と、繋がることは、
とても大きな喜びです。
お父さまの笑顔は、
娘さんのあたたかい気持ちに向けられたもの。
こうのふくは、
大切な人を想うあたたかい気持ちを
カタチにするお手伝いをしていきたいです。
次男と父が、寝たきりで過ごした時間は、
きっと誰かの役にたつための、
意味のある時間だったのだと感じています。
これからも、誰かの笑顔のために、
自分に出来ることをせいいっぱいやっていきます。