手術の予定は決まって一安心、と言いたいところだけれど一日、一日を乗り越えるのが
とても困難になってきたパパ。
仕事に行くのも息絶え絶えで、早くなんとかして欲しかった。
コンクール直前、「救急車を呼んでいいかな」と声をかけるほど辛そうだった。
そんな状態でも、当日は舞台袖から娘を見守り送り出してくれました。
長女にとっても忘れられない一生の思い出となったと思います。
その翌日。長女にはピアノに集中してもらいたいから話せていなかったけれど
パパはソファーに彼女を呼び、今の状態を話しました。
「パパは、2年前に手術をしたよね。あれは、癌だったんだ」
「それで、今度は大腸に癌があるのが見つかったから、それをとる手術をする為に
入院するからね。ママのこと、頼んだよ」
娘は、癌と聞いたときは「えーーーー!!」とリアクションしたけれど、多分知っていたと思う。
ニュースやテレビで癌の事を放送するとき目つきが変わって食い入るように見ていたし、保険屋さんとの電話での会話もそばで聞いていた事があるから。
その後、でもなおるんでしょ?とケロッとして勉強机のある部屋に移動した長女。
あとで様子をうかがいに行ったら目から涙の後があるけれど
「泣いてないよ、顔洗ってただけ」
とぶっきらぼうに言い放ちました。
本当、不器用な男子っぽいところも子供の頃の自分に似ていて切なくなる。