「邪気論」 | 「生身感覚同期」⇒「写楽」

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「光還元⇒自然同期」の「気づきの促し」⇒「ウツシ」「転写」「翻訳」の働き作用 「写楽」とは「転写」を楽しむ事です。

「邪気論」

「邪気現象」についてお伝えしました。日本で唯一の「邪気論」を現わしたのが奥平明観氏の「邪気論」です。

中医学の「鍼灸論」から見た鍼灸師の視点からの「邪気論」の概要です。まともな「概論」ですが、中医学に偏りすぎ一般の方々にとっては難解な内容になっています。

 

奥平明観1947年、岐阜県に生まれる(現在77歳)。1970年、慶応義塾大学法学部法律学科卒業。財団法人和敬塾常務理事として大学生の教育に携わる。東洋鍼灸専門学校卒業後、明観堂を 開業

奥平智之氏は長男・子供の頃から父・奥平明観氏(鍼灸師)から治療を受け、鍼灸に慣れ親しんできた。

明観氏の著書『邪気論 見えない身体への一歩』は、東洋医学を「見えない身体」に働きかけるものとして、「見えない身体」の病の本質である邪気を取り上げ、「気」の全体を明らかにしようと試みた解釈仮説です。「邪気」というものの実態を考察したものです。
「作用反作用」の現象化の見方は「邪気論」にはありません。

今回の紹介は「邪気現象」の鍼灸師からの見解です。「自我機能同期」による世界観です。

一般の方々にとっては異次元世界の解釈仮説でしかありません。

カスターマーレビューから

邪気とは古典に記載があるものの、目に見えないためにこれまでほとんど研究されていません。
著者は前提条件として、次のように定義づけていました。

・人体は、肉体・気・霊で出来ており、本書は「気」を対象としている。
・気には「正気」と「邪気」がある。
・邪気は次の3つに区分できる。
  1.寒・熱・湿など気候的なもの。
  2.細菌やウイルスなどの病原微生物。
  3.目に見えないマイナスのエネルギーのようなもの。
・本書はこのうち3の「エネルギー」を対象としている。
・気には「陰気」と「陽気」があり、邪気にも陰陽がある。
 陰気と陽気は性質・存在部位が反対となっている。
・経脈は二重構造で、表面を陽気、内部を陰気が流れている。

著者は見えない邪気を知覚できるようでした。
それによれば、
邪気とは正気に対応する概念で、人体を害するマイナスのエネルギーを持ち、気滞・血・水毒を生じ、内臓の機能を低下させ、人体を総合的に弱体化させる
としていました。
また邪気は経穴の反応を触診によって知覚でき、そのパターンは奇経を基にした12種があるとのことでした。
これらは陽の邪気の治療・診断点で、陰の邪気は1、2、5、7、11が該当するとしていました。
  1.内関ー公孫
  2.列欠ー照海
  3.外関ー臨泣
  4.後渓ー申脈
  5.合谷ー太衝:全身を網羅するので最終確認で。
  6.神門ー蠡溝:精神症状
  7.通里ー中封:心疾患
  8.兪府ー照海:呼吸器疾患
  9.尺沢ー陰陵泉:水滞
 10.風池ー風市:太陽病
 11.少海ー陰谷:少陰病
 12.曲池ー足三里:陽明病

著者の治療スタイルは次のようなものです。
まず問診で主訴、手掌感覚で邪気の存在を確認し、手足の12診断点の経穴の反応を調べます。
これらを総合して、病症がパターンと一致することを確認して診断を下します。
例えばストレスが強いなら壇中付近に邪気があり、精神系の「6.神門ー蠡溝」に反応があるはず。
尿路症状があるなら、邪気は鼠蹊部近辺にあり、水毒に関連する「9.尺沢ー陰陵泉」に反応が出ているはず。
その反応点に邪気の種類に応じた刺激を行うと、邪気が消滅して病状が回復に向かう、とのことでした。
現れる反応を次々に処理していくと最終的に全身を網羅する「5.合谷ー太衝」が浮かび、治療終了の印であるとしていました。
臨床例として自身の腰痛や、幻肢痛を療した話が挙げられ、興味深いものでした。

また中国古典や歴史を紐解いて、個別のテーマを切り口に邪気を解説していました。
内容は多岐に及び、脈診、腹診、奇経治療、漢方、傷寒論など古書の記述を実体験から検証していて、深みのある論が展開していました。

本書はこのように邪気を感知・検知できる著者による、臨床の中での考察がまとめられています。この領域では「勘の世界⇒勘のセンス」が求められます。

「生身感覚同期」の「メタリズム」により電磁波の自然同期を通し「勘の世界」を誰でも検証確認できる時代が訪れています。

 

ちなみに、奥平智之氏は私の精神医科学教室の後輩です。1975年当時アルバイトしていた埼玉県川越市にある「山口病院」の現在・副院長をしています。

日大医学部病院では1980年に東洋医学外来がスタートした時期です。

 智之氏のコメント

医師を目指したのは父の影響です。中学生の時に、スナック菓子をよく食べ、食事をちゃんととらない食生活で、アトピーを発症しました。それを治してくれたのが、鍼灸師の父でした。父は奥平明観といい、『邪気論』『見えない水の科学』などの著書があり、東洋医学に関心のある方はご存知かもしれません。その父の鍼灸や食養生、知り合いの漢方医の先生の煎じ薬などで良くなり、大学2年生頃には完全に治ったと思います。

父からは「お腹を冷すな」とよく言われました。同じ食事をとるにしても、お腹を温めて胃腸の働きを良くして食べると、栄養の吸収率が上がります。西洋医学にはありませんが、東洋医学ではお腹を温める「大建中湯」という漢方薬があります。診察の際も、脈診や舌診、そしてお腹を触ることもします。子どもの頃から、父の治療で患者さんの症状が劇的に改善するのを見ていたので、中学生の頃は鍼灸師になりたいと考えていました。父は東洋医学と西洋医学を組み合わせることで、より多くの人を救うことができると考え、私にその架け橋になってほしいと願っていました。その考えに共感し、医学部に進みました。

ただ、医師になるにしても、元々は東洋医学の医師になりたいと思っていたので、東洋医学が活かせる科はどこかと考えました。循環器や外科では、漢方だけで治療するのは無理です。そこで考えたのは、脳・精神・ココロというメンタルの分野ではないかと。メンタル不調の方は、心だけではなく体の不調も抱えています。東洋医学には、心と体は一体であるという「心身一如」の考え方があります。まさにこのメンタルの分野なら、東洋医学が活かせるのではないか。そう考え、精神神経科と東洋医学科に入局しました。