女性の更年期障害をタイプ別に分けると、虚証、中間証、実証とあります。
この言葉は日本漢方で使われるもので、体質をあらわしています。
実証は強靭で、虚証は虚弱体質のことです。
最近はこの2つに加えて実証と虚証の中間ぐらいの中間証という分類で3つで分けられることがよくあります。
中国医学・中国漢方では少し違い、体質というより今の体の中の状態を表す意味が強いと思われます。
虚証とは「人体に必要な物質または機能が不足した状態」で、実証とは「不必要で有害なものが存在し、それによる病理的な反応」を表します。
これらのどちらにも少しずつ当てはまる人は中間証のタイプに分けられます。更年期障害をタイプ別に分けるとどんな漢方薬がおすすめかわかります。
中間証の人に多い症状は次のようなものです。
不眠、頭痛、めまい、目の充血、よくしゃべる、貧血気味、食欲がない、多愁訴、かっとなりやすい、精神不安定などいらいらが強く精神が不安定な人が当てはまります。
このようなタイプの更年期障害の漢方薬では「加味逍遥散(かみしょうようさん)」が処方されることがあります。
この漢方薬は精神症状が強い人におすすめのもので、便秘の人にもいいでしょう。
同様の更年期障害の漢方薬で精神症状があまりつよくない場合は
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、「小柴胡湯(しょうさいことう)」、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などがあります。