服を作り始めたきっかけは、次男が急に寝たきりになったためですが、

それまで私は布をまっすぐ切ることもできませんでした。

 

アパレル業界にいたこともないですし、縫製について学んだことは一度もありません。

それでも独学で服を作ることができたのは、私の母が洋裁師だったからだと思うのです。

子供の頃、ワンピースやスカートを縫ってもらったり、

中学高校の制服も手作りで作ってもらいました。

 

採寸して、型紙を作って、仮縫いして、、、という手順は、

子供の頃から見てきた風景で、なんとなくわかっていたのかもしれません。

さらに、お隣さんが洋裁が得意で、わからないことはすぐに聞くことができたのもよかったです。

 

でも、独学で服を作ってきただけで起業までしようと思えたのは、

事業の立ち上げ経験のある、海外在住の姉が、アドバイスをしてくれたからです。

自分は起業家には向いていないと、今でも思っています。

今までやってきた仕事でもリーダーシップを発揮したことはなくて、

方向を示してもらってサポートするほうが好きでした。

「本当にできるのだろうか」と、ずいぶん悩みましたが、

姉が親身に自分の経験を踏まえて相談に乗ってくれたおかげで

「失敗しても、できるところまでやってみよう」と、決断出来たのです。

 

 

それから、服作りを“事業”としてここまで来ることができたのは、

縫製コンサルタントをしてくださった栗栖さんのおかげです。

私はアパレル業界や縫製工場で働いたことが無いので、

1年間コンサルティングをしていただきました。

全く無知な私に、一から教えてくださっただけでなく、

気になる工房さんや縫製工場さんの開拓にも同行してくださり、

とても力になってくださいました。

 

起業のかたちは人それぞれですが、

大体は何かしら経験があって始める人がほとんどです。

それなのに、まったく無謀としか言えないチャレンジに付き合ってくださり、

コンサル契約終了後も応援してくださっています。

 

 

また、障害者団体や介護施設の方々、

創業支援で助けてくださっている方々、

応援してくださっているみなさまのおかげで、何とか3年間やってこられました。

全く売れなくて、心が折れそうな時

「これ、本当にラクだから、すごく助かってる。だから頑張って!」と、

ズボンを3本も買ってくださったお客様。

人を雇う余裕がなくて、企画も広報も何もかも一人でやっていて家事がおろそかになっても、

文句も言わず応援してくれる夫と息子。

心から感謝しています。

 

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