在宅で介護されている娘さんから、

「寝たきりの母におしゃれな寝巻きを作って欲しい」

とのご依頼をいただきました。


関節を伸ばすことが難しいため、上下わかれた服ではなく、

ガウンのような寝巻きを着ておられるとのこと。
お世話しやすいのはいいのだけれど、

柄や色の選択肢が少なく、サイズも調整したいと、探されていたそうです。


「探して探して諦めかけていました」
「いかにも寝巻きという感じが不満です。おしゃれをさせてあげたい。」
日々、介護で大変な中、お母さまのために苦労して探されていたことを知り、

まだまだ情報が行き渡っていないと感じました。

 

ネットで検索すれば、何でも出てくる時代ですが、

検索する単語が違えば、出てくる情報も違います。

必要な情報を、必要な人に届けるのは、簡単ではありません。

 

もちろん、SNSなどでも情報発信はしていますが、

ネットの世界では、情報が多すぎて埋もれてしまします。

介護靴のように、介護のラクな服も一般の売り場に出せるようにしていきたいです。


ご依頼くださったSさまは、もともと介護のお仕事をされてきたそうで、

お母さまのお体の状態や、生活の状況など、とても詳しく教えてくださいました。

「母なりの人生を楽しんでほしい」とのお気持ちに、とても共感しました。

私の次男も父も寝たきりでしたが、

どんな状態であれ、その人なりの人生です。

どんな時でも楽しむことを忘れない、前向きな気持が大切だと教わりました。

そんなSさまのお気持ちを受けて、

お母さまのお好きな服を作らせていただけることが、とても幸せです。

 

 

お忙しい介護の合間に、電話やラインでやりとりしながら、

生地選びからご一緒に考えていきました。
この、作り上げていく工程が、私にはとても楽しい時間です。
思い通りに出来上がるか、ご満足いただけるかは、

毎回ドキドキですが、ワクワクもします。
お客さまと、そんな時間を共有できるのが、本当に嬉しいです。



製作途中に、縫製スタッフさんが写真を撮ってくださるので、

お客さまに確認していただきながら進めていきます。
完成したときの喜び、

出荷してお届けするまでのドキドキ、

ご満足いただけたときの嬉しさは、何にも替えがたい宝物です!

 

 

 

 

完成した2着の寝巻き。

「母に着心地いい?と聞いたら頷いておりました。」

「いい感じです。」

と、おっしゃっていただきました。

縫製スタッフにもすぐに連絡して、喜びを分け合いました。

こんな幸せなお仕事をさせていただき、本当にありがとうございます。

 

 

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