財務専門官採用試験は平成24年度から国家公務員試験制度の変更によって新設された試験区分です。
財務専門官採用試験(財務省財務局)

新たな採用試験(人事院HP)

財務専門官採用試験2013

[公務員]国税専門官/財務専門官業務説明会, LEC池袋本校2011年6月14日実施 Kフォーラム

このあたりの情報を抜粋してまとめています。

【財務専門官試験の特徴】
1.国税専門官、労働基準監督官等の専門職試験と同じ日程(6月の第2日曜)に行われる。
2.旧国家Ⅱ種行政職の財務局職員等を採用試験である。
3.国税専門官試験と異なり、専門択一の憲法・行政法と経済学・財政学・経済事情の2科目が必須になる。
4.国税専門官試験と同様に専門記述がある。
5.試験年度の4月1日における年齢が21歳以上30歳未満の者が受験可能である。



【財務専門官試験の難易度の予想】
労働基準監督官>財務専門官>国税専門官

財務専門官は専門学校の標準カリキュラムで受験可能ですが、幾つか留意すべき点があります。

1.採用人数が少ない。
平成24年度の採用予定は約100~150人である(検討中)。平成23年度の採用予定は国税専門官が約780人、労働基準監督官(法文系)が約100人です。
2.国家一般職や他の地方上級試験と併願が容易である。
財務専門官は国税専門官採用試験受験者の多くを悩ませた会計学が必須ではない(会計学は基本的に国税専門官受験者以外必要としない特殊な科目)。受けやすい試験≠受かりやすい試験。
3.官庁訪問がある(予想)。
旧国家Ⅱ種は1次試験合格者を対象に官庁訪問を実施していました。官庁訪問は最終合格発表前の事実上の採用面接で中々の倍率です。国家一般職の試験から区分されたとはいえ、旧試験の慣習についての注意は必要でしょう。


【財務専門官試験と国税専門官試験のどちらを受けるべきか?】
正直、就職最優先ならば国税専門官試験です。しかし、財務省財務局に強い興味をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
受験者の個々の事情は異なりますので、幾つかの例を挙げながらご説明致します(私見なのであまり当てにはなりませんが…)。

(1)併願先が国家一般職や地方上級の方
財務専門官試験をオススメします。

専門択一の選択科目は無理に会計学を選択しなくても、民法・商法、政治学・社会学、経営学、英語から2科目選ぶことは容易です。専門記述は専門択一から2科目くらい選べば十分でしょう。専門記述は憲法、民法、経済学、財政学、会計学の中から1科目選択です。従来の国税専門官試験と異なり、社会学がなくなって財政学が新たに受験可能な科目になりました。よって、経済学系を重視したい姿勢が垣間見えるので経済学系のほうが簡単になるかもしれません(従来から国税専門官試験が会計学を簡単にして、憲法を難しくする傾向がありました)。

(2)会計学が得意な方(会計士・税理士試験受験生など)
国税専門官試験をオススメします。

会計学は必須科目かつ記述にも利用可能ですので、他の国家公務員試験受験者と差をつけやすいです。そして、国税専門官試験は最終合格者の辞退が多いので、最終合格者は採用予定の2.5倍となっています。そのうえ、財務専門官採用試験は会計学や商法が必須でないことから従来国税専門官試験を受験していた層が受験します。国税専門官試験の倍率も低下するでしょうし狙い目です(逆に会計学ができないで国税専門官試験を受けることは危険になったといえます)。

(3)既卒の方
国税専門官試験をオススメします。

旧国家Ⅱ種の慣習が残っているのならば財務局(財務専門官)は既卒、特に高齢受験者に厳しい官庁です。対して、国税局(国税専門官)は寛容な官庁となっています。


この記述が受験生の皆様の助けとなることを祈っております。
併願含め、公務員試験において受験先は重要ですので、色々とお考えくださいませ。